本田技研工業(株)は、水冷・1300ccエンジンの持つ力強く余裕ある出力特性を活かし、市街地走行から郊外、高速道路まで幅広く多目的に楽しめ、しかもビッグなボディサイズと、精悍で迫力ある個性的なフォルムを融合させたカスタムスポーツバイク「ホンダ X4(エックスフォー)」を3月15日より発売する。
このX4は、’95年の第31回東京モーターショーに参考出品し、大変好評を得たモデルで、“新たなるカスタムスポーツバイクとはどうあるべきか”を徹底追求し、「パワードカスタム」をキーワードとして開発されたスポーツバイクである。
販売計画台数(国内・年間)
5,000台
メーカー希望小売価格
890,000円
地域希望小売価格の一例:北海道は30,000円高、沖縄は10,000円高、その他一部地域を除く。
参考価格。消費税を含まず。
エンジンは、新設計の水冷・4サイクル・DOHC・直列4気筒・1300ccを搭載し、キャブレターには新開発のVE型(メインボアφ36mm)を採用。吸入管長・管径の最適化や7.5l容量のエアクリーナーの採用など吸気系の充填効率を徹底追求するとともに、φ150mmの極太マフラー(左・右合計13l容量)の採用によって高い排気効率を図り、日常使用する機会の多い極低回転域から中回転域で力強い出力特性としながらも、高速道路などの走行に必要な高回転域でも伸びのある走り味を実現している。さらにエンジン全体を精悍な艶消しのブラック塗装とし、バフ仕上げのヘッドカバーやクラッチカバーを採用するなどエンジン全体をより高質感あるものとしている。
フレーム・足廻りは、丸型と角型断面鋼管とを組み合わせたシンプルなダブルクレードル形式を採用。足着き性の良い730mmの低シート高を実現すると同時に、鋼管の持つ靭性(しなやかさ)を活かしながらも剛性をバランスさせ、重厚な操縦フィーリングとしている。フロントサスペンションには、大径43mmのインナーチューブに、高剛性のボトムブリッジを組み合わせて採用。長めのホイールベース(1,650mm)や高剛性、極太のアルミリアフォークなどとあいまってビッグバイクにふさわしい乗り心地と、手応えのあるダイナミックな走行性能を両立させている。
ブレーキは、フロントに直径310mmのフローティングディスクに、対向4ポットキャリパーや焼結パッドを組み合わせたダブルディスクを採用。リアには直径276mm油圧式ディスクを装備し、対向2ポットキャリパーを下引きに配置することで温度変化に対して安定した制動力を確保している。タイヤは、前・後チューブレスタイヤ(前・120/70ZR18 59W、後 ・190/60ZR17 78W)を採用し、フロントホイールには18インチの軽量3本スポークアルミホイールを、リアには5.5インチ幅で17インチの中空フルディッシュを組み合わせて装備するなど手応えのあるハンドリングとしながら力強い走りをイメージさせている。
スタイリングは、野獣が低く構え、力を溜め込んだ緊張感をイメージし、滑らかな曲線で構成した力強くボリューム感のある燃料タンク(容量15l)や独立したサイドカバー、力強いリアの足廻りを強調するショートデッキスタイルのリアカウルやアルミ製グラブバーなど、すっきりとした外観を表現しながらも、ビッグバイクの持つ精悍で迫力ある個性的なフォルムとしている。また、燃料タンクキャップの廻りにアルミダイキャストカバーを配し、視認性の良い発光ダイオードで表示するデジタル燃料計と水温計を内蔵している。ヘッドライトは、照射範囲が広くシャープさとクリアな印象を持つマルチリフレクターヘッドライトを採用し、視認性が高いハーフミラーの文字版を持つクロームメッキ仕上げの砲弾型メーター等とあいまってフロント部を高級感あるものとしている。さらに、シートはフィット感を大切にしたものとし、荷掛けフックを左・右4箇所に装備することによって使い勝手を考慮している。
カラーリングは、渋みのあるマットビュレットシルバー、落ち着きのあるキャンディモールトンブラウン、精悍なピュアブラックなど燃料タンクやリアカウルの造形をさらに際だたせるカラーとし、ユーザーの選択の幅を広げている。
主要諸元
通称名 | X4(エックス・フォー) | |
型式 | SC38 | |
全長×全幅×全高 (m) | 2.330×0.745×1.140 | |
軸距 (m) | 1.650 | |
最低地上高 (m) | 0.135 | |
シート高 (m) | 0.730 | |
車両重量/乾燥重量 (kg) | 270/249 | |
乗車定員 (人) | 2 | |
燃料消費率(km/L)60km/h定地走行テスト値 | 21.6 | |
最小回転半径 (m) | 3.0 | |
エンジン型式・冷却方式 | SC38E・水冷4サイクルDOHC4バルブ直列4気筒 | |
総排気量 (cm3) | 1,284 | |
内径×行程 (mm) | 78.0×67.2 | |
圧縮比 | 9.6 | |
最高出力 (PS/rpm) | 100/6,500 | |
最大トルク (kgm/rpm) | 12.3/5,000 | |
キャブレター型式 | VEPA | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火装置形式 | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑方式 | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量 (L) | 4.6 | |
燃料タンク容量 (L) | 15 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング | |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | |
変速比 | 1速 | 3.083 |
2速 | 2.062 | |
3速 | 1.545 | |
4速 | 1.272 | |
5速 | 1.130 | |
6速 | ― | |
減速比(1次/2次) | 1.652/2.277 | |
キャスター(度)/トレール(mm) | 31°00′/135 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR18 59W |
後 | 190/60ZR17 78W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク |
後 | 油圧式ディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | ダブルクレードル |