Special Interview

女性営業スタッフが
業界の常識を変えていく。

自動車販売会社では、近年、徐々に女性営業スタッフが増えつつあります。話しかけやすい雰囲気やきめ細やかな対応で、お客様と信頼関係を築く――。その活躍は、男性中心だった業界の常識を変えはじめています。営業職を志望して、Honda Cars に入社した女性スタッフとその店長に、仕事のやりがいを語ってもらいました。

コミュニケーションを通して
個性と長所を育てる

才願 未来
私は、人と話すことがすごく好きで、まず営業職に就きたいと思ったんです。でも、就職活動を始めてみたら、お客様と話したいなら、事務職もあるよと、勧められたこともありました。それでも、責任の大きさや、お客様に「あなたのおかげだよ」と言われる喜びが魅力だと思って営業職を選びました。
檜山 貴史
私は店長の経験も長いのですが、才願さんが入社してくるまでは、ずっと男性や中途入社の営業スタッフの指導しかしていませんでした。そこに初めて新卒女性の部下ができて、扱い方が分からないというか……若干の戸惑いはありましたね。
才願 未来
(笑)
檜山 貴史
それでも、3か月くらい指導する中で、男性と分けへだてなく接しても大丈夫だと思うようになりました。スタッフ一人ひとりと面談の時間を持つようにしているのですが、才願さんは根性があるし、へこたれないということも分かってきたんです。
才願 未来
女性だからと特別扱いはされませんでしたが、かなり手塩にかけて育てていただいたなと思います。新卒でなにも分からない中で、店長や先輩からたくさんアドバイスをもらいました。
檜山 貴史
細やかな気配りが女性営業スタッフの良さだと思うんです。また、お客様が男性でも女性でも、相手の心に入りこみやすいのは女性営業スタッフの強みですね。
才願 未来
店長には、「特にこういうところに注意したらさらに喜ばれると思うよ」とアドバイスをいただきました。たとえば、新規でご来店くださったお客様にお礼状を書いたり、誕生日が分かるお客様なら、はがきや電話でお祝いのメッセージをお伝えしています。
檜山 貴史
才願さんは、元気で明るくお客様に接し、声のハリや笑顔もいいので、お客様に受け入れられやすいんです。営業は、「初見で第一印象の80%が決まる」とよく言われますが、その第一印象の伝え方に秀でていますね。さらにお礼状を書くことで、相乗効果で印象がいいんですよ。

これからも付き合いたい
と思われること

才願 未来
クルマの知識やエンジンの話だと、どうしても男性スタッフには負けてしまいます。今から勉強してもすぐには追いつけない部分だと感じているので、差別化するには人間性しかないかなと。お客様と信頼関係を築くために笑顔でいたり、元気よく振る舞うことを心がけています。
檜山 貴史
Hondaのクルマは、他店でも他のスタッフでも販売できる商品。だから、才願さんには、「私から買ってください」と伝えられなければ、お客様の心に響かないとよく言っています。
才願 未来
ただ、私はお客様に対する押しは弱いと思うんです。だから、「また次に来るわ」といわれることも多くて。
檜山 貴史
そういうふうには思っていないです。むしろ、アポイントは確実にとれる。お客様も必ずまた来てくださるし、けっこう時間をかけてご成約いただけたり。数か月も間が空いたのに決まったとか、びっくりさせられますよ(笑)。
才願 未来
以前、ミニバンで悩んでいたお客様がいらして、他メーカーの新車を見ないと決められないと言われたんです。それで、お客様にライバル車の情報もお持ちしていました。そうしたら、最初のご来店から半年後に、オデッセイをご成約いただいて。
檜山 貴史
こちらで分かる情報は調べてお客様にご提供することで、また1回お会いできますし、お客様への優しさですよね。今後も良くしてくれそうだと感じていただくことが差別化だと話しました。そういうことを、才願さんはきっちりやってくれますね。
才願 未来
その時のお客様とお会いすると、「あの時、あのタイミングで才願さんから買ってよかった」と言ってくださるんです。そういう言葉を聞くと、営業職に就いてよかったと思いますね。
檜山 貴史
営業職は目に見える部分では販売台数とインセンティブだと思いますが、お客様の感謝の言葉や支えがあること、お客様の期待に応えることが喜びだと思いますね。いい顔をしたいんですよ、営業って。お客様にもお店にもいい提案ができたときが営業職のやりがいだと思いますね。

店舗スタッフ全員で
お客様をお守りしていく

檜山 貴史
昔の営業スタッフは一匹狼で、最初から最後まで自分でやらないとというイメージでしたが、暇な人と忙しい人が出てしまう。それではいけないというところから、誰が何をやってもいいと思うようになりましたね。今は、仕事はシェアすることで店舗全体がうまく回ると考えています。
才願 未来
私も入社当初は、担当するお客様がいなくて手が空いてしまうことがあったんです。私が他の忙しい営業スタッフの代わりにお客様のご対応をすれば、そのスタッフが別の商談ができます。逆に私ひとりでバタバタしているときも、他の営業スタッフが「やっておくよ」と言ってくれるので、すごく助かっていますね。
檜山 貴史
手が空いていれば、担当の営業スタッフでなくても、お客様に契約書にサインをいただいたり、保険のご提案をします。サービススタッフもしかりで、担当の営業スタッフがいなくても、直接お客様と関わる機会が出てきています。それによって、すべてのお客様とすべてのスタッフがつながれると思うんです。
才願 未来
お客様にも、「申し訳ございません、他のスタッフがご対応させていただいてもよろしいですか?」とお声がけすると、イヤだという方は滅多にいらっしゃらないです。お客様がスタッフすべてと顔見知りなので、「いいよ」と言ってくださいますね。
檜山 貴史
これから才願さんには、女性営業スタッフが憧れるようなロールモデルを目指してほしいと期待しています。今後もっと女性営業スタッフが増えると、自動車業界全体の営業のイメージが変わってくると考えています。女性ならではの長所を発揮できる職種であることがどんどんひろがっていけばと思いますね。
才願 未来
店長だけでなく、先輩の営業スタッフにも、ロールモデルを目指してといわれるんです。応援してもらったり期待してくれていると感じます。後輩ができたら、店長に教わったことをしっかり伝えていきたいですね。
檜山 貴史TAKASHI HIYAMA
1989年入社
店長
高校時代の友人の誘いで、未経験の営業職へ転職。それ以来、Honda一筋28年のベテラン。店長経験も10年を迎え、店舗の運営だけでなく、若手スタッフの育成にも力を入れている。
※2017年3月時点です。
才願 未来MIKU SAIGAN
2015年入社
営業スタッフ
人と話すことが好きだったことから、営業職を志望。事務スタッフに比べて責任や裁量が大きいことや、お客様に直接お礼を言ってもらえることが、仕事の魅力とやりがいにつながっている。
※2017年3月時点です。