本田技研工業(株)は、米国の生産拠点であるホンダ・オブ・アメリカ・マニファクチャリング(HAM)でのみ生産している大型ツーリングバイク「ゴールドウイング」とスペシャリティーカー「アコードクーペ」(アコードの派生機種)を日本に輸入し、ゴールドウイングは4月9日よりホンダの二輪販売店から、アコードクーペは4月22日 よりホンダクリオ店より発売する。
ホンダはかねてより「需要のあるところで生産する」という理念に基づき、世界各地で二輪車、四輪車、汎用製品の生産活動を行っているが、特に米国を日本に次ぐ供給基地と位置づけ、研究開発、生産体制を拡充している。
このゴールドウイングとアコードクーペは、その具体的な第一歩として、デザインからエンジンや脚まわりのチューニング、装備類のセレクト等を米国の研究開発拠点ホンダR&Dノースアメリカ(HRA)が主体となって担当、生産をオハイオ州メアリーズビルのホンダオハイオ工場(HAM)で行い、日本に輸入するものである。
ゴールドウイングの主な特徴
ゴールドウイングは、ホンダに二輪車ラインアップの最高峰モデルとして開発したもので、1975年に発売以来13年間、米国や欧州を中心に長距離ツーリングバイクとして独自の文化とステータスを創り上げており、この間ユーザーの多様な要望に応えながら進化・熟成を続けてきたものである。
今回輸入し販売するモデルは、88年型として新開発したもので、従来のモーターサイクルの概念を一新すべく、二輪車の持つ爽快感溢れる乗り心地に加え、四輪車感覚の極めて豪華な装備がもたらす快適さをあわせもつ豪壮なグランドツアラーとして仕上げている。
<エンジン> 新たに開発した低振動・高トルク・低重心の水冷・4サイクル水平対向6気筒1.5L(総排気量1,520cm3・97PS/5,000rpmSAE)エンジンは、高い静粛性とスムーズで力強い出力特性をあわせて実現。
クランク・シャフトは、クランク・ピンを60度位相させることで、よりきめ細かな等間隔爆発(120度)を実現し、水平対向エンジンの持つ低振動性とあいまって、いっそうスムーズな出力特性を発揮。
キャブレターは、空気と燃料の混合比をコンピュータで自動制御するPGMキャブレターを2個装備しており、低温時にラジエータからの温水によって吸気温度を高める温水ライザー付吸気管(ロング・インテーク・マニホールド)の採用とあいまって、より幅広い走行環境で、低速から高速まで豊かでフラットなトルク特性を発揮させている。
大容量のクラッチやACジェネレータ(交流発電機)をクランク回転に対し逆回転させるレイアウトによって、エンジンの回転反力を軽減させるとともに、油圧式の自動タペット調整機構や樹脂製タイミングベルトを採用することでメンテナンス・フリー化を図ると同時に高い静粛性を実現。
さらに、電子制御式の電動リバース(後退)システムを採用し、車庫からの出し入れや狭い場所での取り廻し性を大幅に向上させている。
<フレーム・足廻り> 1.5Lエンジンから生れる力強い走りや、1.7mのロング・ホイールベースがもたらす快適な乗り心地とともに、素直で落ち着きのある操縦フィーリングをも併せて実現させるため、横方向の剛性に加え、上下方向の剛性を大幅に向上させた高剛性ダブル・クレードルフレームを開発。
ブレーキは、右足でブレーキ・ペダルを踏むと、後輪ディスクと同時に前輪の左側ディスクに 効力を自動配分する前後連動ブレーキを採用。
リア・クッションは、左側にコイル・スプリング付オイル・ダンパー、右側にはカウル内蔵の 小型コンプレッサーで乗車人員の変化やライダーの好みによって空気圧が調整できるエア・サスペンションを採用するなど、大型ツーリングバイクならではの充実装備となっている。
<外観> メカニカルな部分を極力カバーリングし、流麗な美しさの中にも堂々とした風格を持たせたインテグレーテッド(一体化)デザインを採用。ウインド・スクリーン(風防部)の高さが 上下方向に65mm調整できるアンダー・カウル一体デザインの大型フェアリングは、空力特性 を徹底追求することによって、ゆったりした乗車位置を確保しながら高速走行時の走行風などに よる疲労を軽減。
カウルに内蔵したベンチレーション機構は、足元への導風を外気と暖気(ラジエータ通過風) とに切り換えられる構造としており、豪華で座り心地の良い大型段付きシートや肘掛け(アーム レスト)付のシートバック一体式後部シート、スイッチ操作で一定の速度を維持できるクルーズ・ コントロールシステムなどとあいまって、いっそうゆとりあるクルージングが楽しめるものとなっ ている。
ボディ後部には、サイドカバーやシートなどと一体にデザインされた大容量のトランク (38L/当社計測値)と左右のサドルバッグ(26l×2/当社計測値)を装備。これらの開 閉は、トランク下部にレバーを集中配置するとともに、一個所のキー操作で同時に施錠/解錠が できる集中ロックシステムを採用し使い勝手を向上させている。
アコード クーペの主な特徴
<外観> 流れるような美しいラインの洗練されたスタイルと品格を持つ3ボックスタイプの2ドアクーペとし、空気の流れを制御するスカート一体型フロントバンパーや、LED(発光ダイオード式)ハイマウント・ストップランプ内蔵リアスポイラー等により、新鮮な個性を主張するスポーティスペシャリティーカーとしている。
<パワーユニット> 2.0LSOHC12バルブ+PGM-FI(電子燃料噴射システム)エンジンを搭載。高感度なレスポンスと動力性能を発揮すると同時に、すぐれた燃料経済性をも実現している。また、トランスミッションは、このエンジンの特性にマッチングの良いロックアップ機構付4速フルオートマチックを採用し、扱いやすく、ゆとりある走りを可能としている。
<サスペンション> アコードシリーズの評価を世界に高めた独創の四輪ダブルウイッシュボーン・サスペンションを採用。これにより、しなやかな乗り心地と卓越したハンドリングを高レベルでバランスさせている。
<インテリア> シート表皮に上質な感触・風合いに仕上げられた本革を採用。ドライバーズシートはバケットタイプとし、しっとりした感触が心地よいホールド感を生んでいる。またオーディオシステムはアコードクーペのためにBOSE社が専用開発したシステムであり、高質な音響を得るためキャビンの広さ、形状、シートの位置、素材、ボディ構造に至るまで徹底的に分析。ボーズ博士が自らサウンドをチューニングしたもので、音響バランスにすぐれ臨場感あふれるナチュラルなサウンドが体感できるものとなっている。
その他の主な装備
- ・ドアの開閉だけでベルトの着脱がおこなえるアメリカ生まれのパッシブシートベルトをフロントに採用。
- ・シャープな光沢のスポーティな切削タイプ14インチアルミホイールを装備。
- ・快いグリップ感やすぐれた吸汗性を得られる本革巻きステアリングを採用。尚、ハンドルは、米国仕様の左ハンドルとしている。
- ・すべての施錠/解錠が出来るマスターキー2本と、イグニッション及びドアだけにしか使用出来ないベーシックキー1本をセットにしたダブルキーシステムを採用。
- ・相対速度5マイル(約8km/h)以内の微速で、障害物に接触してもバンパーの損傷を最小限に抑えることができる5マイル衝突対応バンパーを装着。
以上、このアコード クーペは、アメリカンテイスト溢れた数々の装備内容によるスポーティス ペシャリティカーとなっている。
ゴールドウイング
輸入販売計画(本年度)
500台
全国標準現金価格
1,750,000円
(北海道・沖縄は、10,000円高。その他一部離島は除く。)
アコードクーペ
輸入販売計画(昭和64年3月まで)
5,000台(予定)
アコードクーペ 主要諸元
車名・型式 | ホンダ オブ アメリカ・E-CA6 | |
トランスミッション | フロアチェンジ式・ロックアップ 機構付 4速 フルオート(オーバードライブレシオ) |
|
全長(m) | 4.565 | |
全幅(m) | 1.695 | |
全高(m) | 1.340 | |
ホイールベース(m) | 2.600 | |
トレッド(m) | 前1.480 後1.475 | |
最低地上高(m) | 0.150 | |
車両重量(kg) | 1,220 | |
乗車定員(名) | 5 | |
客室内寸法(m) | 長さ1.845×幅1.405×高さ1.095 | |
エンジン型式 | A20A3 | |
エンジン種類 | 水冷直列4気筒横置SOHC(無鉛ガソリン使用) | |
燃焼室形式(cm3) | ペントルーフ形 | |
弁機構 | SOHCベルト駆動 吸気2排気1 | |
総排気量(cm3) | 1,955 | |
内径×行程(mm) | 82.7×91.0 | |
圧縮比 | 9.3 | |
燃料供給装置形式 | 電子燃料噴射式(ホンダ PGM-FI) | |
燃料ポンプ形式 | 電動式 | |
燃料タンク容量(l) | 60 | |
潤滑油容量(l) | 4.0 | |
潤滑方式 | 圧送式 | |
点火装置形式 | フル・トランジスタ式 | |
最高出力(PS/rpm)SAE値* | 120/5,800 | |
最大トルク(kg-m/rpm)SAE値 | 16.9/4,000 | |
燃料消費率(km/l) | 10モード走行(運輸省審査値)8.8 | |
最小回転半径(m) | 5.2 | |
制動停止距離(m) | 初速50km/h時 13.5 | |
クラッチ形式 | 3要素1段2相形(ロックアップクラッチ付) | |
変速機形式 | 常時噛合式 | |
変速機操作方式 | フロア・チェンジ式 | |
変速比 | 1速 | 2.529 |
2速 | 1.481 | |
3速 | 1.030 | |
4速 | 0.700 | |
後退 | 1.904 | |
減速比 | 4.066 | |
カジ取り形式 | ラック&ピニオン式(パワーステアリング仕様) | |
タイヤ | 前/後:195/60 R14 85H | |
主ブレーキの種類形式 | 制動倍力装置 | 油圧真空倍力式 |
前/後 | 前:ベンチレーテッドディスク 後:リーディングトレーリング(ライニングオートアジャスト機構付) |
|
作動系統及び制動車輪 | 2系統式:前右1輪・後左1輪/前左1輪・後右1輪 | |
制動力制御装置形式 | プロポーショニング装置 | |
懸架方式(独立懸架) | 前/後:ダブルウイッシュボーン式 | |
スタビライザー形式 | 前/後:トーションバー式 |
- *SAEとは、米国内でのエンジン出力表示方式であり、本カタログ内 の数値は輸出元のアメリカン・ホンダ・モーターが、SAE表記規準 に基づいて米国内で公表しているものです。数値は、日本国内での エンジン出力表示の「ネット値※」と、ほぼ同等のものとなっており ます。
- ※日本国内でのエンジン出力表示には、ネット値とグロス値があります。「グロス」はエンジン単体で測定したものであり、「ネット」とは エンジンを車両に搭載した状態とほぼ同条件で測定したものです。同 じエンジンで測定した場合、「ネット」は、「グロス」よりも約15% 程度低い値(自工会調べ)となっています。
ホンダ アコード クーペ 主要装備一覧
快適クルーズ装備 | クルーズコントロール |
チルト機構付車速応動型パワーステアリング | |
パワーウインドウ | |
エアコンディショナー | |
ホンダBOSEサウンドシステム(AM/FM チューナー・カセットデッキ・BOSE4スピーカー・専用アンプ) | |
エクステリア | リトラクタブル・ハロゲンヘッドライト |
スカートー体成型ボディ同色バンパー(5マイル 衝突対応バンパー) | |
LED(発光ダイオード方式)ハイマウント・ストップランプ内蔵リアスポイラー | |
サイドプロテクター | |
ハーフシェード・フロントウインドウ | |
ボディ同色可倒式電動リモコンドアミラー | |
ボディ同色ドアハンドル | |
フロント・マッドガード | |
サイドシル・ブラック塗装 | |
ウォッシャー連動間欠付フロント・ワイパー | |
電熱線入りリアウインドウ・テフォッカー(タイマー付) | |
マフラーカッター | |
電動アンテナ | |
インテリア | 本革シート |
フロントシート ランバーサポート(ドライバーズシート)/マガジンラック/ウォークイン機構(アシスタントシート) | |
リアシート トランクスルー(キー付) | |
フロント・バッシブシートベルト(ウォーニング・インジケーター付) | |
リア・3点式ELR シートベルト(中央席2点式ベルト) | |
カットパイル・フロアカーペット | |
カットパイル・トランクマット | |
本革巻きステアリングホイール | |
照明付バニティミラー付サンバイザー(アシスタントシート側) | |
大型センターコンソール | |
フットレスト | |
コートハンガー | |
グラブレール | |
トランクオープナー(キー付) | |
フューエルリッドオープナー | |
大型フロント・ドアポケット(左/右) | |
カーテシーランプ | |
トランクルーム照明 | |
ベンチレーションシステム,ボタン式モードコントロール/ボタン式内外気切り換えスイッチ/クールベント/サイドデフ機構/リアヒーターダクト(後席専用暖房) | |
3重ドアシール | |
昼夜切り換え式ルームミラー | |
インストルメントパネル | キロメートル/マイル併記スピードメーター |
イルミネーションコントロール | |
セフティ・インジケーター | |
ATポジション・インジケーター | |
クルーズコントロール・インジケーター | |
ベンチレーション・コントロールパネル照明 | |
オーディオ・パネル照明 | |
イグニッション・スイッチ照明 | |
グローブボックス照明 | |
アシュトレイ照明 | |
デジタル・クロック | |
キー付グローブボックス | |
ライト消し忘れ警告チャイム/キー抜き忘れ警告ブザー | |
走行関連メカニズム | NVダンパー(前/後) |
スタビライザー(前/後) | |
ブレーキ(サーボ付) フロント・ベンチレーテッドディスク | |
ブレーキ(サーボ付) リア・リーディングトレーリング | |
複合エンジンマウント | |
タイヤ/ホイール | ミシュラン MXV 195/60 R14 85H スチールラジアルタイヤ |
アルミホイール 5 1/2JJ×14 |
ゴールドウイング 主要諸元
車名及び型式 | ホンダオブアメリカ SC22 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.630×0.955×1.525 | |
軸距(m) | 1.700 | |
最低地上高(m) | 0.135 | |
シート高(m) | 0.770 | |
車両重量/乾燥重量(kg) | 391/360 | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費(km/l)60km/h 定地走行テスト値 | 27 | |
最小回転半径(m) | 3.1 | |
エンジン型式 | SC22E(水冷・4サイクル・水平対向6気筒・OHC) | |
総排気量(cm3) | 1.520 | |
内径×行程(mm) | 71.0×64.0 | |
圧縮比 | 9.8 | |
最高出力(PS/rpm) | 97/5,000(SAE) | |
最大トルク(kg-m/rpm) | 15.2/4,000(SAE) | |
キャブレター型式 | VDG5 | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フル・トランジスタ式バッテリ点火 | |
潤滑方式 | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(l) | 4.3 | |
燃料タンク容量(l) | 23 | |
クラッチ形式 | 湿式多板ダイヤフラム・スプリング | |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.666 |
2速 | 1.722 | |
3速 | 1.272 | |
4速 | 0.964 | |
5速 | 0.758 | |
後退 | 8.846 | |
減速比(1次/2次) | 1.591/0.971-2.833 | |
キャスター(度)/トレール(mm) | 30°00′/115 | |
タイヤサイズ | 前 | 130/70-18 63H |
後 | 160/80-16 75H | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク |
後 | 油圧式ディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック |
後 | スイング・アーム | |
フレーム形式 | ダブルクレードル |
ゴールドウイング 主要装備一覧
快適クルーズ装備 | クルーズコントロールシステム |
モーター駆動リバース(後退)システム | |
前後連動ブレーキシステム | |
リア・エアサスペンションシステム (エア圧調整機構付) | |
外気/暖気切り換えベンチレーションシステム | |
ソフトフィーリング大型ライダーズシート | |
大型メインステップ | |
大型パッセンジャーズステップボード(可倒式) | |
シートバック一体型パッセンジャーズシート | |
リア・アームレスト | |
リア・アシストグリップ | |
ボディ外装 | ヘッドライト一体型・フロントカウル |
インテグレーテッド・サイドカバー | |
インテグレーテッド・アンダーカウル | |
ウインドスクリーン(高さ調整機構付) | |
2灯式マルチフォーカス・ハロゲンヘッドライト(光軸調整機構付) | |
エアロデザイン・バックミラー | |
フロント・ホイールカバー | |
フロント・フォークカバー | |
エンジンガード | |
サドルバッグガード | |
サイドリフレクター一体型テールランプ&リア・ウインカー | |
サイドリフレクター一体型ブレーキランプ | |
ワンタッチ可倒式ラジオ用アンテナ | |
インストルメントパネル | 大型アナログ式スピードメーター/タコメーター |
デジタル集中ディスプレイ 〔ラジオ選局/テープ走行/アンビエンス/ミュート/時計/リアサス・エア圧〕 | |
ウォーニングランプ 〔ハイビーム/オーバードライブ/ニュートラル/リバース/サイドスタンド/燃料残量/油圧/クルーズコントロール〕 | |
オドメーター/トリップメーター | |
燃料計/水温計 | |
AM/FMステレオカセットデッキ(24W×2)〔AM/FM各6局ブリセット 機構/オートボリュームコントロール トーンコントロール/アンビエンス機構/2スピーカー〕 | |
ハンドル廻り | ソフトパッドハンドル |
オーディオ・リモートコントロールスイッチ(ラジオ選局/ミュート/テープ・プログラム選択) | |
クルーズコントロールスイッチ | |
ユーティリティ | 大容量トランク(38l/インナーバック付) |
サドルバッグ(両サイド、26l×2/インナーバック 2個付) | |
トランク/サドルバッグ用集中ロックシステム | |
フロントカウルポケット(両サイド、右:キー付) | |
パッセンジャーズポケット(両サイド) | |
ヘルメットホルダー(両サイド) |
お客様からのお問い合わせは、 「お客様相談センター 0120-086819(オーハローバイク)」へお願い致します。