Honda SPORTS

第76回 都市対抗野球大会 Honda 硬式野球部

2回戦

第76回都市対抗野球大会

8月28日 15:20
試合会場:東京ドーム

チーム名 1 2 3 4 5 6 7 8 9
三菱自動車岡崎 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
Honda硬式野球部 0 0 0 4 0 0 2 0 X 6

Honda、集中打で堂々のベスト8進出
単身赴任・坂本投手がベテランの意地で好投

 今年もHondaの勢いは止まらない。
 1回戦でヤマハを大量点で粉砕したHondaは2回戦では、ベテランの坂本投手が7回で11奪三振の好投を見せて、恩田投手につなぎ、見事な完封リレーで、堂々のベスト8進出を果たした。しかも、内容的にもほぼ完璧といっていいくらいに投打が噛み合って、無駄のない試合だった。

 南関東予選は守護神として活躍し、1回戦でも見事な締めを果たした坂本投手が先発して、スライダーとシュートを駆使して、持ち味とも言える七色の変化球が冴えまくった。結局、7回を投げて毎回の11三振を奪ったが、本人も「どうして打たれないのでしょう」と、とぼけて見せるが、決してスピードがあるというのではないが、左腕独特のクセ球ともいえるクロスにスーッと入ってくるスライダーと、とくに左打者に対して相手の意表を突くかのように投げ込むシュートの切れ味がよかった。

 その坂本投手は、昨年のシーズン後に熊本からいわば転勤の形で狭山へ移籍してきたばかりである。宏美夫人と小学三年生を頭に三人の娘さんを熊本(阿蘇)に残して、単身赴任で野球に取り組んでいるのだ。

 「正直なところ、熊本にいたら去年でアガリ(現役を引退すること)だったんですよ。それを、宇田川監督が是非といって声をかけてくれて、悩んだんですけれども、野球はどこでやっても同じという気持ちで狭山に来る決意をして、今はよかったと思っています」日本代表に三度も選ばれたベテランだが、やはり移籍には悩んだという。それでも、自分を必要としている監督に応えようという気持ちが大きかった。狭山1年目で大舞台でも結果を出しているのはさすがである。「自分としては必ずしも出来はよくなかったんですけれども、佐伯(捕手)がいいリードをしてくれました。リズムにも乗れて、いい感じで投げさせてもらえましたね。打線もいいところで打ってくれました」熊本時代にはチームをベスト4へ導いた実績のある左腕は、狭山でさらにそれ以上を目指している。

 坂本の好投を支える打線は4回に2死走者なしから集中打を見せた。開田が中前打で出ると、ファウルで粘った岡野武がセンターバックスクリーンへ放り込む見事アーチを描いて先制。さらに、佐伯、岡野勝が続き、四球を挟んで和田も右前打して2点を追加したのが大きかった。

 Hondaは7回にも1死から3連打、開田の右線二塁打で2点を加えて、これが貴重なダメ押しとなった。

 8回からは、最初から予定していたという恩田を送り込んで2イニングを危なげなく抑えた。終わってみれば、粘り強いという定評の三菱岡崎打線を見事4安打に抑えていた。

 「相手の山之内投手(清教学園→関学大→トヨタから補強)に対して、序盤は変化球を狙わせていたのですが、4回あたりからストレート狙いにして、それが上手くはまりました。試合の流れとしても、本塁打のあとの2点が大きかったですよ。あれ(本塁打)で終わらないところがよかったですね。ただ、相手の足を警戒していながら三つも走られたのは反省材料です」快勝にも宇田川監督は気持ちを引き締めることを忘れていはいなかった。

 次の相手JR九州には、皮肉にもHonda熊本の選手が二人補強されている。「試合になれば、関係ないです」坂本投手にすれば、去年までのチームメイトだった選手でもあるのだが、そこは達観して割り切って挑むことになる。