本田技研工業(株)は、米国の生産拠点であるホンダ・オブ・アメリカ・マニュファクチャリング(HAM)で'80年から生産を開始、'88年型より日本に輸入・販売し、快適で充実した数々の装備などで好評を得ている大型ツーリングバイク「ゴールドウイング」に、堂々としたフォルムにふさわしい艶やかで気品のあるブラック&ブラウン・メタリックの豪華なイメージのカラーリングと、オーディオシステムに4スピーカーを採用した'93年型「ゴールドウイング SE」を輸入し、2月14日より発売する。
販売計画台数(国内・年間)
300台
メーカー希望小売価格
2,230,000円
(地域希望小売価格の一例:北海道は30,000円高、沖縄は10,000円高、その他一部地域を除く。)
(参考価格。消費税を含まず。)
このゴールドウイングSEは、ホンダの二輪車ラインナップの最高峰モデルとして位置づけられ、低振動・高トルク・低重心の水冷・4サイクル水平対向6気筒1.5Lエンジン(総排気量1,520cc,97ps/5,000rpmSAE)を搭載し、高い静粛性と低速から高速まで豊かでフラットなトルク特性を発揮させている。また、大容量のクラッチやACジェネレーター(交流発電機)をクランク回転に対して逆回転させるレイアウトによって、エンジンの回転反力を軽減させるとともに、油圧式の自動タペット調整機構やタイミングベルトを採用することで、メンテナンス・フリー化を図ると同時に高い静粛性を実現している。
フレーム・足廻りは、1.5Lエンジンから生まれる力強い走りや、1.7mのロング・ホイールベースがもたらす快適な乗り心地とともに、素直で落ち着きのある操縦フィーリングをもあわせて実現させる低重心の高剛性ダブル・クレードルフレームを採用。ブレーキは、右足でブレーキ・ペダルを踏むと、後輪ディスクと同時に前輪の左側ディスクに効力を自動配分する前・後輪連動ブレーキシステムを採用。さらに、乗車人員の変化やライダーの好みによって空気圧が調整できる小型コンプレッサー付きエア・サスペンションなど、大型ツーリングバイクならではの充実した装備となっている。
外観は、メカニカルな部分を極力カバーし、流麗な美しさの中にも堂々とした風格をもたせたインテグレーテッド(一体化)デザインを採用。アンダーカウル一体デザインの大型フェアリングは、空力特性を徹底追求することによって、ゆったりした乗車位置を確保しながら高速走行の走行風などによる疲労を軽減し、豪華で座り心地や足付き性の良い大型段付きシート(シート高755mm・国内専用)や、アームレスト(肘掛け)付きのシートバック一体式後部シートなどとあいまって、ゆとりのあるクルージングが楽しめるものとなっている。さらに、AM/FM チューナー付フルロジック・カセットデッキ搭載の本格的なオーディオシステムには、ボタン操作ひとつで臨場感あふれる音響効果が得られるアンビエンス機構や、車速に合わせて音量を自動調整するオートボリュームコントロール機構を内蔵。今回新たに、ライダー側と同乗者側(アームレスト部分)に2個ずつスピーカーを設置した4スピーカー・システムを採用し、高品質なサウンドを味わいながら、よりいっそう快適な走行を楽しめる充実した装備となっている。
その他主な特徴
- ・空気と燃料の混合比をコンピューターで自動制御するPGMキャブレターを2個装備。
- ・低温時にラジエーターからの温水によって吸気温度を高める温水ライザー付吸気マニホールド。
- ・ウインドスクリーン中央に、風量が三段階に調整できるベンチレーションシステム。
- ・冷寒時、排気管で暖められたホット・エアを足元に導くフット・ウォーマー機構。
- ・同乗者の快適性を向上させる可動式(上下方向60mm)ピリオン・ステップボード。
- ・夜間のスイッチ操作性を向上させる透過光式照明(イルミネーション)内蔵の各スイッチ類。
- ・後方の被視認性を向上させる発光ダイオード採用のハイマウント・ストップランプを後部大容量トランク上部に装備。
- ・コーナリング方向を照らすウインカー・スイッチ連動式コーナリングランプ。
- ・小雨やほこりなどによるシートの汚れを低減する収納式シートカバー。
- ・車庫からの出し入れや、狭い場所での取り廻し性を考慮した電子制御式の電動リバース(後退)システム。
- ・スイッチ操作で一定速度を維持できるクルージング・コントロールシステム。
- ・長距離走行に便利で使い勝手のよい、集中ロックシステムを採用した大容量トランク(38L)*と左右のサドルバッグ(26L)*を装備。
- *当社計測値
主要諸元
通称名 | ゴールドウイングSE | |
型式 | ホンダオブアメリカ・SC 22 | |
全長×全幅×全高 (m) | 2.630×0.955×1.505 | |
軸距 (m) | 1.700 | |
最低地上高 (m) | 0.130 | |
シート高 (m) | 0.755 | |
車両重量/乾燥重量 (kg) | 399/368 | |
乗車定員 (人) | 2 | |
燃料消費率(km/L)60km/h定地走行テスト値 | 26.1 | |
最小回転半径 (m) | 3.1 | |
エンジン型式 | SC 22 E(水冷・4サイクル・水平対向6気筒・OHC) | |
総排気量 (cm3) | 1,520 | |
内径×行程 (mm) | 71.0×64.0 | |
圧縮比 | 9.8 | |
最高出力 (PS/rpm) | 97/5,000(SAE) | |
最大トルク (kgm/rpm) | 15.2/4,000(SAE) | |
キャブレター型式 | VDG 9 | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火装置形式 | フル・トランジスタ式バッテリ点火 | |
潤滑方式 | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量 (L) | 4.3 | |
燃料タンク容量 (L) | 23 | |
クラッチ形式 | 湿式多板ダイヤフラム・スプリング | |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.666 |
2速 | 1.722 | |
3速 | 1.272 | |
4速 | 0.964 | |
5速 | 0.758 | |
後退 | 8.846 | |
減速比(1次/2次) | 1.591/0.971×2.833 | |
キャスター(度)/トレール(mm) | 30°00′/115 | |
タイヤサイズ | 前 | 130/70-18 63 H |
後 | 160/80-16 75 H | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク |
後 | 油圧式ディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | ダブルクレードル |
(最高出力および最大トルクはSAE規格に基づいた値です。)