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1993年09月02日 ニュースリリース

アコードをフルモデルチェンジし発売

 本田技研工業(株)は、新時代のベストセダンを目指した5代目アコードを9月15日より全 国のクリオ店から発売する。 

 この新型アコードは、基本性能を一段と高めたうえ、セダンとしての新しい基準を目指し、安 全・環境・燃費のそれぞれの性能を一層向上。さらに、徹底的に効果・効率を追求した新しい開 発体制により、大幅な設備投資の効率化を行い、高いバリューフォーマネーを達成した。  アコードは、1976年にクラスを越えた斬新なコンセプトにより誕生し、以来130を越え る国々で約720万台を販売。一貫して、アコードのネーミングが意味する「調和」とゆとりを コンセプトに進化を重ね、国際的なセダンとしての地位を築いてきた。5代目にあたるこの新型 アコードも、乗る人と社会が求める「ゆとりと調和」をこれからの時代にふさわしいかたちで具 現化することを目指し開発した。

アコード 2.2VTL

アコード 2.2VTL

具体的な開発目標は、

  • 「新VTECエンジン」や「軽量化技術」などによる、クラスを越えた低燃費と上質で爽快な走りの両立。
  • 「全方位安全設計ボディ」などによるきわめて高い安全性能と、先進の環境対応。
  • スポーティかつ知的なエクステリアと、高品質でゆとりある居住空間。
  • 一段と高いバリューフォーマネー。とした。

 なお米国では、9月1日(現地時間)に、現地開発・生産のアコードクーペ、アコードワゴンとともに同時発表、9月8日より順次発売する。 
 1982年、HAM(HONDA OF AMERICA MFG.,INC.)により、日本メーカーとして初の乗用車米国現地生産をスタートしたアコードは、広く米国に受け入れられ、’89年から3年連続乗用車販売No.1を記録。また、初めての日本メーカーによる米国 生産車の輸出など、ホンダの現地化に貢献してきた。 
 HAM、メアリーズビル工場での新型アコードの生産は8月末から開始され、日米協調のスムーズな開発体制により、現地調達率は80%を超える高いレベルを達成。この現地調達率の向上と、効率化を徹底した開発により、米国においても高いバリューフォーマネーを可能とし、価格は’93年モデルに対し極めて低い上昇率に抑えられている。 
 米国での販売計画は、狭山工場で生産される日本製を合わせ、’94年モデルイヤーで375,000台を予定している。

国内販売計画台数

4,000台(月間)

希望小売価格

消費税含まず・単位千円

※フルオート・エアコンディショナーは、全タイプに標準装備。

タイプ エンジン 最高出力 ミッション 東京 名古屋 大阪 福岡 仙台 札幌
EX 1.8l SOHC PGM-FI 125PS AT 1,798 1,806 1,812 1,825 1,814 1,839
2.0EX 2.0l SOHC PGM-FI 135PS AT 1,958 1,966 1,972 1,985 1,974 1,999
2.0EXL AT 2,088 2,096 2,102 2,115 2,104 2,129
2.2VTE 2.2l SOHC VTEC 145PS AT 2,129 2,137 2,143 2,156 2,145 2,170
2.2VTL AT 2,255 2,263 2,269 2,282 2,271 2,296
SiR 2.2l DOHC VTEC 190PS MT 2,404 2,412 2,418 2,431 2,420 2,445
AT 2,499 2,507 2,513 2,526 2,515 2,540

新型アコードの主な特長

エクステリア

居住性や機能性、安全性などの向上とともに、力強く、スポーティかつ知性的なイメージのスタイリッシュフォルムを目指した。

  • 洗練されたフロントマスクや、シンプルでありながら存在感のあるリアビュー、魅力的なエアロ・フォルムのサイドビューなどを実現。
  • 全幅拡大にもかかわらず、ドアミラー外側の幅を従来と同レベルのプラス8mmに抑えるなど、取り回し性を充分に配慮。
  • フロントに大型エアダムスポイラー、サイド部には空力を考慮したガーニッシュを採用するなど空力性能のさらなる向上を達成。

インテリアと各種装備

安心感と解放感を両立するフロントアッパーパッドと、快適性を高めるコンフォートラウンドインテリアとに上下2分割したツートーン・ラップラウンド・インテリアを採用。

  • 室内幅は25mm、ヘッドクリアランスも前席で15mmそれぞれ拡大するなど、ゆとりある居住空間を確保。
  • シートの形状を細部にわたり検討し、優れたフィット感・快適性を実現。さらに、運転席フルパワーシートの設定(SiR,2.2VTL)などにより、最適なドライビングポジションの確保を可能としている。
  • フルオートエアコンを全タイプに標準装備するなど快適装備類を充実。
  • 大容量のセンターコンソールボックス、大型ドアポケット、使い勝手に優れたカップホルダーなど細部にわたる実用性への配慮。
  • 運転席側だけでなく助手席側からも操作を可能にした、広域感知タイプの充電機能付キーレスエントリーを採用(EXを除く)。
  • 高精度なホンダ・ナビゲーションシステムを設定(SiR:AT車,2.2VTL)。
    光ファイバーセンサーによる自立航法に加え、人工衛星からの電波で現在位置を測定するGPS(グローバル・ポジショニング・システム)により、高い精度で情報を提供。さらに、全国のホテルやゴルフ場、交通施設など約12,000件もの情報を検索可能とし、ディスプレイには車載用の液晶タイプとしては最大サイズの6インチ画面を採用。また、電動格納式とするなど操作性・視認性に優れた多機能なシステムとしている。

安全性能

太い骨格のフレーム構造と、衝突のエネルギーを分散・吸収しキャビンや燃料タンクを守るクラッシャブルボディ構造により、高強度・高剛性な全方位安全設計ボディを実現。 
1996年から国内向けに生産される国産乗用車に適用される、正面衝突時における乗員保護性能基準や、1997年から米国で販売される乗用車に適用される、アメリカ連邦新側面衝突法規にいち早く対応。さらに、数々のオフセット衝突テストなどをくりかえし実施するとともに、時速50kmの後面衝突テストにも対応している。

  • 良好な視界の確保や操縦性の向上など、クルマの基本性能を徹底追求。
  • 運転席用と助手席用のSRSエアバッグシステムを全タイプに設定。
  • 車輪のロックを防止する3チャンネルABS(4輪アンチロックブレーキシステム)を全タイプに設定。
  • 駆動力を最適に制御するTCS(トラクションコントロールシステム)を設定(SiR:AT車)。
  • 左右駆動輪のトルク配分を最適化するビスカス・カップリング式LSD(リミテッドスリップデフ)を設定(SiR:AT車,2.2VTL)。

環境への配慮

●リサイクルの促進

  • 1)タイミングベルトカバー、エアークリーナーケース、レゾネーターチャンバーなどの部品にリサイクル可能な材料を使用。
  • 2)市場から回収した樹脂部品をスプラッシュシールド、フューエルパイプカバー、エアーアウトレットなどに再利用。
  • 3)100g以上の樹脂部品すべてに識別記号による材質表示を実施し、リサイクルを容易化。
  • 4)バンパーなどの樹脂部品の着脱を容易にし、解体作業を簡易化。

●エアコンに、オゾン層の破壊を防ぐ新冷媒HFC134aを採用。

エンジン

爽快な走りと優れた経済性を同時に追求し、アコードにふさわしい高効率・高性能なエンジンとした。

  • 低燃費と高出力を両立した2.2l新VTECエンジン(2.2VTL,2.2VTE)。
    ホンダ独自の可変バルブタイミング・リフト機構(VTEC)をベースに、多量EGRやスワール生成技術を採用。さらに、可変トルクアップレゾネータを採用するなど吸排気系に徹底したチューニングを施した。これらにより、10・15モード燃費13.0km/l(2.2VTE)、最高出力145PSを達成し、1.8lを凌ぐ低燃費とゆとりある出力特性を兼ね備えたものとしている。
  • 高出力、ワイドトルクの2.2l DOHCVTECエンジン(SiR)。
    VTEC技術と可変吸気システムの組み合せにより、最高出力190PSとともに全域でのワイドなトルクを実現し、扱いやすい高性能エンジンとした。
  • 優れた実用性と快適な走りをもたらす、2.0l16バルブエンジン(2.0EXL,2.0EX)と1.8l 16バルブエンジン(EX)。
  • 全タイプに、電子燃料噴射システム(PGM-FI)や2次バランサー機構、アルミシリンダーブロックを採用し、上質なエンジンラインナップを実現。

サスペンション

しなやかでスポーティなハンドリングと、マイルドで引き締まり感のある乗り心地を高次元で両立させる足廻りを目指した。

  • フロントロールセンター高の設定を低めにするとともに、リアロアアームスパンを拡大するなど細部に至るまで徹底した最適化を施し、4輪ダブルウイッシュボーン・サスペンションの一層の熟成を図った。
  • SiRには、スタビライザーのサイズアップ、フロントブレーキのサイズアップ、高性能タイヤの採用のほか、ダンパーの減衰力やスプリングバネレートの最適設定など、高性能エンジンにふさわしいセッティングを施した。
  • 高強度な780MPa級高張力スチール・ホイールを世界ではじめて採用(2.2VTE)。
    同サイズのアルミホイールとほぼ同等の重量により、バネ下重量を軽量化している。

トランスミッション

高品位なセダンにふさわしいオートマチックトランスミッションを目指し、変速ショックの大幅な低減、シフトチェンジ時の快適な操作感、静粛性の向上などを実現。

  • 電子制御4速オートマチックには、より人間の感性に近いシフト感覚を実現するプロスマテック(タイプII)を採用(SiR,2.2VTL,2.2VTE)。
  • リニアな加速感と減速感により、優れた応答性と扱いやすさを実現する4速オートマチック(2.0EXL,2.0EX,EX)。
  • 軽快なシフト感覚とスポーティな走行を可能にする5速マニュアル・トランスミッションをSiRに用意。

ボディ

高い剛性感と優れた安全性に加え、NVH(ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス)性能の向上を徹底的に追求。

  • 高い静粛性の実現のために、ボディ構造を細部にわたり徹底検証するとともに、エンジンルームに隣接したダッシュボードやタイヤハウスまわり、各フロアなどに制振材、遮音材を最適に配置。さらに、液封エンジンサイドマウントの採用、吸排気音の低減などを実施。