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経営 2023.04.26

Hondaのカーボンニュートラル実現に向けた電動化戦略とは?

Hondaのカーボンニュートラル実現に向けた電動化戦略とは?

Hondaが「2030年ビジョン」に掲げる「すべての人に、『生活の可能性が拡がる喜び』を提供する」というステートメント。この実現に向けた大きな柱となるのが、二輪車・四輪車それぞれの電動化です。
4月26日におこなわれた記者会見では、電動化推進にあたって、Hondaが今後どのような考えを持って、どのような取り組みを行っていくのか、その方向性が改めて示されました。当記事では、そのハイライトをご紹介します。

Hondaの電動化戦略が目指すところ

Hondaの二輪領域における電動化の取り組みの歴史は古く、1994年に市販した世界初の電動二輪車「CUV-ES」を皮切りに30年近くに渡り研究開発を続けてきました。この動きを、脱炭素化という国際社会の要請に沿ってさらに加速させていくことが、当社のみならず、業界全体にとっての大きな使命です。

2025年までにグローバルで、電動二輪車を合計10モデル以上投入。2030年にHondaの総販売台数の約15%にあたる年間350万台レベルの電動二輪車の販売を目指します。
既に郵便・宅配といったビジネス向けモデルとしては「BENLY e:(ベンリー イー)」が、三輪の「GYRO e:(ジャイロ イー)」とともに、日本やタイ、ベトナムといった国々で活躍していますが、一般向けも電動モデルの投入が予定されています。その先駆けとなるのが、交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー)」 を搭載した「EM1 e:(イーエムワン イー)」です。最高速度45km/h、1回の充電で40km以上の航続距離を実現する車種であり、充電済みのモバイルパワーパックに交換することで、充電されるのを待つことなく走行が可能となっています。日本、欧州、そしてインドネシアで、2023年中の発売を目指しています。

EM1 e:(イーエムワン イー) EM1 e:(イーエムワン イー)

他方、四輪においても「2040年までにEV・FCEV販売比率をグローバルで100%にする」という目標に向け、動きを加速させています。2030年までにグローバルでEVの年間生産200万台超を計画しています。
北米では、2024年にゼネラルモーターズ(GM)との共同開発モデルである「PROLOGUE(プロローグ)」をHondaから、「ZDX」をAcuraからそれぞれ発売します。また2025年には、Honda独自のEV専用プラットフォームをベースとした、新たなE&Eアーキテクチャーを採用した中大型EVの発売を目指します。

PROLOGUE(プロローグ) PROLOGUE(プロローグ)

日本国内では、2024年に「N-VAN」ベースの軽商用EV、2025年には「N-ONE」ベースのEV、2026年にはSUVタイプを含む小型EV2機種の発売を予定しています。
また中国では、「e:NS2」「e:NP2」を2024年初頭に発売を予定しており、今月、上海モーターショーで公開したコンセプトモデル「e:N SUV 序」をベースとした量産モデルを2024年中に発売。2027年までに10機種のEVを投入、2035年までにはEV販売比率100%を他地域に先駆けての実現を目指します。

電動化を実現する“強固な”バリューチェーン

バッテリーの調達について、当面は外部パートナーからの調達を進めていきます。北米ではGMから、リチウムイオンバッテリーである「アルティウム」を調達するとともに、LGエナジーソリューションとの生産合弁会社を2023年中に設立します。中国ではCATL(Contemporary Amperex Technology:車載電池で世界最大手)との連携を強化し、日本では軽商用EV向けバッテリーをエンビジョンAESCから調達します。
2020年代後半以降は、外部調達のみならず、自前での研究開発を加速させていきます。 GSユアサとの協力会社で高容量・高出力なEV用リチウムイオンバッテリーを開発するほか、2024年に全固体電池の実証ラインを立ち上げ、2020年代後半に投入されるモデルへの採用を目指します。また、EV用バッテリー研究開発会社である米・SES社へ出資し、半固体電池(リチウム金属二次電池)を共同開発するなど、様々な手段で技術進化へのチャレンジを継続してまいります。

こうした「調達」「開発」の領域に加え、これから重要性が増すと考えられるのが「資源確保」「リソースサーキュレーション」といった領域です。
資源調達については、2022年に締結した阪和興業との戦略的パートナーシップを活用し、ニッケル・コバルト・リチウムなどのレアメタルの中長期的な安定調達を実現します。
資源循環に関しては、北米の資源リサイクル事業者であるアセンド・エレメンツ社、サーバ・ソリューションズ社との協業を基本合意。材料調達の安定化に加え「環境負荷ゼロ」の実現を目指します。また先日公表したPOSCOホールディングスとの包括的パートナーシップを通じて、主要マテリアル調達におけるサステナビリティ向上を図ります。

このように、バッテリーの高付加価値化を目指すにあたり、バッテリー・資源の調達から、リソースサーキュレーションに至るまで、さまざまなパートナーと戦略的パートナーシップを結び、Hondaをハブとした強固なバリューチェーンを構築して、サステナブルな事業基盤を整えていきます。

Hondaをハブとした強固なバリューチェーン

理想のモビリティ実現に向けた「5つのキーファクター」

すべての人々が自由な移動の喜びを享受できる社会に向けて、Hondaは「環境負荷ゼロ(カーボンニュートラルの実現)」「交通事故死者ゼロ」という2つの目標を掲げています。このチャレンジングな目標の実現に向け、事業体質の強化を行うとともに、モビリティを進化させるための「5つのキーファクター」を定めました。

Hondaが目指すモビリティ

電動化戦略の推進は、このミッションのキーファクターの1つであり、モビリティの未来の鍵を握る取り組みなのです。社会に、お客様一人ひとりに継続的な価値を提供すべく、その挑戦は続いていきます。

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