- *Hondaの航空エンジン事業統括会社であるホンダ エアロ インクは、米国東部時間2007年7月17日(火)午前11時30分(日本時間18日午前0時30分)に、以下の件を発表致しましたので、その内容をご案内致します。
Hondaの航空エンジン事業統括会社であるホンダ エアロ インク(Honda Aero, Inc. 社長:長谷川 文隆)は、新社屋と小型ターボファンエンジンの生産工場を米国ノースカロライナ州バーリントン(Burlington)市の空港隣接地に建設することを発表した。建設開始は2007年10月、生産開始は2010年後半の予定。騒音やエミッション面で環境に配慮した工場の建屋面積は58,400ft2(約5,400m2)で、テスト区画とオフィススペースを合わせた総建屋面積は102,400ft2(約9,500m2)。総投資金額は2,700万ドル。当初の生産規模は年産200基の見込み。同社製エンジンのオーバーホール事業も展開する予定。
世界のビジネスジェット機市場は年間約700機から800機と言われ、大多数を米国が占める。また、米国でのチャーターやエアタクシービジネスの拡大により、ベリーライトジェットと呼ばれる従来よりも小型のビジネス機が、総市場を年1,000機以上に押し上げると見込まれている。Hondaは“需要のあるところで生産する”というポリシーのもと、米国に航空エンジン事業の拠点を築く。
Hondaは1986年より航空エンジンの研究を始め、1995年に同社初のターボファンエンジンHFX-01の高空テストに成功、2003年にはHF118エンジンをHondaJetに搭載し飛行に成功している。2004年に世界最大のジェットエンジンメーカーであるゼネラル・エレクトリック社(GE)と小型ジェットエンジン分野で業務提携し、ホンダ エアロ インクとGEの折半出資でGE Honda エアロ エンジンズ(GE Honda Aero Engines, LLC 社長:ウィリアム・ドワイヤー)を設立。このGE Hondaが型式認定取得や販売を担当し、同社からの委託によりホンダ エアロ インクが生産を担当する。20年にわたるHondaのジェットエンジンの研究開発実績と自動車メーカーとして培った生産管理技術に、パートナーであるGEの60年に及ぶ経験とノウハウを合わせることで、最高品質のジェットエンジンの生産を目指す。
最初の量産エンジンは、Honda独自開発のHF118をベースに、GEとHondaが共同で改良を加えたHF120を計画。軽量かつ高出力で、規制を先取りした低エミッションを持ちつつ、クラス一の低騒音性と低燃費を実現し、5,000時間というクラス最長のオーバーホール間隔とともに高い信頼性と経済性を誇り、このクラスのユーザーのニーズに応える新世代エンジン。すでにホンダ エアクラフト カンパニー(Honda Aircraft Company, Inc.)のHondaJet量産型とスペクトラム エアロノーティカル社(Spectrum Aeronautical)のビジネス機“Freedom”への搭載が決まっており、いずれの機体も2010年の引渡し開始が予定されている。今後も世界の機体メーカーへの営業活動を続けていく。
小型ターボファンエンジン HF120
最大推力
2,050ポンド
直径
53.8cm
重量
182kg以下
オーバーホール間隔
5,000時間
参考
会社 概要
社名
ホンダ エアロ インク/Honda Aero, Inc.
社長
長谷川 文隆(はせがわ ふみたか)
所在地
米国ヴァージニア州レストン(ワシントンD.C.郊外)/08年に移転予定
資本
2,950万ドル 本田技研工業株式会社 100%
従業員数
約15名(現地従業員含む)工場稼動後 70名前後(予定)
業容
Hondaの航空エンジン事業に関わる開発以外の全ての統括。具体的には部品調達やエンジン生産など
会社 概要
社名
GE Honda エアロ エンジンズ/GE Honda Aero Engines, LLC
社長
ウィリアム・ドワイヤー(William J. Dwyer)/GE Aviation ジェネラルマネージャー
副社長
藁谷 篤邦(わらがい あつくに)/ホンダ エアロ インク副社長
所在地
米国オハイオ州シンシナティ
資本
GEとホンダ エアロ インクとの折半出資 資本金40万ドル
従業員数
常勤10名前後
業容
推力1,000から3,500ポンドまでの民生用小型ターボファン領域でのエンジンの認定作業、機体メーカーへの営業活動、カスタマーサポートなど