生物多様性保全に対する具体的な取り組み

具体的な取り組み

生物多様性の保護・復元活動

モビリティリゾートもてぎで確認されたハッチョウトンボ
モビリティリゾートもてぎで確認されたハッチョウトンボ

Hondaが100%を出資する日本の栃木県にあるモビリティリゾートもてぎは、約640haの敷地があり、約7割の森林における自然の保全活動を行っています。確認されている生物種は約5,800種あり、生息する生物のなかには希少種も多数含まれています。

元々は、管理が行き届いていない雑木林や田んぼが広がっていましたが、木を切り森に光を取り込むことで環境改善を図ったり、棚田などの水辺の再生を行い、絶滅が危惧されているハッチョウトンボの保護・移殖も行いました。モビリティリゾートもてぎでは「環境改善は減らすことだけではなく、つくることも行う※1」という考えのもと、生きものたちの多様な環境づくりも行っています。なお、持続的な森づくりのために、森林調査(毎木調査等)・モニタリング調査(日本国のモニタリングサイト1000に登録)・森づくりに関わる「人」を育む「森づくりワークショップ」の開催を行っています。

  1. 森の環境改善は、伐採などにより林内密度を減らし光や風が入りやすいようにするだけではなく、生きものたちの棲みかをつくることも行う。

外部イニシアチブとの連携

外部イニシアチブとの連携

2022年4月、日本において環境省が主導する「生物多様性のための30by30アライアンス」に参画し、生物多様性の保全が図られている区域となる「自然共生サイト」の認定取得に向けて推進しています。

また、2022年12月よりTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)フォーラムに参画しています。積極的な情報の開示に努め、今後も環境保全に関する取り組みをよりいっそう加速させます。

〈日本〉四輪完成車工場におけるビオトープ

埼玉製作所のビオトープ
埼玉製作所のビオトープ

2013年に操業を開始した埼玉製作所完成車工場には、ビオトープがあります。ここにはトウキョウサンショウウオ・ホトケドジョウなどの絶滅危惧種が生息しており、モニタリングや保全活動とともに、外来種であるアメリカザリガニ・ウシガエルの駆除等を行っています。

〈米国〉野生ミツバチの生息地保全

養蜂活動
養蜂活動

オハイオ州にある四輪製造および研究開発施設(ホンダ・ディベロップメント・アンド・マニュファクチュアリング・オブ・アメリカ・エル・エル・シー)の未使用地には、野生のミツバチが生息しています。ミツバチは、健全な生態系を支えるうえで重要な役割を果たし、顕花植物の約80%の受粉を助けます。ミツバチを守るため、約5haを生息地として維持するとともに、養蜂場をつくりミツバチの研究を支援しています。

〈ブラジル〉テストコースの自然保全

テストコース
テストコース

リオ・プレト・ダ・エバにある二輪車のテストコース(モトホンダ・ダ・アマゾニア・リミターダ)は、アマゾンの熱帯雨林にあります。環境と調和するために、敷地内の約80%(802ha)を法定保護区として維持しています。ここでは農業プロジェクトとして果物や野菜の植え付けのほか、マホガニー、ローズウッド、ブラジルナッツなど、絶滅の危機に瀕している種の再生も行っています。

〈ベルギー〉物流拠点の生物多様性の保全

昆虫のホテル
昆虫のホテル

アールストにある物流拠点(ホンダモーターヨーロッパロジスティックス・エヌブイ)では、生息地の劣化と遺伝的多様性の欠如によって絶滅の危機に瀕しているブラックポプラを植えて、緑地帯を拡大しました。また、池やインセクトホテル(昆虫のホテル)、給餌所を設置するなど、生息環境を整備することで、生物多様性の維持に貢献しています。

〈インド〉生物多様性を考慮した工場緑化

ミニフォレスト
ミニフォレスト

グジャラート州にある二輪車工場(ホンダモーターサイクルアンドスクーターインディアプライベート・リミテッド)の敷地内には、生態系を守る豊かな自然環境づくりをめざして0.4haのミニフォレストを作りました。この森は、「Sanjivani van※2」と名付けられ、24の異なるカテゴリの16,000本以上の木が植えられました。また、食品残渣を堆肥に変換してガーデニングに使用しています。

  1. Sanjivani van:ヒンズー語で、癒しの特性を持つハーブ「サンジバニ」に関連付けられた神話上の森を指し、ヒンズー教の神話で重要な意味を持つ。

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