カーボンニュートラルの実現
次世代燃料電池モジュール骨格進化と適用拡大
Hondaは2050年にHondaの関わるすべての製品と企業活動を通じて、カーボンニュートラルの実現を目指しており、その実現に向け、いち早く水素の可能性に着目し、30年以上にわたり水素技術や燃料電池の研究・開発に取り組んでいます。
本テーマで取り組んでいる次世代燃料電池モジュールは、CR-V e:FCEVに登載されている、ゼネラルモーターズ(GM)と共同開発した現行モデルの次世代となるモデルで、Hondaが独自に開発した燃料電池モジュールです。定格出力150kWを実現するほか、現行モデルに対して製造コストを半減し、耐久性を2倍以上に向上します。また、容積出力密度を3倍以上に高めて小型化を実現したことで、搭載レイアウトの自由度が向上しています。
Hondaは、次世代燃料電池モジュールの搭載・適用ドメインや販売地域を拡大していくことで、持続可能なエネルギー社会の実現への更なる貢献を目指していきます。
ディーゼル同等のサイズと生涯コスト(初期コスト、効率、耐久)を実現する事で、既存アプリの開発ミニマムで、エネルギーを必要とするあらゆる場所やモビリティのカーボンニュートラルを実現する

燃料電池モジュール適用拡大
水素は、素材の原料としての利用に加え、直接燃焼による熱源や発電、さらには燃料電池を通じた電力変換など、さまざまな活用方法があるエネルギーです。
Hondaは、これらの中でも特に高効率で水素を活用できる燃料電池(FC)にいち早く着目し、継続的に研究を進めてきました。
運輸分野では、乗用車のCO2排出ゼロを目指してバッテリーEV(BEV)の普及が進んでいます。しかし、トラックなど大量のエネルギーを必要とする車両では、大容量バッテリーの搭載が求められるため、車両の重量が増加するという課題があります。こうした分野においては、水素エネルギーの利点が活かされると考えています。
また、非常用電源として広く使われているディーゼル発電機の代替としても、再生可能エネルギーにより生み出される場合など、水素ははクリーンなエネルギーとして活用できる可能性があります。さらに、建設機械など高出力を必要とする機器も、重点分野の一つと位置づけ、積極的に取り組んでいます。
高い容積出力密度※

容積出力密度が高いこと、つまりコンパクトにできる点は、大きな強みだと考えています。Hondaは、お客様がより搭載しやすい形状・サイズを目指して開発を進めています。
たとえば大型トラックでは、1基だけでは出力が不足するため、燃料電池を複数連結して使用する必要があります。そしてそれらを、現在はエンジンが搭載されている、キャビン下の限られたスペースに収めることが求められます。
これまでも、乗用車のフロントフード下にFCモジュールを搭載してきた経験があり、そうしたパッケージングのノウハウがHondaにはあります。コンパクトに構成する技術は、MM(Man maximum Mech minimum)思想を掲げるHonda の得意とする分野です。
※ 容積出力密度:単位容積あたりから出力できる電気エネルギー
優れた耐久性

Hondaのモジュールは、耐久性が強みと考えています。燃料電池の性能劣化や膜劣化を予測するために特性モデルを構築しますが、テストベンチデータだけではその信頼性に大きな課題があります。我々Hondaでは、CLARITY FUEL CELLの開発経験に加え、昨年上市しましたCR-V e:FCEVの実車運用データを劣化モデルに入力し、そこから計算される劣化予測量と実績をリアルタイムで自動監視しております。それらデータを蓄積し包括的に機械学習による解析を行うことでモデル精度を向上させ、次世代開発へフィードバックすることでより信頼性の高い燃料電池モジュール開発を実現しています。
エネルギーを必要とするあらゆる場所やモビリティのカーボンニュートラルを実現する
Hondaは2050年にHondaの関わるすべての製品と企業活動を通じて、カーボンニュートラルの実現を目指しており、その実現に向け、いち早く水素の可能性に着目し、30年以上にわたり水素技術や燃料電池の研究・開発に取り組んでいます。
本テーマで取り組んでいる、Hondaが独自に開発している次世代燃料電池モジュールは、定格出力150kWを実現するほか、現行モデルに対して製造コストを半減し、耐久性を2倍以上に向上します。また、容積出力密度を3倍以上に高めて小型化を実現したことで、搭載レイアウトの自由度が向上しています。ディーゼル同等のサイズと生涯コスト(初期コスト、効率、耐久)を実現する事で既存アプリの開発ミニマムで、エネルギーを必要とするあらゆる場所やモビリティのカーボンニュートラルを実現していきたいと考えております。
Hondaは、次世代燃料電池モジュールの搭載・適用ドメインや販売地域を拡大していくことで、持続可能なエネルギー社会の実現へのさらなる貢献を目指していきます。燃料電池モジュール活用のコアドメインとして、燃料電池自動車(FCEV)に加え、商用車、定置用発電機、建設機械の4つを定め、水素事業を新たな事業の柱として成長させるべく、事業機会の拡大に取り組んでいきます。