本田技研工業(株)は、クリーンな排出ガスでEPA2006年規制値を大幅に下回るレベルを達成しながらも、抜群の経済性と信頼性を誇る4ストロークエンジンを搭載する、世界初の大型4ストローク船外機「BF115(115馬力)/130(130馬力)」を、1998年4月20日(月)より日本国内向けから発売する。
この「BF115/130」は、「人と環境に優しい経済的で高品質な4ストロークエンジン」を基本コンセプトに開発され、これまで90馬力が上限だった4ストロークエンジン船外機の出力上限を一気に130馬力にまで引き上げるとともに、EPA(米国環境保護庁)のマリーンエンジンに対する排出ガス規制の最終年度である2006年規制値を、大幅に下回るレベルを達成している。
これは、ホンダが1964年に最初の船外機を発売して以来、長年培ってきた4ストローク船外機エンジン技術に加え、大型4ストローク船外機初の電子制御燃料噴射方式「Programmed Fuel Injection」や、船外機初の2軸2次バランサーの採用などにより、高性能と環境対応の両立を実現させている。また、エンジン内部の四輪自動車用部品流用や、フレームのBF90の部品流用により、高い信頼性と製造コストの低減を達成している。
河川や湖沼での利用はもちろん、海上でのクルージングやスポーツフィッシング、さらに4ストロークエンジン特有の低速トルクやクリーンな排気を生かし、海苔や魚介類の養殖などの作業船のパワーユニットとしても最適なものとしている。
なお、この「BF115/130」の発売によりホンダの船外機シリーズは、2馬力から130馬力まで、13機種61タイプとなり、より幅広いニーズに応えられるものとなる。
なお、BF2~BF90はEPA1998年マリーンエンジン排出ガス規制の認可を取得し、昨年より全世界向きのタイプに量産適用し、「BF115/130」も、本年3月に1998年規制認可の取得を予定している。
販売計画台数(国内・年間)
BF115/130シリーズ合計
500台
4ストローク大型船外機「BF115/130」の主な特長
- ・EPAマリーンエンジン排出ガス規制の最終年度である2006年規制値を大幅に下廻るレベルを達成。
- ・2,254cc 4ストロークSOHC直列4気筒16バルブ縦置きエンジンと、センタープラグ配置やアルミ一体ロングポートインレットマニフォールドなどにより燃焼効率を向上。
- ・大型4ストローク船外機初の電子制御燃料噴射方式「Programmed Fuel Injection」採用により、抜群の始動性と低燃費の実現に加え、安定した低速トローリングを達成。
- ・船外機初の正逆転2軸2次バランサーを採用し、高い快適性を実現。
- ・ホンダ4輪乗用車アコードのエンジン部品とBF90のフレーム部品を流用し、高い信頼性と製造コストの低減を実現。
- ・クラス最大の充電性能(40A)やカウンターローテーション仕様の設定により、使いやすく高い汎用性を実現。
全国希望小売価格
(消費税含まず)
BF115LN
1,230,000円
BF115XN
1,260,000円
BF130LN
1,298,000円
BF130XN
1,328,000円
主要諸元
機種名 | BF115A | BF130A | |||
LN | XN | LN | XN | ||
全長(mm) | 825 | 825 | 825 | 825 | |
全幅(mm) | 550 | 550 | 550 | 550 | |
全高(mm) | 1,650 | 1,775 | 1,650 | 1,775 | |
乾燥重量(kg:プロペラ装着時) | 225 | 230 | 225 | 230 | |
トランサム高(mm) | 537 | 664 | 537 | 664 | |
エンジン |
|||||
型式 | BEBD | BEBE | |||
形式 | 4ストロークSOHC直列4気筒ガソリン | ||||
総排気量(cc) | 2,254 | ||||
最大出力[Kw(PS)/rpm] | 85.8(115)/5,500 | 97.0(130)/5,500 | |||
全開時回転数(rpm) | 5,000~6,000 | ||||
燃料供給方式 | 電子燃料噴射方式(Programmed Fuel Injection) | ||||
点火方式 | フルトランジスタバッテリー点火 | ||||
充電性能(V/A) | 12/40 | ||||
冷却方式 | 水冷(サーモスタット付) | ||||
排気方式 | 水中排気(プロペラボス排気) | ||||
駆動系ギアレシオ | 2.00:1(28/14) |
- ※EPA2006年マリーンエンジン排出ガス規制
米国環境保護庁(EPA)が設定したマリーン エンジンの排出ガス規制で、1998年から最 終年度である2006年まで段階的に排出ガス を削減するプログラムとなっており、2006年 には1997年の市場レベルから約95%の削減が求 められている。米国で船外機を販売するメーカ ーは各モデルイヤー毎に定められた規制値をク リアし、認可を取得しなければならない。
なお、ホンダはEPA規制対応の船外機を表 すものとして右記ラベルを設定した。