Hondaの交通安全情報紙

2010年 SJ 2・3月号危険予測トレーニング(KYT) 第13回夜間の横断歩道で(四輪車編)

夜間、接近する対向車との間に横断歩道がある時のクルマ視点の【イラスト問題】イラスト

©本田技研工業(株)

対向車が接近しています。
あなたのクルマと対向車との間には
横断歩道があります。
どんなことに注意して運転しますか?

正解を1つ、または2つ選んでください

  • Q1 どのような危険がありますか?

    @ 歩行者は横断し終えているので、とくに危険はない

    A 対向車のヘッドライトのまぶしさに幻惑される

    B 蒸発現象のため横断歩道上の歩行者を見落とす

  • Q2 どのような運転をしますか?

    @ 対向車のヘッドライトのまぶしさをさけるため、ヘッドライトから目をそらす

    A 道路を横断中の歩行者がいる恐れがあるのですぐに減速する

    B できるだけ早く対向車とすれ違うよう加速する

答えを見る

解答Q1 … A B Q2 … @ A

  • このような状況ではこんな危険があります

    道路を横断中の歩行者は、いったい何人いるでしょうか。あなたから見て道路左側に横断を終えかけている歩行者が一人、そしてさらに道路中央付近にも横断中の歩行者が一人います。横断中の歩行者に気づかず走れば、重大事故につながります。

    • 事例図

      夜間、接近する対向車との間に横断歩道がある時の危険予測の【イラスト問題】説明イラスト
    • 事例図

      事故当時、(a)は対向車(c)の接近には気づいていたが、横断歩道上の(b)にはまったく気づかなかったという。※これは問題に類似する事例です

    ここに気をつけて運転してください

    「蒸発現象」やヘッドライトのまぶしさ、暗いがゆえの情報不足など、夜間は危険源を発見しにくくする条件がたくさんあります。横断歩道の手前では歩行者の存在を念頭に置き、まずは減速してください。夜間に特有の危険性を知り、慎重な運転を心がけましょう。

  • 歩行者を見失う
    「蒸発現象」に注意

    • ●夜間、クルマどうしがすれ違う際に、2台のクルマの間に位置する歩行者が見えなくなる「蒸発現象」は、事故原因としてしばしば指摘されています。歩行者は両方から照らされているので、「運転者は自分の存在を十分確認している」と思い込んで行動するため、なおさら危険性は高まります。

    • ●対向車のヘッドライトの明かりにのみこまれた歩行者を懸命に発見しようとして、対向車のヘッドライトを見つめても、むしろ逆効果です。まぶしさにまどわされてさらに前方が見えなくなってしまいます。

    • ●昼間に比べ危険源を発見しにくいことを考えれば、夜間には慎重な運転が求められます。「見えていないから大丈夫・・・」ではなく、見えにくいこと、見えていないこと自体が危険なのです。

    • ●夜間は、クルマの運転に最も必要とされる視覚情報が極端に取り入れにくくなり、さらにそれを補うための照明がまた別の危険を作りだしていることを知ってください。

    • ●また、対向車とすれ違った直後も、目はまぶしさに慣れているため、暗闇にいる歩行者の発見を困難にします。対向車の後方にも注意を怠らないでください。

    ここがポイント