学生フォーミュラ日本大会2026 レポート限られた時間のなかで
限界まで挑戦を続けた2026年大会
ものづくりを通じて成長してきた
学生たちの6日間

photo:公益社団法人 自動車技術会

フォーミュラスタイルの小型レーシングカーを、学生自ら企画・設計・製作し、
ものづくりの総合力を競う「学生フォーミュラ日本大会2026」が、2026年8月2日(日)から7日(金)の計6日間、
愛知県常滑市のAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)で開催されました。
全国の大学・高等専門学校・専門学校からから計77チームが参加し、
静的審査325点、動的審査675点、合計1,000点満点の評価のもと、熱戦を繰り広げました。

Hondaは、次世代エンジニアの育成を目的に、学生フォーミュラ活動を継続的にサポートしています。

  • ・ 支援要望をいただいた国内チームにパワーユニットを提供(2026年度は全24チームに提供)

  • ・ Honda OBによる技術者集団「マイスタークラブ」が、座学と実技を交えて、ものづくりに必要な基礎技術を伝承

  • ・ 日本大会に協賛し、車検・審査を含む運営に協力

例年より1か月早い大会日程での準備、
予期せぬ状況への対応力も求められた

1年をかけたマシンづくりの成果を競う日本大会に、国内外からICVクラス54チーム、EVクラス23チームの合計77チームが参加しました。
日本大会は例年9月開催ですが、今年は会場の都合により8月に開催。1カ月短い準備期間となったことで、昨年度のマシンフレームの継続使用が許可されるなどの特例ルールが適用されるなか、各チームとも例年とは異なるスケジュールに対応して大会当日を迎えました。

また、大会期間中に複数の競技車両で火災が発生したことを受け、安全確保の観点から一部審査の変更や実施見送りが行われるなど、学生たちは予期せぬ状況への対応も迫られました。
そのような波乱のなか、ICVクラスでは、昨年優勝の京都工芸繊維大学の5連覇を阻み、昨年2位の同志社大学が、「デザイン」「プレゼンテーション」「スキッドパッド」「オートクロス」「エンデュランス」で1位を獲得するなど、静的審査・動的審査ともに高い完成度を示し、総合優勝に輝きました。EVクラスでは、名古屋大学が他チームを大きく引き離して総合優勝。2023年からの4連覇を成し遂げました。

photo:公益社団法人 自動車技術会

総合順位(TOP 10)

    • ICVクラス

    • 順位

    • チーム/学校名

    • Total Score

    • 1

    • 同志社大学

    • 895.80

    • 2

    • 京都工芸繊維大学

    • 805.52

    • 3

    • 九州工業大学

    • 768.32

    • 4

    • 大阪大学

    • 766.56

    • 5

    • 日本自動車大学校

    • 736.29

    • 6

    • 岐阜大学

    • 691.60

    • 7

    • 北海道大学

    • 689.27

    • 8

    • 千葉大学

    • 665.98

    • 9

    • 日本工業大学

    • 649.98

    • 10

    • ホンダテクニカルカレッジ関東

    • 602.22

    • EVクラス

    • 順位

    • チーム/学校名

    • Total Score

    • 1

    • 名古屋大学EV

    • 586.98

    • 2

    • 名古屋工業大学EV

    • 463.67

    • 3

    • 東京大学EV

    • 384.89

    • 4

    • 京都工芸繊維大学EV

    • 384.81

    • 5

    • 富山大学EV

    • 353.61

    • 6

    • 山梨大学EV

    • 347.69

    • 7

    • National Taiwan University EV

    • 325.83

    • 8

    • 東北大学EV

    • 322.63

    • 9

    • 静岡大学EV

    • 279.33

    • 10

    • Universitas Gadjah Mada EV

    • 230.86

〈クラスについて〉ガソリン(ICV):710cc以下の4サイクルエンジン
電気(EV):バッテリーからの電力が連続的に80kWを超えないこと

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photo:公益社団法人 自動車技術会

学生たちの想い

工学院大学ICVクラスに参加

  • 工学院大学 チームリーダー 石井 伶奈さん

    工学院大学
    チームリーダー 石井 伶奈さん

  • 今大会の振り返り

    チーム史上最速の3月シェイクダウン、動的・静的審査ともに手応えを限られた期間の中で、「実測・分析・改善・再検証」のサイクルに力を入れて開発を進めました。信頼できるデータを車両に反映することに苦労しましたが、チーム史上最も早い3月にシェイクダウンを実現。試走会では常にトップタイムを記録するマシンに仕上げることができました。
    大会では、チームが得意とする動的種目「エンデュランス」の出走待機中にトラブルが発生し、全種目完走を果たすことができませんでしたが、「オートクロス」ではICVクラス4位に入ることができました。また、これまで苦手としてきた静的審査でも、準備してきた成果を発揮し、確かな手応えを感じました。悔しさと達成感の両方を味わった大会となりました。

    来年に向けての想い

    先輩方から、どんな状況でもチームを前へ進める姿勢を間近で学べたことは、私たち後輩にとって大きな財産です。来年は、車両開発とチーム運営をさらに磨き、ICVクラス優勝を目指して挑戦したいです。
    そのために、実測データに基づく定量的な開発をさらに進めます。また、設計意図や判断の根拠、成功・失敗の経験を記録・共有する仕組みを整えることで、知識が特定の個人や学年に偏ることを防ぎ、誰が担当しても根拠を持って開発を前へ進められるチームにしたいと考えています。チームの強みである元気の良さを大切にしながら、これからも優勝を争えるチームへ成長していきたいです。

  • チーム紹介

    「パワフル・キビキビ・誰が乗っても速い・いつでも速い」をコンセプトに、マシン「KRT27proto」を開発してきました。設計・製作から運営まで、約60名のメンバー全員が力を合わせ、走りはもちろん、挨拶や元気の良さでも大会一を目指しています。

  • 工学院大学 マシンの写真
  • 工学院大学 集合写真

日本工業大学ICVクラスに参加

  • 日本工業大学 チームリーダー 原 由晏さん

    日本工業大学
    チームリーダー 原 由晏さん

  • 今大会の振り返り

    11大会連続全種目完遂・完走、「スキッドパッド」で目標を上まわるタイムを記録例年より短い準備期間のなか、車両の早期完成と十分な走行時間の確保を目標に活動してきました。他大学がタイムを伸ばす一方、経験豊富な先輩方の卒業で焦りや不安もありましたが、実際に走行を重ねるなかでマシンの着実な仕上がりを確認できました。
    大会ではICVクラス9位、11大会連続となる全種目完遂・完走を達成できたことに加え、「スキッドパッド」では目標を上まわるタイムを記録でき、本当に興奮しました。
    静的審査では思うような結果を残せず、目標としていた総合3位を達成できなかったことは悔しいですが、車検を一度で通過し、全種目完遂・完走できたことから、チームとして確かな手応えを得られた大会となりました。

    来年に向けての想い

    設計・製作・評価までの一連の工程を自分たちで経験し、設計と製作のつながりを実感しながら、ものづくりに必要な知識や考え方を身につけることができました。将来、製造業や自動車業界に携わる上で貴重な経験となったと感じています。
    技術面に加え、チーム内で良い情報だけでなく悪い情報も共有することの大切さを学びました。全員が同じ情報を持つことで、自分の担当だけでなく、チーム全体を考えて行動する意識も身につきました。
    私は今年で引退しますが、「全種目完遂・完走」の伝統やチーム内でのコミュニケーションを大切にしながら、次の世代には動的種目でさらに高い目標に挑戦してほしいです。

  • チーム紹介

    私たちFFNITは、「将来のエンジニア育成」という学生フォーミュラの趣旨と本学の教育理念「実工学」を融合し、「高内製率車・全員製作者」「全種目完遂・完走」「車両性能の更なる改善」の3つの活動方針を掲げています。ものづくりを通じた技術の学びを重視して活動しています。

  • 日本工業大学 チームの写真
  • 日本工業大学 集合写真

横浜国立大学EVクラスに参加

  • 横浜国立大学 チームリーダー 阿部 結衣さん

    横浜国立大学
    チームリーダー 阿部 結衣さん

  • 今大会の振り返り

    速さだけでなく「なぜ」を追求した1年。「諦めの悪さ」は次につながる一歩になった「昨年よりもっと良い景色を見たい、後輩にも見せたい」という思いから、「強い横国を創る」を掲げて始まった1年間。結果だけでなく、「なぜ走れたか、速かったのか、壊れたか」を理解し、再現性のある強いチームづくりを目指しました。しかし、技術的なトラブルや、メンバーの急増による組織運営の難しさなど、思うようにいかないことの連続でした。
    大会約1週間前には車両の大部分をつくり直す事態に直面しましたが、この危機をきっかけに本音で話し合い、全員で修復に取り組んだ結果、大会ではなんとか完走までたどり着くことができました。これは、今年のチームらしい「諦めの悪さ」の成果だと思います。一方で、試走会で手応えを感じていただけに、本番で実力を出し切れなかった悔しさは今も強く残っています。
    多くの方々に支えられ、生活の中心が学生フォーミュラだったと言えるほど活動に打ち込み、大きなやりがいと責任を感じた1年間でした。

    来年に向けての想い

    学生フォーミュラでは、設計・製作・走行だけでなく、チーム運営や渉外、コスト、プレゼンなど幅広い経験ができます。異なる専門性や考え方を持つメンバーと活動する中で、ものづくりには技術だけでなく、議論や役割分担、情報共有など、人との関わりが重要だと学びました。次の世代には、今年の成功と失敗を糧に、技術面と組織面の両方で長期的な計画を立てて、私たちが見ることのできなかった景色を見てほしいと思っています。「あの経験があったから今のチームがある」と言える積み重ねこそが、目指してきた「強い横国」につながると信じています。

  • チーム紹介

    2021年にEVクラスへ転向して以降、一時は部員が3人まで減少し、2024年には総合最下位に。そこから2025年、「誇れるマシンをつくる」を掲げて結束し、6年ぶりの出走で総合7位を獲得。現在は部員も増え、ワンキャンパスの強みを活かして文系や女性メンバーも多く参加する、多様性のあるチームです。

  • 横浜国立大学 チームの写真
  • 横浜国立大学 集合写真

Hondaはこれからも、パワーユニットなどのハード面と、技術指導などのソフト面の両面から
学生フォーミュラに挑戦するみなさんの情熱を応援していきます!

photo:公益社団法人 自動車技術会