三次元集電体及び無機バインダーを用いた高目付シリコン負極
動画引用元論文
三次元集電体及び無機バインダーを用いた高目付シリコン負極
- 著 者
- 田中 俊充、田名網 潔、磯谷 祐二、向井 孝志、池内 勇太
- 収 録
- Honda R&D Technical Review Vol. 34, No. 1, p. 63-70
- 発 行
- 2022年3月
- 要 旨
- リチウムイオン二次電池の高エネルギー密度化を実現すべく、三次元集電体及び無機バインダーのSi負極への適用検討を実施した。試験実施にあたり小型セルでの試算を実施、通常の塗工電極に対しエネルギー密度の観点で優位性があることを確認した。
6.0 mg/cm²程度の目付け量において作製した電極(密度0.05 g/cm³)を用い、無機バインダーの効果を確認したところ、無機バインダー無し品ではエージング工程2サイクル目まで容量維持率が25%以下まで低下してしまう一方、無機バインダー併用品では、50サイクルの時点の容量維持率が78%であった。次に高エネルギー密度化のため電極プレスをおこない、得られた電極(密度0.17 g/cm³、0.59 g/cm³)を用い同様のサイクル試験を実施したところ、0.17 g/cm³品では未プレス品と容量維持率が同等であった一方、0.59 g/cm³品では容量維持率が46%まで低下した。
試験後電極の断面観察の結果、期待通り電極体の膨張収縮が抑制できていた一方、合剤層と集電箔界面間にクラックが存在し、そのクラック量が0.59 g/cm³品の方が多いことを確認した。
Speaker

田中 俊充 / Toshimitsu Tanaka
その他 執筆論文(共著含む)
三次元網目構造電極を適用した高容量リチウムイオン電池の内部抵抗低減
- 著 者
- 田名網 潔、田中 俊充、磯谷 祐二、青柳 真太郎、細江 晃久、竹林 浩、奥野 一樹、山本 琢磨
- 収 録
- Honda R&D Technical Review Vol.33 No.1, p.66-77
- 発 行
- 2021年3月
- 要 旨
- リチウムイオン電池のエネルギー密度の向上を目的に,金属の三次元網目構造体を集電体に適用し,正極の改善検討を小型セルで,体積エネルギー密度の向上の実証を積層セルでおこなった.
小型セルでは,正極の二つの課題に対し対応策を実施し,その効果の確認と要因を整理した.一つ目の課題は,集電体と活物質の間の接触性の向上であり,集電体表面を導電性カーボンで被覆することで対応した.二つ目の課題は,活物質間の電子伝導パスの形成の向上であり,微粒導電助剤を分散液で適用することで対応した.その結果,いずれの課題対応策においても,抵抗抑制と耐久性向上の効果を確認することができた.また,その要因を把握するために,SPM測定による活物質の導電性評価を実施した結果,電子伝導パスの断裂を抑制しているためであることを確認した.
積層セルでは,電極の厚膜化により,その積層数を削減できた結果,セルエレメントの体積エネルギー密度が集電箔電極セルの614 Wh/Lから,三次元網目構造電極セルにより674 Wh/Lと9.8%の向上を確認した.