「電動ブレード除雪機」の誕生
家庭用小型除雪機の「ブレードタイプ」は、雪を押し集めて除雪する作業機です。主に少積雪地域の住宅地や駐車場など、雪を飛ばすことの出来ない場所で使われます。雪を飛ばす「ロータリータイプ」に比べ、雪を押すというシンプルな作業なため、機械操作に不慣れな初心者でも簡単に取り扱え、作業しやすいという特徴があります。Hondaのブレード除雪機は1991年の「スノーブルSB665」から始まり、2008年に「ユキオス」というガソリンタイプの除雪機を発売してきました。
除雪作業はいつの時代も大変な重労働です。雪国に比べ積雪量がそれほど多くない地域では、除雪機を用意して降雪に備えるケースは少なく、そのほとんどがスコップなどの用具を使った手作業によって行われています。特に都市部での急な大雪の際には、慣れない除雪作業を何度も行わなければならず、大変な苦労を伴うケースも少なくありません。
こうした手作業で行いがちな除雪作業の負荷軽減を図るべく、また、少積雪地域などの新たな除雪ニーズに応えるべく開発したのが、電動ブレード除雪機「ユキオスe」です。
「ユキオスe」は、ガソリン仕様のブレード除雪機「ユキオス」をベースに、電動のメリットを活かした除雪機をめざし開発をしました。
電動なので低騒音で、住宅街など音が気になる場所での作業が気軽に行えます。また排気ガスやCO２の排出がありません。
作業者の作業にあわせスムーズな操作が実現できる電子制御や、軽い力でしっかり除雪できる構造、また利便性を考えたさまざまな工夫など、ユキオスeは初心者でも扱いやすい除雪機です。
使いやすさを考えた工夫
使いやすさを考えて、ユキオスeではさまざまな工夫がされています。
バッテリーは扱いやすく、持ちやすい大型グリップを採用し、さらにそれをワンタッチで確実に固定できる独自のロック機構を搭載しました。
バッテリー性能は外気温に充電容量が左右されやすいことから、ユキオスeでは、バッテリー脱着と家庭用コンセントから充電できることで、簡単に安定した充電を可能としました。また、バッテリー残量は、手元で確認できるように3灯のLED表示灯を見やすい位置にレイアウトしました。
デザインもシンプルながら実用性のある、親しみやすいスタイルを目指しています。
例えば白いヘッドカバーはモーター等の機械を見えないようにすると共に、コネクター類を雪からしっかり守ることが出来ます。
バッテリーの固定には、独自のロック機構採用
家庭用コンセント（100V）から充電可能
シンプルで見やすいＬＥＤ表示とレイアウトを採用
電子制御技術で実現したスムーズな操作性
ユキオスeの特長の１つに電子制御のメリットを活かした使い勝手の良さがあります。
２つのレバーに内蔵したセンサーからの入力信号に基づき、コントロールユニットがモーターを制御することで、作業者がスムーズに操作できるような仕組みを採用しています。
例えば発進時に走行レバーを握り込んでも急発進せずスムーズな動きだしとなり、停止時はレバーを離すことで素早く停まります。
さらに後進時は前進時よりも緩やかに動きだす制御を加えるなど、作業者の操作に合わせた自然な動きを実現しています。
また変速レバーで最高速度を設定、さらに走行レバーの握り具合に応じて無段階変速が可能です。そのため、手元で細かな速度調整ができるので、狭い場所での取り回しが良く、しっかりと作業ができます。
高い除雪性能の実現
雪を押し出すブレードタイプの除雪機では、雪を押す作業が「駆動力」に依存します。ユキオスeでは、Honda独自の「高出力ブラシレスモーター」と「フレーム構造」の２つの効果で、高い除雪性能を実現しています。
雪の少ない時は実機の自重のみの接地荷重で必要な駆動力が得られます。しかし雪の量が多くなり雪の重量が自重の接地荷重に勝ると、クローラ—がスリップし除雪できないことがあります。
ユキオスeでは、※電動除雪機トップの860WのＤＣブラシレスモーターに、除雪機で培ったノウハウを生かした独自のフレーム構造を採用。
最適な車両バランスとハンドル支点の組み合わせで、ハンドルを押さえつけることで、その力と雪の重みが加わり、効果的に接地荷重が増えて必要な駆動力が得られ、楽に作業することができます。
さらに高いモーター性能を最大限に発揮することで、軽く・コンパクトな機体でもパワフルな除雪を可能にしています。
※歩行型電動ブレード除雪機として。Honda調べ（2014年10月現在）
