本田技研工業(株)は、軽量でスリムなトラス構造のダイヤモンド型フレームに、粘り強く扱いやすい水冷・4サイクル・V型2気筒250ccエンジンを搭載した新感覚のネイキッドロードスポーツモデル「ホンダ VTR」を'98年1月16日より発売する。
このVTRは、第32回東京モーターショーに参考出品し、ヤングからアダルトまで幅広い層に好評を得たモデルである。
車体は、1,000ccのスーパースポーツモデル“ファイアーストーム”の設計コンセプトを踏襲し、軽快な走りを実現するトラス構造のスイングアーム・ピボットレスフレームを採用。
エンジンは、市街地走行から郊外のツーリングまで、幅広い用途で扱いやすい特性の水冷・4サイクルDOHC・V型2気筒を搭載している。
デザインは、機能美を追求したシンプルなものとすることで、トラス構造のフレームを際立たせる斬新なスタイリングを実現している。
販売計画台数(国内・年間)
6,000台
メーカー希望小売価格
429,000円
地域希望小売価格の一例:北海道は15,000円高、沖縄は9,000円高、その他一部地域を除く。
参考価格。消費税を含まず。
VTRの主な特徴
低・中速域で粘り強く高速域で軽快な出力特性の水冷・4サイクル・V型2気筒エンジン
ゼルビスやVツインマグナに搭載され、高い信頼性と扱いやすさで定評の4サイクル・DOHC・V型2気筒エンジンは、低・中速域で力強い出力を発揮させるとともに、ワイドレシオの5速ミッションの採用とあいまって、市街地から高速道路を使用するツーリングまで幅広い用途で軽快な走りを実現している。
スリムで軽量なトラス構造のピボットレスフレーム
ファイアーストームの設計コンセプトを踏襲した新設計トラス構造のダイヤモンド型フレームは、スイングアームピボットがフレーム本体に無いピボットレス構造を採用することで、VTRに軽快でしなやかな操縦性を与えるとともに、機能美を前面に押し出したデザインの構成パーツとしてひと際目を引く形状となっている。
シンプルで個性的なフォルム
機能美の追求と徹底した軽量化によるシンプルなデザインは、VTRの個性的で斬新なスタイリングを生み出すとともに、乾燥重量139kgの軽量な車体を実現している。
その他の特徴
- ・足着き性に優れた780mmの低シート高
- ・フロント・サスペンションは大径φ41mmのフロントフォークを採用。
- ・ブレーキは、前・後ともに制動力とコントロール性に優れたディスクブレーキを採用。
- ・フロントは、フローティングタイプのディスクプレートに、デュアルピストンキャリパーを装備。リアは、ソリッドタイプのディスクプレートにシングルピストンキャリパーを装備。
- ・ホイールは、前後ともにVTR専用として新開発したZ字型断面のアルミキャストホイールを採用。
カラーリング
- ・イタリアンレッド
鮮烈で情熱的なイタリアンテイストあふれるカラー - ・フォースシルバーメタリック
フレームと一体感を図りシャープさを強調 - ・ブラック
力強さと精悍さをより強調
以上の3色を設定することで、幅広いユーザーの好みに応えられるものとしている。
主要諸元
通称名 | VTR | |
車名・型式 | ホンダ MC33 | |
全長×全幅×全高 | (m) | 2.040×0.720×1.050 |
軸距 | (m) | 1.410 |
最低地上高 | (m) | 0.170 |
シート高 | (m) | 0.780 |
車両重量/乾燥重量 | (kg) | 153/139 |
乗車定員 | (人) | 2 |
燃料消費率(Km/L) 60Km/h定地走行テスト値 | 40.0 | |
エンジン型式 | MC15E・水冷4サイクルDOHC4バルブV型2気筒 | |
総排気量 | (cm3) | 249 |
内径×行程 | (mm) | 60.0×44.1 |
圧縮比 | 11.0 | |
最高出力 | (PS/rpm) | 32/10,500 |
最大トルク | (kg-m/rpm) | 2.4/8,500 |
キャブレター型式 | VD10 | |
燃料タンク容量 | (L) | 13 |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング | |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.733 |
2速 | 1.800 | |
3速 | 1.375 | |
4速 | 1.111 | |
5速 | 0.965 | |
タイヤサイズ | 前 | 110/70-17 54H |
後 | 140/70-17 66H | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ディスク |
後 | 油圧式ディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |