インドで無停電電源装置のリース事業を展開するOMCパワーに出資

~バッテリーを活用した電力の安定供給に向け、2026年1月に事業開始~

 Hondaは、電動モビリティの普及が進むインド市場において、バッテリーを活用した電力の安定供給を目指し、同国で分散型電源・グリッド事業を展開するOMC Power Private Limited(以下、OMCパワー)に出資を決定しました。OMCパワーは2026年1月に、Hondaの交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー)」を用いた無停電電源装置のリース事業を開始します。

 世界最大の人口を有するインドでは、急速な経済成長に伴い、電力の安定供給が求められています。安定した電力を必要としている地域では、非常用電源の一つとしてディーゼル発電機が広く活用されており、排ガスによる健康リスクの懸念も高まっています。こうした社会課題の解決に向けて、HondaはOMCパワーと連携し、2023年からウッタル・プラデーシュ州で、Honda Mobile Power Pack e:を用いた無停電電源装置の実証実験を実施。この取り組みにより、電動二輪車用バッテリーの二次利用(リパーパス)を通じて、安定した電力供給と環境負荷の低減を両立できることが確認されました。この実証実験を踏まえて、バッテリーのリパーパスを促進するため、OMCパワーへの出資を決定しました。

 本事業では、Hondaの現地法人Honda Power Pack Energy India Pvt. Ltd.(HEID)がOMCパワーにバッテリーを提供。OMCパワーは無停電電源装置とバッテリーをパッケージ化し、一般家庭や個人商店、学校などに販売します。系統電源から充電したバッテリーを、電力が不安定な時や停電時に電力供給源として活用することで、安定した電力利用が可能になります。

「Honda Mobile Power Pack e:」を使った無停電電源装置
「Honda Mobile Power Pack e:」を使った無停電電源装置

本田技研工業株式会社 執行役 二輪・パワープロダクツ事業本部長 兼 二輪事業統括部長
加藤 稔(かとう みのる)のコメント

「Hondaは、モビリティの電動化を単なる移動のための手段としてだけではなく、お客様や地域社会全体のエネルギーシステムの進化につなげられると考えています。インドの二輪車市場は電動車へのシフトが進んでおり、バッテリーのリパーパスに取り組むことで循環型バリューチェーンの構築を目指します。この取り組みを通じ、製品と事業活動の両面から包括的なアプローチを取ることで社会課題の解決とお客様の豊かな生活に貢献していきます」

OMC Power Private Limited CEO ロヒート・チャンドラのコメント

「このたびのHondaとのパートナーシップは、弊社の歩みにおける重要な転換点となります。パートナーシップでは、Hondaの革新的なエネルギー貯蔵ソリューションを弊社の分散型エネルギーシステムに統合することで、持続可能なイノベーションへと切り開けると考えています。この新たな取り組みを通じて、“Make in India”、そして、“Aatma Nirbhar Bharat(自立したインド)”の理念を体現し、インドにおけるエネルギー安全保障の強化と包括的な経済成長につなげます」