Hondaは、600cc並みのコンパクトで軽量な車体に1000ccクラスのエンジンを搭載し、Hondaの先進技術を結集した、操る楽しさを最大限に満喫できる、大排気量のスーパースポーツバイク「CBR954RR」を3月1日(金)より発売する。
このCBR954RRは、1992年欧州にて「FireBlade」、北米にて「CBR900RR」として発売以来、大排気量クラスのスーパースポーツカテゴリーを一新し、高い評価を受けてきたモデルである。今回6代目のモデルチェンジを機に、初めて国内での販売を開始する。
エンジンは、排気量をアップした954cm3・水冷DOHC直列4気筒を搭載。高精度なPGM-FI(電子制御燃料噴射システム)や、吸・排気の流量を電子制御で最適にコントロールするH-VIX※1制御システムなどを採用。エキゾーストシステムには超軽量かつ高強度なチタン合金を採用している。
フレームには、ワークスレーサーNSR500のレーシングテクノロジーを採用するなど、スポーツバイクの走りの楽しさを高次元で実現している。
今回国内専用仕様として、走行騒音を低減させるサイレントクロスチェーンを採用。
盗難抑止システムは、Honda独自のH・I・S・S※2を採用(欧州仕様にも採用)するなど装備を充実させている。
カラーデザインには、車体全体に大胆なタッチのウイングマークとRRのマークを施し、スピード感のあるスタイリングとしている。尚、北米仕様と欧州仕様も同様のデザインとし、世界共通のイメージとしている。
車体色は、ウイニングレッドとアキュレートシルバーメタリックの2色を設定している。
- ※1H-VIX=Honda Variable Intake and Exhaust
- ※2H・I・S・S=Honda Ignition Security System
販売計画台数(国内・年間)
1,500台
メーカー希望小売価格
1,050,000円
(地域希望小売価格の一例:沖縄は10,000円高、その他一部地域を除く。)(参考価格。消費税を含まず。)
CBR954RRの主な特徴
排気量をアップした軽量・コンパクトで力強いエンジンを搭載
エンジンは、水冷DOHC直列4気筒954cm3を搭載。コンパクトな設計に加え、軽量な鍛造アルミピストンや中空カムシャフト、フリクションロスを抑えたクランクシャフトやクランクケースなど、高効率テクノロジーの数々を結集させ、低回転域から高回転域における力強いパワーフィールと鋭敏なレスポンスを実現している。
また、軽量で冷却効果も高い水冷式オイルクーラーをはじめ、高効率マグネット採用のスターターモーター、コンパクトサイズのACGなど、細部にわたる小型・軽量設計のエンジンとしている。
PGM-FI(電子制御燃料噴射システム)の採用で俊敏なレスポンスを実現
燃料噴射装置は、ECU(電子制御ユニット)とデジタル電子点火機構をコンパクトに一体化したPGM-FIを採用。精密な燃料噴射量の制御によって、俊敏なレスポンスとスムーズな出力特性を実現している。また、理想的な空燃比の制御に優れるPGM-FIと、二次空気導入装置(エアインジェクションシステム)によって排出ガスの優れたクリーン化を実現している。
レーシングテクノロジーが息づくフレーム
フレームは、軽量かつ高剛性のアルミツインチューブフレームを採用。高速安定性と低・中速域で軽快でキレのよいハンドリングを導き出す独創的なフレーム構成の特長を最大限に活用し、街乗りや長距離走行はもちろん、サーキット走行をも可能とするライディングパフォーマンスと、軽快かつ高品位なハンドリングを両立させている。
ワークスレーサーNSR500のレーシングテクノロジーを継承した、軽量・高剛性アルミスイングアームは、プロリンクサスペンションの特性を最大限に引き出し、すぐれた路面追従性をもたらすなど、ハイレベルな運動性能を実現している。
サスペンションは、フロントにφ43mmカートリッジタイプの倒立フォーク、リアにはプロリンクを採用。
いずれもH.M.A.S(Honda Multi-Action System)を採用し、しなやかな作動性と路面追従性を高次元で実現。前後ともプリロード並びに伸び側/圧縮側の減衰力を、無段階調整できるフルアジャスタブル機構も備えている。また、軽量ホイールの採用に合わせてスプリングも軽量タイプとするなど、バネ下重量の軽減を徹底することで、クイックかつ安定感にあふれるハンドリングと高いコントロール性を実現している。
ブレーキは、焼結メタルパッドによって制動に優れた4ピストンキャリパー採用のフロントディスクブレーキと、シングルピストンキャリパー採用のリアディスクブレーキを装着している。
乾燥重量は、クラストップ水準の170kgとしている。
より軽快感とスピード感のあるスタイリング
トータルコントロール性を追及したボディーデザインは、フロントカウルをよりスラントさせることで精悍な形状とし、引き締まったサイドカウルは左右とも軽量なワンピース構造としている。スリムで軽量なリアカウルはシートレールの下側まで覆うフルカバードタイプとしている。
また、最適なライディングポジションを導くフューエルタンクは、小型化と低重心化を図り、容量は18Lを確保。
盗難抑止に効果的な装備
盗難抑止システムとして、H・I・S・S(Honda Ignition Security System)を採用。純正キー以外でのエンジン始動を不可能にするとともに、ボタン操作により24時間インジケーターランプを点滅させることで、盗難抑止効果を向上している。
また、セコム(株)と連携し展開する、車両の位置検索サービスシステム「ココセコム」に対応し、ユニットや車載型充電器を取り付けるスペースを確保し、「ココセコムHonda推奨車種」としている。
その他の充実した装備
- ・優れた配光性能を発揮する、3灯式マルチリフレクターヘッドライトの採用。フロントカウルを引き締めるデザインとしている。
- ・被視認性に優れた、スピード感あふれる上下2分割にデザインされたLEDタイプのテールランプを採用。
- ・軽量・コンパクトなインストルメントパネルは、右にアナログ大径タコメーター、左に速度計、オドメーター、水温計、時計、そして新たに燃料消費率表示を備える、多機能デジタルパネルを採用。
- ・跳ね上げ機構付きピリオンシート。ピリオンシート下の収納スペースにはUロックなどが収納可能。
主要諸元
通称名 | CBR954RR | |
車名・型式 | ホンダ・BC-SC50 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.025×0.680×1.135 | |
軸距(m) | 1.405 | |
最低地上高(m) | 0.130 | |
シート高(m) | 0.820 | |
車両重量(kg) | 195 | |
乾燥重量(kg) | 170 | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃料消費率(km/L) | 23.0(60km/h定地走行テスト値) | |
最小回転半径(m) | 3.3 | |
エンジン型式・種類 | SC50E・水冷4ストロークDOHC4気筒 | |
総排気量(cm3) | 954 | |
内径×行程(mm) | 75.0×54.0 | |
圧縮比 | 11.5 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 67[91]/10,500 | |
最大トルク(N・m[kg・m]/rpm) | 87[8.9]/5,500 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射式(PGM-FI) | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火装置形式 | フルトランジスタ式 バッテリー点火 | |
潤滑方式 | 圧送飛沫併用式 | |
燃料タンク容量(L) | 18 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.692 |
2速 | 1.933 | |
3速 | 1.600 | |
4速 | 1.400 | |
5速 | 1.285 | |
6速 | 1.190 | |
減速比(1次/2次) | 1.520/2.562 | |
キャスター(度)/トレール(mm) | 23°45´/97 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17 M/C(58W) |
後 | 190/50ZR17 M/C(73W) | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク |
後 | 油圧式ディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |