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2004年08月24日 ニュースリリース

衝突時の歩行者の衝撃を低減する「持ち上がりフード」を新開発

 Hondaは、歩行者との衝突時にボンネットフードを持ち上げてエンジンルーム内の空間を確保し、歩行者の頭部衝撃を低減する「持ち上がりフード」を新開発した。

POLAR II による持ち上がりフードの衝突実験

POLAR II による持ち上がりフードの衝突実験

 「持ち上がりフード」は、バンパー内3ヵ所に設置されたセンサーと車速センサーの情報から、歩行者との衝突を判断すると、アクチュエーターを作動させボンネットフードの後部を約10cm持ち上げる。これにより、エンジンなどの堅い部品とフードの間に空間を確保し、歩行者の頭部傷害を軽減する。

 「持ち上がりフード」の採用により、頭部傷害HIC(Head Injury Criteria)は約40%低減(頭部インパクターによる評価)、ボンネットフードとエンジンルーム内の堅い部品との空間がとりにくいデザインの車種でも、高い歩行者保護性能の確保を可能とした。

※Honda測定値

 Hondaは、すでに1998年発売の「HR-V」より歩行者傷害軽減ボディを採用している。このボディ構造では、生命にかかわる衝撃を受けやすい頭部への対応を、更に2000年発売の「シビック」には傷害の多い脚部への対応も加え、ボンネットフード、ボンネットヒンジ、ワイパー取り付け部、フロントフェンダー、バンパー等に衝撃吸収構造を採用している。現在ではほとんどの車種に歩行者傷害軽減ボディを採用しており、累計販売台数は300万台を超えている。

 Hondaは、かねてより実際の事故実態に基づいた安全技術の研究を進めている。特に、歩行者事故に関しては、他社に先駆けた取り組みを進め、対歩行者の事故メカニズムの解明と歩行者保護技術開発のため、1998年に世界初の歩行者ダミー「POLAR I」を、2000年にはより人体に近い構造をもち計測部位を増やした「POLAR II」を発表し、独自の歩行者保護技術の開発を積極的に進めている。

POLAR II による持ち上がりフードの衝突実験
POLAR II による持ち上がりフードの衝突実験
POLAR II による持ち上がりフードの衝突実験

POLAR II による持ち上がりフードの衝突実験