POINTこの記事でわかること
- 「Cub HOUSE」は、ライフスタイルの多様化や若い世代の価値観に合わせて、カスタマイズやアパレル、雑貨まで含めて“バイクのある暮らし”を提案する新しいコンセプトショップとして、タイでスタート。
- タイでの実績をもとに、ファッション性や気軽なカスタマイズ体験を入り口とした、新たなバイクとの接点づくりの場として、日本展開に向けたトライアル店をオープン。
- 今後は店舗ごとの個性づくりや地域との連携、カフェ併設なども視野に入れながら、日本でのCub HOUSEの展開にあわせて新しいバイク文化の広がりを目指している。
バイクを「買う場所」から、「暮らしを楽しむきっかけ」へ。
Hondaがタイで生み出した「Cub HOUSE」は、バイクやカスタマイズ、アパレル、雑貨を通じて、新しいモーターサイクルカルチャーを提案するコンセプトショップです。
日本でもより多くのお客様に「バイクのある暮らし」を届けたいという想いから、2026年4月、埼玉県戸田市に日本初のトライアル店がオープンしました。
タイで誕生したCub HOUSEを日本で展開するにあたり、どのような工夫を施し、どんな反響を得ているのか。企画責任者に話を聞きました。
株式会社ホンダモーターサイクルジャパン
営業部 ドリーム課
主査
Cub HOUSE プロジェクトリーダー
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徳原昌敏(とくはら まさとし)
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バイク、アパレル、雑貨まで。「Cub HOUSE」という新しい空間
Cub HOUSEはタイでどのように誕生したのでしょうか。
※2026年8月時点
Cub HOUSEは、「バイクを通じて人と人がつながり、自分らしい楽しみ方を見つけられるコミュニティスペースをつくる」というコンセプトを掲げています。
特に若い世代にとっては、バイクそのものよりも、ファッションやデザイン、カルチャーへの共感が最初の接点となるケースも少なくありません。そこで、店舗デザインはもちろん、アパレルや雑貨などをきっかけに気軽に立ち寄ることができ、自然とバイクの魅力にも触れられる場所を目指しました。
現在、タイではバイク販売の枠を超えたライフスタイル提案型の拠点として、多くの支持を集めています。
Cub HOUSEはどのような場所でしょうか。
「Cub HOUSE」は、“Culture”“Unique”“Bikes”の頭文字から取られており「バイクを通じて、自分らしさと出会える場所」です。私たちは、バイクを単なる移動手段や趣味の乗り物ではなく、自分らしさを表現するライフスタイルの一部と捉えています。
従来のバイク販売店が「バイクを選び、購入する場所」だとすれば、Cub HOUSEは「バイクのある暮らしやカルチャーを体験する場所」だと考えています。車両だけでなくアパレルや雑貨、カスタマイズパーツも含めて展開することで、お客様が自分らしいスタイルを表現できる選択肢を提供したいと考えています。
そのようなCub HOUSEを日本に展開しようとなったのはどのような理由があったのでしょうか?
タイではCub HOUSEがバイクを軸にカルチャーやコミュニティを生み出すきっかけとなりました。日本においてもユーザーの価値観やモビリティの在り方が多様化する中で、単に“バイクを販売する”だけではなく、「バイクのある暮らし」そのものをどう提案していくかを検討してきました。特に若い世代ではライフスタイルや自己表現への関心が高まっており、まさにCub HOUSEがバイクの新しい楽しみ方を提案できるのではないかと考えたことが日本展開のきっかけです。
日本展開への挑戦と独自の工夫
タイでの展開実績を踏まえ、日本向けに変えたことを教えてください。
タイでの展開から学んだ最も大きなポイントは、バイクを販売するだけでなく、カルチャーやコミュニティ、ライフスタイルまで含めて提案することで、新しいお客様との接点を生み出せるということです。日本でも若い世代を中心にライフスタイルや自己表現への関心が高まっている今、新しいバイクの楽しみ方を提案できると考えています。
日本展開にあたっては、「バイクに詳しくなくても入りやすいこと」を目指し、カフェやアパレルショップのように、気軽に立ち寄れる空間を意識しました。今まさに「おしゃれなお店ができたから寄ってみよう」という理由でお客様が入ってこられましたが(笑)、思いがけないバイクとの出会いの場を提供できたらと考えています。
そのために、タイヤをモチーフにしたペンダント照明や、Monkeyの純正シートを活用したカウンターチェアなど、バイク由来のパーツを空間デザインに取り入れて、自然にモーターサイクルのカルチャーに触れていただき、興味を持ってもらえるような工夫を施しています。カスタマイズについても気軽に楽しんでいただけるように、ステッカーや小さなパーツなど、手頃さにも配慮してラインアップしています。
Cub HOUSEが描く未来
初めてCub HOUSEに来た方に、どんなふうに過ごしていただきたいですか。
まずは純粋に、「楽しかった」「また来たい」と思っていただきたいですね。バイクに乗っている方には新しい発見を、まだ乗っていない方には新たな興味を持ち帰っていただくこと。それが、「Cub HOUSE」だからこそ提供できる体験価値だと考えています。
実際にお越しいただいたお客様からの反響をどのように受け止めていますか。
私たちの想定以上に幅広いお客様にご来店いただいており、大きな手応えを感じています。特に印象的だったのは、開店前は既存のHondaファンやバイクユーザーがカスタムパーツを目当てに多く来店されることを想定していた一方で、実際にはアパレルや雑貨をきっかけに足を運んでくださるお客様が数多くいらっしゃったことです。
今後、日本でもCub HOUSEは広がっていくのでしょうか。
日本においては、既存の販売店の中にコーナーとして設けるショップ・イン・ショップの形態を基本に展開していく予定です。タイ市内の店舗を見学して、印象的だったのは定期的なディスプレイ変更です。基本的な空間演出のルールを守りつつも、店舗スタッフが率先して店舗ごとの特長を表現している、「地域に根差した空間づくり」はとても参考になりました。
例えば、あるCub HOUSEではキャンプ用品に囲まれ、またある店舗ではトライアル系の車両が充実するなど、店舗ごとに個性があります。今後、日本での展開数が増えるにつれ、それぞれの店舗ならではの個性を表現してほしいですね。ツーリングの途中で各地のCub HOUSEを巡るといった、新しいカルチャーやライダーの楽しみの一部になれたら理想です。
タイのCub HOUSEでは、キャンプ用品を取り入れた空間づくりなど、店舗ごとの個性が活かされている
最後に、Cub HOUSEを通じて、どんなバイク文化を広げていきたいですか。
バイクに乗ることはもちろん、カスタマイズやファッション、人とのつながりを通じて、一人ひとりが日常の中で自分らしさを表現できる、多様で開かれたモーターサイクルカルチャーを育んでいくことが、Cub HOUSEの役割だと思っています。
バイクに乗る人だけが集まる場所ではなく、「ちょっと寄ってみよう」と気軽に立ち寄れる場所になってほしいですね。そこで初めてバイクに興味を持ち、好きになる人が一人でも増えていけば、本当にうれしいです。
タイではバイクが生活に欠かせない移動手段として広く普及しており、バイクを単なる移動手段ではなく、ライフスタイルへと進化させたいという想いがありました。そんな中、カスタマイズやアパレル、コミュニティを融合した新たな顧客接点として、2018年にバンコクで誕生したのが「Cub HOUSE」です。現在では、16店舗※を展開しています。