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1987年02月23日 ニュースリリース

座ったままでスピーディな植付作業ができるホンダ初の乗用田植機「TPR40」を発売

 本田技研工業(株)は、数々の新機構を採用し、取り扱いやすく、苗の植付作業に優れた性能を発揮するホンダ乗用田植機「TPR40」(四条植)を3月20日より発売する。

乗用田植機 TPR40

乗用田植機 TPR40

  この乗用田植機「TPR40」は、経済性、耐久性に優れ、粘り強いパワーを発揮する4サイクルOHVエンジンGX160(163cc・5.3PS/2,000rpm)を搭載。

植付部は―

  苗の損傷を防ぎ、小さな苗から大きな苗までしっかりと植付をするニューダブルアクション方式を採用。
  また、突起付ゴムベルトをもつ強制苗送り(AWF:アジャスター・ダブル・ワイドフィダー)装置の採用により、マット苗を確実に搬送。さらに苗の植付本数に応じて苗送り量が自動的に調節され、苗の損傷や欠株を防ぐ安心設計となっている。
  加えて、作業中に耕盤に起伏があっても油圧の働きにより植付部を田面に対して、常に水平に保つ機構になっているため、さまざまな圃場で苗を垂直に一定の深さで植付られるものとしている。

操作系は―

  植付部の操作は、一本のレバーで行なえる油圧・植付レバーを採用。このレバーを「下る」の位置へセットすると植付部が下降、さらにレバーを前に倒すと植付クラッチが入り植付作業が行え、レバー位置を「上る」へセットすると植付部が上昇し、同時に植付作業も停止する機構となっている。
  また、旋回時に、ブレーキを踏むと自動的に植付部が上昇するオートリフティング機構や、植付部に連動して条合せ位置を指示するマーカーも昇降するジャストマーカー機構も採用するなど、容易に操作できるものとしている。
  その他、植付本数調節・株間調節・植付け深さ調節などは、座ったままでそれぞれ一本のレバーで操作ができる設計となっている。

足回りは―

  耕盤の起伏に応じて、安定した植付姿勢がえられる前輪独立懸架方式を採用。後輪には、このクラス最大の800mm大径車輪を装着するとともに、湿田での優れた走破性を発揮する四輪駆動システムとあいまって作業効率を一段と向上させている。

  • 外爪と内爪の一体構造で外爪が苗を傷つけないようにマットから掻き取り、内爪が田面に確実にほぼ垂直に植付ける方式である。しかも、この爪は軌跡が大きく、手植えに近い設計となっている。

販売計画(国内・年間・予定)

500台

希望小売価格(一部離島を除く)

888,000円

その他の主な特徴

  • 苗の補給時機をランプと、音で知らせる苗付つぎモニターや、使用中のマーカーを表示するマーカーモニターなど作業効率を寄与するマルチモニターを採用。
  • 小回り性や、枕地での旋回性能に優れた威力を発揮する前輪デフと後輪サイドクラッチを装備。
  • あぜに横づけすることなく、車体の前方からも乗り降りができるフリーステップ方式を採用。
  • 保守点検や、整備性を向上させるフルオープンのボンネットを採用。

主要諸元

名称 TPR40
形式 乗用型
駆動方式 4輪駆動
機体寸法 全長(mm) 2,720
全幅(mm) 1,585
全高(mm) 1,400
最低地上高(mm) 330
重量(kg) 390
エンジン 名称 GX160
形式 空冷4サイクル1気筒25°傾斜ガソリン
総排気量(cc) 163
定格出力/回転速度(PS/rpm) 3.8/1,800 最大5.3/2,000
使用燃料/燃料タンク容量(L) 自動車用無鉛ガソリン/6.0
点火方式 トランジスタマグネット点火
始動方式 セルフスタータ
走行部 かじ取り方式 ギャセレクタ
車輪 種類・個数 前輪 空気入ゴム車輪 2個
後輪 ゴムラグ車輪 2個
外径(mm) 前輪 600
後輪 800
植付部 変速段数 前進3段(植付2段)、後進1段
植付部位置 後植え
植付部昇降方式 油圧式
植付部装着方式 平行リンク
植付方式 棒爪とフォーク
植付条数(条) 4
植付条間(cm) 30
植付株間(cm) 14・16・18(標準タイプ)
植付株数(株/3.3m2 80・70・60(標準タイプ)
植付深さ(cm) 2~5(5段階)
一株本数 縦(mm) 7~19 (ワンタッチセレクタ)
調節方式 横(mm/回数) 〈10.8/26〉〈14/20〉
植付速度(m/S) 0.56・0.78
作業能率(分/10a) 30~40
予備苗搭載数(箱) 4
安全鑑定適合番号 申請中

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