電動事業戦略

電動領域の
競争力強化に向けて

執行役専務
電動事業開発本部長 井上 勝史

電動領域の競争力強化に向けて

二輪・四輪・パワープロダクツすべての領域で電動化を強力に推進します。電動事業の早期自立化に向けて、 2023年に即断即決の専門組織を立ち上げました。この組織を核に、「5つのキーファクター」における先進的かつ独創的な技術を追求することでHondaが培ってきた独自の魅力をさらに進化させ、「移動に伴う制約からの解放と人の可能性の拡張」を実現する競争力の高い商品・サービスを提供することで、お客様の生活をさらに豊かにすることを目指していきます。

Hondaらしいプロダクト・サービスで電動化を駆け上がる

これまでHondaはファミリーカーからスポーツカーまであらゆるカテゴリーの四輪製品で「意のままにあやつる喜び」を体現してきました。F1をはじめとするさまざまなレースに参戦し、「走る実験室」として技術に磨きをかけてきました。その結果として技術の体得だけでなく、組織として走りを妥協なく追い求め、果敢に挑戦する企業文化が浸透するまでに至りました。電動化は「エンジン屋Honda」としてのアイデンティティの喪失ではなく、これまで培ってきた「意のままにあやつる喜び」をより高みの次元へと引き上げる“通過点”であると認識しています。電動化の向こう側にある「移動に伴う制約からの解放と人の可能性の拡張がもたらす喜び」の提供のためにHondaは走り続けます。
ラインナップでは、2024年から各地域の特性に合わせてBEVを一挙に投入します。北米ではゼネラルモーターズ(GM)との共同開発モデルである「PROLOGUE」「Acura ZDX」、中国では「e:NS2」「e:NP2」に加え、「e:N SUV 序」をベースとした量産モデル、日本では「N-VAN」ベースの軽商用EVを2024年に発売します。アジア地域に関しては、2026年にSUVタイプを含む小型EV2機種を投入することで、新興国市場での電動化を牽引します。さらに、2025年以降に独自開発のプラットフォームによる世界戦略車を展開することで、グローバルでの電動化を効率的かつ強力に推進します。その後もフラッグシップやスポーツモデルなどラインナップを拡充させるとともに、「次世代BEVものづくり工場」による競争力の高いBEVを提供します。加えて、車が持つこれまでの「ハード」の価値だけでなく、ソフトウェア技術を活用したデジタルサービスやエネルギーサービス、車内空間の新たな価値を提供します。

そのような魅力的な商品をお届けするために、HondaのDNAである「強い個人の共鳴」をより強化し、「個々のチャレンジと共創活動」によって開発・生産・販売・サービスまでのバリューチェーンにいっそうの磨きをかけていきます。
二輪事業においては電動化を中心としたカーボンニュートラル社会においても世界No.1メーカーとして、多様なお客様のニーズに応えることで電動二輪車の進化を牽引していきます。そのためにも、日常使いのユーザーから、ツーリングなどの長距離を移動するユーザーまで、世界中の、多岐にわたる使い勝手を求めるお客様に移動の喜びを提供し、独創的なアイデアと技術で応えることがHondaの使命であると考えています。電動化時代においてもあらゆる使い方に応えられるよう、バッテリーや充電方式などの技術的な課題に対しスピード感を持って取り組んでいきます。具体的には、まず交換式バッテリー「Honda Mobile PowerPack e:(モバイルパワーパック イー)」を搭載した「EM1 e:(イーエムワン イー)」を日本で発売しました。また、2023年度中に欧州・インドネシアでも発売します。

EM1 e:

EM1 e:

Honda Mobile Power Pack e:

Honda Mobile Power Pack e:

さらに、プラグイン充電式のモデルについても開発を進めています。これに加えて、デジタル技術の活用によりお客様とのつながりを今まで以上に増やし、二輪車を通じて広がる生活の利便性や楽しみを積極的に訴求・拡大していきます。
パワープロダクツ事業においては、創業者の想いを継ぎ「役立つ喜び」の志を軸に、これまで世界中の人々の仕事と暮らしを支える商品を提供してきました。今後も、人々の原動力となる多様な商品を提供しながら、カーボンニュートラル社会の実現に向け、小型建機、ガーデン、マリン領域での電動化に挑戦していきます。加えて、作業機の自動化技術など、電動化におけるHondaの新しい価値を追求していきます。

電動パワーユニット「eGX」

ただ市場の変化を追いかけるのではなく、この電動化の大変革期に、自ら変革を起こすことで業界およびものづくりをリードしていく次世代のHondaにご期待ください。

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