衝突軽減ブレーキにより安全運転支援を行ってくれる。 先行車との適切な車間距離を保ってくれる。こうした「安全運転支援機能」は、現在多くのクルマに搭載されています。
より安全なクルマを世に送り出すため自動車メーカーは日々開発に取り組んでいますが、2022年現在、その機能はどこまで進化しているのでしょうか?
この記事ではクルマの目であるセンシング技術を中心にHondaの「安全運転支援機能」をご紹介。「クルマはどんな支援をしてくれるの?」という疑問に、お答えします。
カメラは安全運転支援を可能にするクルマの「目」
ドライバーの安全な運転を支援するクルマの「安全運転支援機能」。急に道路に飛び出してくる人がいないか、クルマが車線からはみ出すことはないかなど、クルマが周辺環境を認識することで、適切なドライビングをサポートする機能です。
それでは、クルマはどのようにして周辺環境を認識することができるのでしょうか?
ドライバーが目や耳からの情報を得てクルマを運転しているように、安全運転支援が搭載されたクルマもまた、周辺の状況を「見て」います。そう、クルマにも、人間と同じように目がついているのです。
そんな「クルマの目」の役割を担っているのが「センサー」です。センサーは安全運転支援システムにとってもっとも重要な技術の一つです。
センサーには画像で認識するカメラ、電磁波で認識するミリ波レーダーなどさまざまな種類があります。これらのセンサーから得たデータによって、クルマは周辺環境を認識しています。
そして、安全運転支援システムに搭載されているセンサーの中で現在もっとも市場普及率が高いのが「カメラ」です(「2019次世代カーテクノロジーの本命予測と未来自動車像」より)。安全運転支援システムの中でも、現在は主要な役割を担っています。
カメラは、AIなどの画像解析技術によって、周辺に障害物がないかを検知します。
進行方向を見るカメラはルームミラーの裏側など、車両の進行方向に。後方を確認するものは車体後方に。複数のカメラの情報を統合して安全運転支援を行うシステムも開発されています。
シマウマの広い視野角がライオンをいち早く察知するように、クルマの視野角の広さが物体を認知します。
また、カメラが見ているのは、クルマや歩行者だけではありません。信号の色、道路標識といった情報も識別するのです。
Hondaの安全運転支援がドライバーのためにできること
カメラから情報を得たクルマは、どのようにドライバーを支援してくれるのでしょうか?
ここでは、Honda SENSING、Honda SENSING 360*1というHondaの安全運転支援システムに搭載されている4つの機能をご紹介します。
Honda SENSINGは現在販売中のクルマに搭載されています。13の機能でドライバーをアシストする安全運転支援システムのことで車両前方にセンサーを搭載し、事故低減を目指しています。
*1 Honda SENSINGおよびHonda SENSING 360の各機能の能力(認識能力・制御能力)には限界があります各機能の能力を過信せず、つねに正しい姿勢を保ち、周囲の状況に気をつけ、安全運転をお願いします。
衝突軽減ブレーキ(CMBS)*2 / Honda SENSING
横断歩道のない道路で突然歩行者が飛び出してきて、危うく衝突してしまいそうになった。走行中に前方のクルマが急ブレーキをした、急にウインカーを出して進路変更を行おうとした。そのように、日々の運転の中でヒヤッとした経験がある方は多くいらっしゃると思います。
そんな危険を察知して安全運転支援を行う機能が衝突軽減ブレーキです。「ぶつからないように」支援するための機能です。
安全運転支援システムの中では最も普及率が高い機能です。
*2 衝突軽減ブレーキ(CMBS)は、約5km/h以上で走行中に自車との速度差が約5km/h以上ある車両*や歩行者に対して衝突するおそれがあるとシステムが判断したときに作動し、停止または減速することにより衝突回避や衝突被害の軽減を支援します。
*作動条件や検知する障害物は車種により異なる場合があります。
車線維持支援システム(LKAS)*3 / Honda SENSING
高速道路をドライブ中に強風にあおられ、車線からはみ出しそうになってしまった。
車線維持支援システムはステアリング操作を支援しクルマが車線の中央をキープできるようアシストします。「ふらつかない」ための機能です。
疲労を軽減しつつ長時間のドライブに安心を与えてくれます。
*3 車線維持支援システム(LKAS)は、約65km/h以上*で走行中に作動します。運転者のステアリング操作に代わるものではありません。運転者がステアリングから手を放した状態や、運転者が意図的に車線を越えるようなステアリング操作をしているとき、また、ウインカーを作動させている場合には作動しません。高速道路や自動車専用道路を運転するときに使用してください。
* 作動条件や検知する障害物は車種により異なる場合があります。
アダプティブクルーズコントロール(ACC)*4 / Honda SENSING
高速道路での長距離をドライブ中に、気がついたら先行車との車間距離が短くなってしまった。そんな危険を未然に防いでくれるのがアダプティブクルーズコントロールです。「適切な車間距離をたもつ」ことでドライバーの疲労を低減してくれる機能でもあります。
また、「渋滞追従機能」付きの車種であれば、先行車の発進・停止にあわせた追従走行が可能。衝突事故が起きやすい渋滞時のストレスを低減し、ロングドライブを楽しむことに貢献します。
*4 アダプティブクルーズコントロール(ACC)は、約30km/h以上で走行中に作動(渋滞追従機能付は先行車がいる場合、停車中から作動)します。先行車に接近しすぎる場合には、ブレーキペダルを踏むなどしてて適切な車間距離を保ってください。高速道路や自動車専用道路を運転するときに使用してください。
「Honda SENSING 360」はクルマの前後左右を見ている
「Honda SENSING 360」は、先進的な安全運転支援システムで、フロントと各コーナーに計5台のミリ波レーダーを搭載し*5360度方向のセンシングを実現しています。
クルマに搭載されたセンサーの搭載数が多く、対応範囲の広い「Honda SENSING 360」はより高度な安全運転支援を行います。
Honda SENSING 360は2022年に中国で発売する車両から導入予定の新システム。2030年までに先進国で発売される四輪車の全モデルに展開していく計画です。
*5 Honda SENSING 360の検知性能には限界があり、ドライバーの目視確認を不要とするものではありません。
前方交差車両警報 / Honda SENSING 360
信号のない交差点は、事故が頻発するポイント。特に都市部ではビルの影に隠れて横断車両が目に入りにくかったりすることも少なくありません。
交差点を進行中に、思いもよらないタイミングでクルマが飛び出してきた。
そんなシーンでアラート音とメーター表示でドライバーに危険を知らせてくれる機能が前方交差車両警報です。少し先の危険を回避することを促します。前方交差車両警報は上記にご紹介した3種を進化させた安全運転支援機能であり、Honda SENSING 360に搭載されています。
Hondaは「みんなのため」の安全を提供する
「センサー」に着目して安全運転支援についてご紹介してきました。一方、 これらの安全技術はクルマのドライバーを助けるため「だけ」のものではありません。
例えば、「Honda SENSING」にはハイビーム・ロービームライトを自動で切り替える「オートハイビーム」が搭載されています。これは、ドライバーの視界を照らすための機能でもありますが、夜間走行時の対向車や周辺歩行者がライトの光で視界が遮られないようにと考慮した機能でもあるのです。
Hondaが安全運転支援機能などによって目指すのは事故ゼロの社会。その背景には、歩行者を含む全ての交通参加者の安全を守りたいという思いがあります。
すべての人の安心・安全を守るために、今日もHondaのクルマは目を光らせて「人」の判断を支えているのです。
(参照)
「自動運転技術の取り組み」https://www.honda.co.jp/automateddrive/auto/
「安全運転支援システム Honda SENSING」https://www.honda.co.jp/hondasensing/
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