国内外のマーケティング、商品企画、営業企画など、数多くの領域を担当してきた松山。現在は、入社のきっかけとなったHondaの企業文化やフィロソフィーを伝えるべく、広報活動や企業ブランディング施策を手がけています。「女性には無理」という偏見を打ち消すほどのリーダーシップを発揮し、様々な領域を手がけてきた松山に、印象深い商品企画やリーダーとして大切にしていること、女性の働き方について聞きました。
コーポレート戦略本部
コーポレートコミュニケーション統括部
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松山 康子(まつやま やすこ)
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与えられた環境でベストを尽くす
現在所属するコーポレートコミュニケーション統括部では、どんな仕事をされていますか?
Hondaで仕事を続けてきて、どんな経歴を歩んできましたか?
入社後、11年ほどは国内営業を担当していました。データを使った定量的な市場調査やグループインタビュー、お宅訪問調査など、営業といってもマーケティング領域の業務が中心でしたね。
その後、30歳を迎えたあたりで、2001年から始まった軽自動車「LIFE」の商品企画に、セールス部門のプロジェクトリーダーとしてアサインされました。商品企画の際には、セールス・開発・生産からそれぞれリーダーが選出されるのですが、当時は性差に対する認識も時代的に今とは違うものでしたし、そもそも女性社員が少なかったこともあり、女性がリーダーに選ばれたことはそれまでありませんでした。そんな中で機会をいただけたのが、この「LIFE」の企画だったんです。
その後はどのような事業を担当されたのでしょうか?
3年くらい「LIFE」を担当したあと、黎明期の中国事業に2年ほど携わりました。その次は、国内のアフターマーケット事業ですね。それまでは新車を扱ってきたのですが、今度はアフターサービスの領域で。
当時、新車販売後のアフターケアにはまだまだ不足している点がありました。そうした点に注目し、車検や定期的なメンテナンスに必要な諸々をまとめた「メンテナンスパック」を商品化したんです。予算もない、人員も足りないという状況で、販促品はペラカタ※一枚でしたが、「お客様のニーズに合致しているか」「販売店の方が自信を持って売れる商品か」の2点をつぶさに考えることで、マーケットに根づかせることができたと思っています。「いい仕事ができた」と胸を張れる企画の一つですね。
アフターマーケット事業の担当を終えてからは、海外営業に入っていき、5、6年ほど前から現在の部署でブランディングや広報に携わっています。
※簡易カタログ
目的が決まれば、自然と人は動く
先ほどのお話であった「LIFE」の商品企画は、やはり印象に残っていますか?
そうですね。ようやくリーダーを任せてもらえたこともあり、印象深い仕事です。「LIFE」のメインターゲットは女性でした。そこで、「色にこだわって選びたい」という女性の心理に合わせて、実際のカラーを塗った模型を販促ツールとして提案したりもしました。
ただ、この模型は販促ツールとしては高価なので、社内からは「販売店に買い取っていただくには高すぎる」という声もあったのですが、購入を検討するお客様にとっては絶対に必要と説得し、どうにか形にすることができました。結果として、「商談の際にその模型がテーブルに載っていて、お客様が色を選び出したら購入がほぼ決まる」というほどの成果があったんです。販売店の方にも「ここ10年で一番のヒットツールです」と言っていただけて、本当につくって良かったなと思ってますね。
入社したての頃と現在を比べて、Hondaでの女性の働き方について思うところはありますか?
特に90年代は法律も働き方も今と違っていたので、「女性をリーダーにアサインする」というのは事例として少なかったと思います。ただ、2000年を過ぎた頃から女性の採用も増えてきました。やはり、男女比率の差が縮まってくると、お互いの力や意見を良いバランスで出していけるようになりますよね。課題解決のためには、男性だけが集まって話すより、女性の意見も取り入れたほうが、新しい糸口や異なるアプローチを見つけやすくなると思うんです。そのためにも、入社した女性が辞めずに続けていける環境を整えていくことが重要だと思っています。
そうしたハードルを乗り越え、リーダーシップを発揮している松山さんが大事にしているものはなんですか?
「何のために・誰のためにやるのか」という目的の部分を大切にしています。Honda用語でいうと「A00」という言葉に当たるのですが、目的が明確になっていれば、メンバーも引き継いでいく人たちも方向性に納得できますし、自分がやるべきことは何か、自ら気づいて動いていけると思うんです。ですので、目的の部分は一番こだわって言語化するようにしてますね。
多様な視点を持ち、社会に必要とされる会社へ
今後Hondaで叶えていきたいことはありますか?
私は「これがやりたい!」という夢や目標があってHondaに入社したわけではなくて、Hondaという会社の企業文化や本田宗一郎から受け継がれているフィロソフィーに共感して入社したんです。なので、自分の夢を叶えるというより、与えられた環境で課題を見つけてやり遂げることでお客様や会社に貢献したいという想いから、ずっと仕事を続けてきました。
現在は広報領域を担当しているので、Hondaの企業文化やフィロソフィーを伝えてファンを増やしていくことが所属する部署の使命でもあり、いちHondaファンとしてやっていきたいことでもありますね。
我々の広報活動はまだまだ十分ではないと思っているので、さらに活動を広げ、「Hondaっていいな」と思ってもらうことが今後の夢です。
最後に、働く女性に向けたメッセージをお願いします。
性別にかかわらず、お互いの見方や意見を共有することで、社会が必要とする新しい発想を生み出すことができると思うんです。そのためにも、女性の方々には「違和感」を感じたら口に出していってほしいですね。「女性らしさ」を求められるのは私も好きではなかったのですが、やはりジェンダーによって視点の違いはあると思っていて。そうした違いから見つかる発見はHondaに限らず社会全体で必要とされていると思うので、表に出すことで活用されていってほしいです。
男性のみならず、管理職を視野に入れているすべての方には「ぜひチャレンジして」と伝えたいです。プレッシャーもありますが、上がっていかないと見えない景色があるし、挑戦する以前とは違う経験ができるので、「やりたいならやってみようよ」と背中を押していきたいと思っています。
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広報やコーポレートプロモーション、インナーブランディングなど、Hondaのビジョンや魅力を伝えています。最近でいうと、Hondaの様々な想いを伝える「Hondaハート」という施策ですね。Hondaが取り組む様々なファクトと、その背景にある想いやフィロソフィーを社内外に伝えていくプロジェクトで、若い世代の方にまで幅広く支持していただけました。