本田技研工業(株)は、'90年12月に発売以来、二輪車の機動性と三輪車ならではの乗り易さを兼ね備え、雨天走行時に効果的なワイパー付きウインドスクリーン(風防)とルーフを装備したファッショナブルな原付の三輪ビジネスバイクとして好評を得ている「ホンダジャイロ キャノピー」の細部を熟成し、4月15日より発売する。
このジャイロ キャノピーは、二輪車の特性である機動性や駐車性の良さを活かしながら、二輪車にはない新しい機能とファッション性を追求したモデルとして、近年の都市交通環境の変化の中で、宅配・巡回サービス業など幅広い用途に愛用されている原付の三輪ビジネスバイクである。
タイプは、新たにトランクリッドの開閉操作をよりスムーズにする油圧ダンパーを採用した大容量(62L※)のキー付きトランク装備の〈ワゴンタイプ〉と、より幅広い用途に対応するフラットな荷台形状の〈デッキタイプ〉の2タイプを設定している。
※VDA方式によるホンダ測定値。
販売計画台数(国内・年間)
5,500台
メーカー希望小売価格
ワゴンタイプ
409,000円
デッキタイプ
394,000円
(地域希望小売価格の一例:北海道は、8,000円高、沖縄は、5,000円高、その他一部地域を除く。)
(参考価格。消費税を含まず。)
外観は、シンプルでダイナミックなラインで構成した個性溢れるスタイリングとし、走行中の雨や風からの影響を低減するルーフと一体のウインドスクリーンには、耐久性に優れたハードコート処理を施すとともに、電動ウォッシャー付ダブルリンク式ワイパーを装備するなど、雨天時の優れた使い勝手を実現している。また、フロントカバー前面とリアトランク後・左右面をフラットな形状とすることで店名表示などのコマーシャル・スペースをも確保している。さらに今回、ルーフは、形状・材質などを変更することによって接触などによる衝撃に対しより強度を高めたものとしている。
エンジンは、空冷・2サイクル・単気筒・49ccを搭載。今回、ビジネス車としての特性を考慮し、日常使用する機会の多い低・中回転域での出力特性を向上させ、変速比を変更した無段変速機構(Vマチック)との組み合わせによって一段と扱い易くスムーズな走りを実現すると同時に、燃料消費効率も向上させている。駆動系には、旋回時に生じる後輪の回転差を調整するディファレンシャル・ギアを装備し、車体部と駆動部の連結部分に設けたスイング機構とあいまってコーナリング時の優れた旋回性を発揮させている。
足廻りは、前輪に制動時の車体前部の沈み込みを低減するTLAD(アンチダイブ機構付きトレーリング・リンク式サスペンション)に大径(110mm)フロントブレーキや12インチホイールを装備し、前・後輪に採用したオイル封入ダンパーや三輪車ならではのワイドトレッド、1,410mmのロングホイールベースとあいまって、荷物の積載時にも優れた操縦性と快適な乗り心地を実現している。
また、ハンドル中央下部に設置されたパーキングレバーの操作によってスイング機構と減速機を同時にロックするメインスタンド掛けが不要のワンタッチ・パーキング機構を装備し、荷物の積載時でも駐車を容易にするなど使い勝手を考慮したモデルである。
主要諸元
通称名 | ジャイロ キャノピー | |
型式 | A-TA 02 | |
全長×全幅×全高 (m) | 1.895×0.650×1.690 | |
軸距 (m) | 1.410 | |
最低地上高 (m) | 0.085 | |
シート高 (m) | 0.690 | |
車両重量/乾燥重量 (kg) | 133<129>/126<122> | |
乗車定員 (人) | 1 | |
燃料消費率(km/L)30km/h定地走行テスト値 | 41.9 | |
最小回転半径 (m) | 2.0 | |
エンジン型式 | TA 01 E(空冷・2サイクル・単気筒) | |
総排気量 (cm3) | 49 | |
内径×行程 (mm) | 40.0×39.3 | |
圧縮比 | 7.0 | |
最高出力 (PS/rpm) | 5.3/6,500 | |
最大トルク (kgm/rpm) | 0.60/6,000 | |
キャブレター型式 | PB 80 | |
始動方式 | セルフ式(キック式併設) | |
点火装置形式 | CDI式マグネット点火 | |
潤滑方式 | 分離潤滑式 | |
潤滑油容量 (L) | 1.2 | |
燃料タンク容量 (L) | 7.3 | |
クラッチ形式 | 乾式多板シュー式 | |
変速機形式 | 無段変速式(Vマチック) | |
変速比 | 1速 | 2.910~0.875 |
減速比(1次/2次) | 3.416/3.538 | |
キャスター(度)/トレール(mm) | 27°00′/62 | |
タイヤサイズ | 前 | 4.00-12 65 J |
後 | 130/90-6 53 J | |
ブレーキ形式 | 前 | 機械式リーディングトレーリング |
後 | 機械式リーディング・トレーリング | |
懸架方式 | 前 | ボトム・リンク式 |
後 | ユニット・スイング式 | |
フレーム形式 | アンダボーン |