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第84回 都市対抗野球大会 Honda 熊本硬式野球部

1回戦

第84回都市対抗野球大会

7月15日(月) 18:00
試合会場:東京ドーム

チーム名 1 2 3 4 5 6 7 8 9
ニチダイ 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1
Honda熊本硬式野球部 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
バッテリー Honda熊本 ニチダイ(京田辺市)
投手:江波戸-幸松-平田

二塁打
三塁打
本塁打

Honda熊本に重すぎた1点、ついぞ返し切れず初戦で敗退

 Honda熊本は初回1アウト満塁のチャンスを作るも、併殺打に打ち取られ先制できない。
 3回表、先発の江波戸は先頭打者に2塁打を打たれると、犠打で進められタイムリーヒットを打たれ1点を先制される。
 4回からは幸松が投げ、4回をヒット許さないピッチングで相手に流れを渡さない。8,9回は平田が投げ、無失点に抑え反撃を待つ。
 打撃陣は初回以降、ランナーを出すも、相手投手をなかなか打ち崩せず、1対0で完封負けを喫してしまう。

 Honda熊本にとっては、2回に失った1点が、試合が進むにつれて重くのしかかってきて、結局その1点を返すことが出来ずに涙を呑んだ。投手陣は、それぞれ持ち味を出していただけに、わずか1失点、悔やまれる結果となってしまった。

 九州地区第二次予選の1回戦、準決勝は、それぞれわずか4安打しか打てなかったHonda熊本。それでも、第1代表決定戦では強豪JR九州から6点を奪っての3年連続出場は自信を持ってのものだった。しかし、3試合を通じてチーム打率は2割5厘と低かった。それだけに、打てるチームではないということは十分に承知の上での出場となっていた。

 ところが、Honda熊本は初回、1死後に川嶋克弥(日南学園→明治大)、稲垣翔太(明豊)の連続安打と、暴投で1死二三塁という絶好の先制機に4番熊丸武志(筑陽学園→創価大)を迎えた。ところが、カウント2-1からの4球目が熊丸の背中に当たる死球で満塁。続く堀太樹(三菱重工長崎=佐賀商→中央大)に期待が集まったが、二塁ゴロ併殺となってしまい好機を潰した。
 あとで思えば、痛い逸機だったということになる。

 Honda熊本の先発江波戸秀悟(波崎柳川→中央大)は、1、2回といいペースで投げてきたが、3回先頭の8番松山に三塁線を破る二塁打を打たれる。バントで三塁へ進められ、四球後、2番川口に一二塁間を破られて先制点を許した。なおも、1死一二塁のピンチだったが、ここは、江波戸が踏ん張って二塁ゴロ、川嶋二塁手の好プレーもあって併殺で切り抜けた。

 何とか1点だけで逃れただけに、反撃が期待された。しかし、ニチダイの西原投手の緩急をつけた投球に徐々にハマっていった。3回、7回は1死から、4回は無死でいずれも安打の走者を出したものの、後続がなくなかなか走者を進められなかった。

 投手陣は、江波戸が3回を投げ、4回からは九州三菱自動車から補強の幸松司(敬徳→九州産大)が、8回からは、期待の若手平田真吾(豊北→北九州市立大)がリリーフして、それぞれ0に抑え、3人で打たれた安打は三本のみ。投手陣としては、きっちりと自分たちの投球ができたであろう。
 しかし、ついぞ味方の援護はなく、昨年のパナソニック戦に続いて、またも好投手の前に、1点に泣く試合となってしまった。

 渡辺正健監督は唇をかみしめながら、「力負けです。好投手を攻略できないと、全国で勝つことは難しいです。振り返ってみれば、初回のチャンスに取れなかったことが痛いですが…、決定打が出ませんでした。守りに関しては、一つエラーはありましたが、最少失点でしたから、投手を含めて、よく抑えたと思います」
 今後のテーマとしては、1にも2にも、打撃力の向上で、秋の選手権、来年の都市対抗を目指していくことになる。それでも、「若いチームですから、こういう悔しい思いを経験していくことが、それぞれの力になっていくと思います」と、最後は先を見据えていた。

 初回の好機に死球となって打たせてもらえになかった熊丸主将は、「やはり、相手投手のコントロールが良くて、打線は打たされたという感じになってしまいました。こういう舞台で勝てないということは、まだどこかに甘いということでしょう」と、主将としての反省を述べていた。

 ニチダイは7年ぶり2回目の出場だったが、前回は狭山市Hondaに大敗している。その時のメンバーの一人でもあったのが、楠本正美監督である。それだけに、「Honda」のユニフォームに対しては、並々ならぬ闘志が沸いてきたのだろう。それが、選手たちにも伝わって、今日の結果になったのかもしれない。

Honda熊本の三塁側応援スタンドには、地元の人気ゆるキャラのくまモンも登場したが、期待に応えきれなかった。