Honda SPORTS
1回戦
第84回都市対抗野球大会
7月13日(土) 14:00
試合会場:東京ドーム
チーム名 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
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Honda硬式野球部 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
JFE西日本 | 0 | 4 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | X | 7 |
バッテリー | Honda | JFE西日本(福山市、倉敷市) |
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投手:福田-大田-河原井-櫻田-鹿沼 |
二塁打 | |
三塁打 | |
本塁打 | 小甲 |
Honda先制するも序盤に投手陣崩壊、9回無死満塁も届かず
序盤の大量失点が大きかった。先発福田は初回こそ、いつも通りのピッチングであったが、2回に捕まる。3本のヒットと四球を出し、2点を奪われた場面で降板。球が全体に高く、いつもの制球力がよい福田のピッチングができなかった。今年は予選の大事な場面でも福田の活躍で勝ってきた。今日の試合の経験を次に生かして、日本選手権ではリベンジできるようなピッチングを期待したい。2番手は大田。大田は直前の試合で調子が上がり、今回の2番手での抜擢であったが、球が少し甘く入る場面があり、そこを痛打され、失点する。
3番手の河原井も悪い流れを止められず、相手9番バッターにホームランを打たれる。河原井は昨年も東芝戦でホームランを浴びたが、昨年と同じ反省が残った。細かいコントロールがない分、球威と変化球のキレで勝負するタイプであるが、甘く入ったスライダー、カットボール系を痛打される場面が多い。今後成長する為には、腕を振ったストレートへの磨きをさらにかけるか、コントロールを磨いていくか、河原井の一つの分岐点になる。4番手櫻田はナイスピッチング。手元で小さく変化する球を上手く投げ分けて、相手を手玉にとった。フィールディングミスがあったが、こういう細かいプレーも今後しっかりと練習をして、秋以降の日本選手権につなげていきたい。打撃陣は、11安打を放つも3点。あと1本出ればという場面はいくつもあった。今後は毎年の課題だが、得点圏にランナーがいった時の得点パターンをさらに増やして、いやらしい得点のとり方ができるような形作りも必要かもしれない。また、チームとして近年の都市対抗での負け方は、予選でのプレーが本選でできていないのだが、本選での気持ちの入り方が、予選の時に比べると、少しできていないのかもしれない。もちろん優勝目指して戦っているのだが、予選のような絶対に負けられないという強い意識が少し欠けていたのかもしれない。もともと能力が高い選手が集まっているチームだ。緊張感がある中でも積極的かつ、大胆にプレーする。
日本選手権では、大きく成長したHondaを見せたい。
本日は多くの方に応援をして頂き、本当にありがとうございました。次は日本選手権に向かって頑張って参りますので、今後とも応援の程、よろしくお願い致します。
試合前に10年連続都市対抗出場ということでHondaから佐伯亮(広陵→立正大)、吉岡聡(花咲徳栄→立正大)、大田悦生(広島工→流通経済大)、小板佑樹(浦和学院→東洋大)の4選手が表彰された。
その表彰を受けた直後の吉岡が初回に先頭打者で中前打。Hondaにとっては幸先のいいスタートに思えた。
すかさず二塁盗塁を試みたが、これはアウト。その後すぐに小甲和俊(日本通運=帯広北→北海道東海大)の左中間へのソロアーチが飛び込んだ。やや、ちぐはぐかなとも思われたが、それでも先制点に外野まで埋まった応援席は沸いた。
その裏、先発の福田勇人(東海大菅生→国際武道大)は、2番岡に安打を許したものの、まずまずの立ち上がりかに思えた。ところが2回、Hondaとしては思わぬ展開になっていってしまった。
この回、先頭の大崎に右前打を許すとバントで二塁。7番橋本には、カウント2-2から左中間に運ばれ同点三塁打となった。さらに、四球をはさんで9番友滝に中前打が出て逆転。ここで、長谷川寿監督は早々に福田をあきらめざるを得なくなった。
マウンドを託されたのは、先ほど表彰を受けた大田だ。しかし、右前へのポトリと落ちる安打で満塁。2死としたものの、3番河野上に2点中前打を許してこの回4点というビッグイニングを許してしまった。
3回も、1死後短長打を浴びて、さらに1点を献上したところで、早くも3番手の河原井章太(日大高→東洋大)を投入することになってしまった。その河原井も当たっている友滝に左翼へ2ランを浴びてこの回も3失点となってしまった。
3回を終わって、Hondaとしてはまさかの6点リードを許すという苦しい展開となった。こうなってくると、JFE西日本の岩澤投手の早くはない左腕独特のクロス気味に入ってくる角度のあるストレートと、時に97キロという大きなカーブに惑わされた。
それでも5回、新人ながら9番でスタメン起用されている井上彰吾(筑陽学園→日本大)が俊足を生かした内野安打で出ると、続く吉岡の右中間二塁打で一気に生還、さらに多幡雄一(星稜→立教大)が意地の中前打でこの回2点を返した。
6回も無死の走者を出したが、JFE西日本外野手の好捕にもはばまれた。
回が進んでいくにつれて、焦りも出てきていたのだろう。リリーフした、10年目のベテラン陶山投手に対しても、打たされた感じの飛球が相次いだ。
そして、あとがなくなった9回、失策と死四球で無死満塁という、願ってもない好機を貰い、打順はクリーンアップを迎えた。しかし、期待の多幡の打球は強烈だったが三塁正面で、5~2~3というダブルプレーになってしまった。西郷泰之は二塁ゴロに倒れてゲームセットとなってしまった。ベテラン西郷としては、初めて都市対抗での最後のバッターを経験することになってしまった。
「情けない気持ちです…。緩いカーブが多くて、それに対応しきれませんでした。個人的には、ホームランは意識していました。チャンスがあれば行きたいと思っていました。そこを見透かされたというところもあったのかもしれないですね」。さすがに、試合後は、肩を落としていた。
そして、来年以降に関しては、「チャンスがあれば自分としては続けたいと思っている」と、現役続行の意思を示していた。
思わぬ完敗に、長谷川監督も表情は暗かった。「相手がよく、こちらのことを研究していたと思います。投手起用に関しては、福田が安定感があるので、先発でいったのですが、思っていた以上にボールが多く、球数も多くなってしまいました。相手も同じなのでしょうが、初戦独特の入りの難しさもあったのかもしれません」反省しきりだった。
ベテランから若手への切り替え時期でもあるというチーム事情もあろう。そうした中でも、結果を出していかなくてはならないのが、企業チームとしての宿命でもある。秋の日本選手権、そして来年へ向けて仕切り直しの再スタートとなった。