より安全で調和のとれた交通環境をめざして
Moto Honda da Amazonia(略称:HDA)交通教育センター
レオナルド・ドナート・デ・アルメイダ
ブラジルのモト・ホンダ・ダ・アマゾニア(HDA)は海外でいち早く交通安全活動を開始しました。今ではより幅広い方々に交通安全を届けるための新しい取り組みも行っています。今回は、ブラジルの活動内容をレオナルド・ドナート・デ・アルメイダより紹介します。
活動への想い
-
私たちは、警察や交通機関などを対象に運転技術向上のための講習を行った1970年代から安全教育活動を推進し、以来、ブラジル全土で交通事故の減少と安全な交通環境の実現をめざしています。2008年には交通行動の安全に関するすべての取り組みをまとめたプログラム「Harmonia no Trânsito」(調和のとれた交通) を立ち上げ、活動を展開しています。これは、より安全で調和のとれた交通環境をめざし、すべての交通参加者(歩行者、自転車、オートバイ、ドライバー) の安全意識や安全運転の向上を促進することを目的としています。安全教育を通じて交通参加者の行動変容を促すことが事故や死者数の減少において重要であると考え活動しています。
-
交通教育センターでの活動
ブラジルには、3つの交通教育センター(CETH)があり、国内すべての地域から参加できるよう、南東部、北東部、北部に設置しています。実技講習は、お客さまや企業、販売店をはじめ、憲兵、消防署、国軍などの専門家を対象に安全運転のための実践的なライディング方法を教えています。座学では、非運転者を含むすべての交通参加者に対し、起こりうる交通リスクとその回避方法を具体的な実践例を交えて提示しています。1998年に最初のCETHが開設して以来、52万人を超える人々に安全教育活動を実施しています。
また、より多くの人に安全意識を高めてもらうためのデジタルコンテンツも豊富に用意しています(Harmonia no Trânsito ウェブサイト)。2020年に開始したウェブ学習シリーズでは、KYTコンテンツなどの安全運転のヒントやテクニックを紹介する映像を毎月新しいテーマでお届けしています。さらに、2023年にはこども向けのアニメーションを用いた安全コンテンツを開始し、これまでに9千万人以上の方々にご利用いただいています。
こども向けの安全教育活動について
1992年に始まった「Clubinho Honda」は、4歳から10歳までのこどもたちが交通安全について楽しく学ぶためのプログラムです。市街地の交通を再現した環境でミニ電動バイクを使って交通ルールを実践的に学べる内容となっています。今ではCETHだけでなく、複数の都市の教育局と連携し、学校や地域のイベントなど活動の場を広げるとともに、アニメーション動画やコミックを活用しながら双方向で楽しく学べる体験学習へと進化しています。この活動を通じて、未来を担うこどもたちが幼い頃から交通安全の知識を身につけ、将来の安全で調和のとれた交通社会を築く一員として成長することをめざしています。2013年にCETHで開始して以来、13万8千人以上のこどもたちが参加しています。
また、新たな取り組みとして、10代の若者向けの安全活動も複数の学校で試験的に始めています。まもなく運転者として新たな交通参加者となる10代の若者に体験型の安全教育を提供し、より安全で調和のとれた交通環境の実現をめざします。
Moto Honda da Amazonia(略称:HDA)交通教育センターレオナルド・ドナート・デ・アルメイダLeonardo Donato de Almeida
2004年入社。セールストレーニングインストラクターとして新製品の販売店向けトレーニングを担当。2010年オペレーションスーパーバイザーとして安全教育に関する新しい教材やトレーニングの開発管理に従事。2014年安全運転マネージャー、2016年からセールストレーニング部門も兼務し、安全運転とセールストレーニングの管理を推進。