本田技研工業(株)は、新設計の水冷・2サイクル・90度V型2気筒エンジン(総排気量249cm3)を搭載し、摩擦抵抗を低減した一軸クランクシャフトや、コンピューター制御の可変排気孔バルブ機構など最新技術を駆使し、250ccクラスの2サイクルスーパースポーツバイクでは最軽量の125kg(乾燥重量)を実現した「ホンダ・NSR250R」を10月1日より発売する。
このNSR250Rは、'85、'86年度と2年連続で、ロードレース世界GP250のメーカーチャンピオンを獲得したレーサー「ホンダNSR250」で得た高度な最新技術の数々を投入し、開発したものである。 エンジンは、軽量・スリム・コンパクト設計で、V型シリンダーの狭み角度90度に設定し、一次振動を理論上ゼロとしている。これにより、エンジンをフレームにダイレクトに固定して搭載することが可能となり、優れた操縦性をもたらしている。
また、クランクシャフトは一軸とし、エンジン自体の軽量・コンパクト化と摩擦抵抗の低減を実現。さらに、吸気効率を大幅に向上させたクランクケースリードバルブ方式を採用。これにより、キャブレターをエンジン後方に平行配置、エンジンを20度前傾で搭載することで低重心化をはかっている。また、排気系に、エンジン回転数に応じてコンピューターで排気時期を制御させるホンダオリジナルRCバルブを採用することにより、中低速域から高速域まで力強い出力特性を発揮している。
車体は、スリムなエンジン幅を活かし、さらに、エンジン自体をもフレームの一部とした設計。ホンダ独自の「目の字」断面構造をもつアルミフレームの採用とあいまって、軽量・高剛性、低シート高(750mm)を実現している。また、フレームを包み込んだフル・フェアリングと大型リアカウルは、人車一体のエアロフォルムを形成し、優れた空力特性を生み出している。
足回りは、フレームの高い剛性に合わせて、偏平タイヤ、S字断面スポークと幅広リムをもつアルミホイール、アルミ製スイングアーム(後輪)を採用。さらに、前・後輪に油圧式ディスクブレーキ(前はフローティング式ダブル・後はシングル)をトリプルで装備するなど、最新技術の数々を投入したスーパースポーツバイクとなっている。
販売計画(国内・年間)
15,000台
全国標準現金価格
559,000円
(北海道・沖縄価格は9,000円高。その他、一部離島を除く。)
その他の主な特長
- ・摩擦抵抗の低減と耐摩耗性に優れたNSシリンダー、フラッシュサーフェイスピストンを採用。
- ・オイル消費量を大幅に低減させたコンピューター制御のオイルポンプ機構を採用。
- ・高い冷却効率を発揮するアルミ製シングルコア・ラジエターを採用。
主要諸元
型式 | MC16 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.035×0.705×1.105 | |
軸距(m) | 1.360 | |
最低地上高(m) | 0.135 | |
シート高(m) | 0.750 | |
車両重量(乾燥重量)(kg) | 141(125) | |
重車定員(人) | 2 | |
燃費(km/L) | 41.0(50km/h定地走行テスト値) | |
エンジン型式 | MC16E水冷2サイクル・ケースリードバルブ90度V型2気筒 | |
総排気量(cm3) | 249 | |
内径×行程(mm) | 54.0×54.5 | |
圧縮比 | 6.2 | |
最高出力(PS/rpm) | 45/9,500 | |
最大トルク(kg-m/rpm) | 3.6/8,500 | |
始動方式 | キック式 | |
点火方式 | 無接点式CDI | |
潤滑油容量(L) | 2.2 | |
燃料タンク容量(L) | 16 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
タイヤサイズ | 前 | 100/80-17 52H |
後 | 130/70-18 63H | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク |
後 | 油圧式ディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式(円筒空気バネ併用) |
後 | スイングアーム式(プロリンク) | |
フレーム型式 | ダイヤモンド |
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