これまで、Hondaのオフィスツアーでは、先進的な技術研究をしている事業所で、まだ世に出ていない新しいロボットの開発現場の見学に加え、実機に触れてもらう体験や、STEM領域の女性従業員との座談会を行いました。
参加学生の皆さんには、「STEM領域の仕事がこんなに面白いと思わなかった」、「Hondaが目指す未来を想像してワクワクした!」といった、たくさんの声をいただきました。この活動が、学生の皆さんの「何に興味を持ってどんなことにワクワクするのか」といった将来を決めるうえでの気づきに繋がっていれば嬉しく思います。
「Hondaで女性社員は活躍しているのですか?」と聞かれますが、Hondaは幅広い事業を展開し、様々なフィールドでたくさんの女性従業員が活躍しています。
今後も、Hondaの取り組みを知ることができ、「夢」を見つけるきっかけになるような企画を実施していきますので、ぜひHondaの女性エンジニアに会いに、そして生の声を聞きに来てください!
STEMとは、
科学:Science
技術:Technology
工学:Engineering
数学:Mathematics
の頭文字を組み合わせた造語です。これらの分野を横断的に学ぶことで、これからの社会で必要とされる「問題を見つけて解決する力」や、「社会的な価値を創造する力」を育むことをねらいとしています。
2024年11月4日、Honda R&D イノベーションラボTokyo六本木オフィスで、女子中高生を対象としたオフィスツアーを開催しました。当日は18名が参加し、最新のロボット技術体験や女性エンジニアとの座談会を通じて、理系領域の仕事をイメージしてもらいました。STEM領域においても幅広い活躍フィールドがあるHonda。今回、Hondaの技術や実際働くエンジニアと接し、参加者が感じたこととは。当日の様子をご紹介します。
はじめに、Hondaがどんな会社で何をしている会社なのか、担当者のプレゼンからスタートしました。創業者である本田宗一郎が、遠くまで自転車を漕いで買い物へ向かう妻のために自転車用補助エンジンを開発したエピソードに触れ、Hondaが創業期より「大切な誰かを想う」会社であり、「あんなものがあったらいいな、こんなことができたらいいな」と、技術で人の夢をかなえる会社であることを紹介。浜松の小さな町工場で小型の二輪車の製造・販売から始まり、幾度のチャレンジと失敗を繰り返し、やがて四輪やパワープロダクツ、航空、ロボット、そして宇宙…とさまざまな領域で事業を展開する大企業へと成長を遂げたHondaの歴史に、参加者も熱心にスライドを目で追っていました。
一般的にクルマやバイクの会社といったイメージの強いHondaですが、未来につながる研究開発も行っています。その先進的な技術のひとつが、人とわかり合える独自のAI「協調人工知能(CI:Cooperative Intelligence)」を活用したマイクロモビリティです。例えば、「CiKoMa」(サイコマ)」は、必要な時に呼んで乗車し、任意の場所で降車することができ、誰でも手軽に短距離移動できます。また、「WaPOCHI(ワポチ)」は、ユーザーの特徴を画像で記憶・認識し、荷物を載せてユーザーを追従もしくは先導することで、徒歩移動をサポートします。
エンジニアは「高齢化やドライバー不足といった社会課題が深刻化するなか、移動手段が限定される地域でも、移動の足を気にせずどこへでも出かけられるような世の中にしていきたい―」そんな想いで開発に取り組んでいます。
会場には「WaPOCHI」と、兄弟の「S-POCHI(エスポチ)」が登場。実際どんな風に動くのか、エンジニアに教えてもらいながら参加者はさっそく体験してみました。
まずはWaPOCHIから。参加者がWaPOCHIの前に立ち、ユーザー登録をして歩き始めると、WaPOCHIがその参加者を認識し動きます。歩いている途中で他の人が現れてもきちんとユーザーの後をついていきます。後ろを気にしながら歩く参加者の様子は、さながらペットを連れて歩いているかのようです。
次はS-POCHIです。S-POCHIは、ジェエスチャーで動きを操作することができ、前に立って手を左右に大きく動かします。その通りにS-POCHIが動く様子を見て、参加者は喜んでいました。
WaPOCHIやS-POCHIがカメラで人の動きを認識したり、安全に走行したりするのには、さまざまな形でAI技術が使われています。エンジニアが、数学にある統計や確率がAIに関連していることに触れる場面もありました。
では、中高生の今のうちからどんなことが準備でき、どのように努力すれば将来につなげられるのか。現役の女性エンジニアを交えた座談会で聞いていきます。
いよいよオフィスツアー後半の座談会です。参加した女性エンジニアの経歴はさまざまで、学生時代からロボットが好きで機械工学を学び新卒で入社した従業員もいれば、社会に出てからエンジニアを志して独学でプログラミングを身につけ中途採用で入社した従業員もいます。エンジニアになる道はひとつではありません。いろいろなキャリアパスがある現実を目の当たりにし、参加者は新鮮に感じた様子でした。
飛び交う質問は「女性や若者は働きやすいですか?」「グローバルに活躍できますか?」と、HondaのSTEM領域で女性の活躍を問う内容から、「数学はどうやって勉強したらいいですか?」「英語はできた方がいいですか?」といった、勉強の悩みや、これからの学習に関すること。「試験でいい点が取れることよりも、周りと上手にコミュニケーションできる力をつける方が重要」「常に知識をアップデートし続けなければいけないので、自分で学ぶ力と習慣を今からつけておくことが大切」など、実体験を交えたアドバイスには、参加者も深くうなずいていました。
さらに質問はプライベートの過ごし方から趣味の話にまで及びました。座談会は、進路のこと、仕事のこと、現役のエンジニアに根掘り葉掘り聞ける貴重な機会。参加者から多くの質問が出て、急遽時間が延長されました。参加者は「緊張もしたけど、女性だけの雰囲気だったから思い切って質問ができた」と嬉しそうに語っていました。
最後に、担当者が「Hondaはグローバルに幅広く事業を展開し、多くの女性従業員が、STEM領域をはじめ活躍しています。いつかみなさんが、あの時行ったHondaって面白かったなあと、思い出してくれることを祈っています」というメッセージで締めくくり、オフィスツアーは終了しました。
参加者の声
Hondaの未来をつくる仕事が想像を越えていて、かっこいい仕事だと思いました。薬学系に進みたいと思っていましたが、機械工学やプログラミングにも興味が出てきました。
今日は来て本当に良かったです!こんな楽しそうに働けるんだとわかって、将来に希望が持てました。大学ではAIを勉強して、自分が好きな他の分野とAIをかけ合わせられるようになりたいです。