社会貢献 2025.01.31

公式キャラ「できるニャン」が紐解くHondaの安全運転普及。「交通安全かるた」や啓発活動の狙い

公式キャラ「できるニャン」が紐解くHondaの安全運転普及。「交通安全かるた」や啓発活動の狙い

 POINTこの記事でわかること

  • 1970年に安全運転普及本部が設立されて以来、Hondaは交通安全の啓発活動を積極的に実施している
  • 「Honda交通安全かるた」は交通ルールやマナーについて、日常の中で楽しみながら繰り返し学べる
  • Hondaは国内にとどまらず、2024年3月時点で世界43の国と地域で安全運転普及活動を実施している

2050年に全世界で「Hondaの二輪車、四輪車が関与する交通事故死者ゼロ」を目指すHonda。その目標を本気で達成するためには、自動運転などのクルマの進化だけでなく、世界中の人々に向けた交通安全の啓発活動も必要になります。そうした活動を主導しているのが、Hondaの安全運転普及本部です。子どもたちに覚えてほしい交通ルールやマナーが学べる「Honda交通安全かるた」の制作などをはじめ、さまざまなアプローチで交通安全の普及に励んでいます。どんな想いで、どのような啓発活動を展開しているのでしょうか。Hondaの交通安全啓発キャラクターである「できるニャン」が、安全運転普及本部の担当者に話を聞きました。

できるニャン

Honda 交通安全啓発キャラクター もっと見る 閉じる できるニャン

身長は105.2cm。人間だと55歳くらい。好きな食べ物はイワシとほっけの一夜干し。趣味はダンス、日向ぼっこ。お腹が弱いため、腹巻きをしている。座右の銘は「一瞬の輝きのために」。

閉じる
本間 友望

安全運転普及本部 業務管理課 もっと見る 閉じる 本間 友望

2021年、入社。安全運転普及本部にて交通安全情報紙「SJ (Safety Japan / セーフティジャパン)」をはじめとした発信業務を担当。

閉じる

2050年に交通事故死者ゼロへ。1970年からスタートしたHondaの歩み

できるニャン
できるニャン

こんにちは! はじめましての方も多いかニャー?

 

おっちゃんの名前は「できるニャン」! Hondaの安全運転普及活動をたくさんの人に知ってもらうため、あちこち忙しく駆け回っているネコなんよ。仲よくしてニャ!

Hondaの交通安全啓発キャラクター「できるニャン」 Hondaの交通安全啓発キャラクター「できるニャン」
できるニャン
できるニャン

今日は「Honda交通安全かるた」のことや、交通安全に対するHondaの取り組みについて、安全運転普及本部の本間さんにいろいろ話を聞いてみるで! まずは、Hondaの安全運転普及活動の歴史について教えてくれるかニャ?

本間
本間

もちろんです! Hondaが交通安全のための啓発活動に取り組み始めたのは、今から50年以上前のことです。そして、私たちの所属している「安全運転普及本部」という部署ができたのは1970年でした。

 

交通事故は「人」「車」「環境」の3つのバランスが崩れたときに起こると言われています。当時の日本は、高度経済成長期のマイカーブームによって運転免許を持つ人が急増した一方で、このバランスが崩れたことによって交通事故での死者が増加してしまい、大きな社会問題になっていました。そんな状況を前にした当時の社長・本田宗一郎と副社長・藤澤武夫が「交通事故は、安全な車両を提供することだけではなくならない。正しい乗り方をきちんと伝えていくことも、我々の責任だ」と考えて立ち上げたのが、安全運転普及本部だったんです。

できるニャン
できるニャン

ニャンと、そんな昔からあったんやな……!

本間
本間

Hondaは「2050年に全世界で、Hondaの二輪車と四輪車が関与する交通事故死者ゼロを目指す」という目標を掲げ、「人の能力(啓発活動)」「モビリティの性能(技術開発)」「交通エコシステム(協働、システム/サービス開発)」の3点を「Honda安全3つの要素」として、個々に進化させています。また、これらを組み合わせることで、より効果的に事故を未然に防ぎたいと考えています。

Honda安全3つの要素 Honda安全3つの要素
本間
本間

このうちの「人の能力」を担っている部署の一つが、安全運転普及本部です。車の運転者だけでなく歩行者や自転車の利用者も含め、すべての交通参加者に向けて、交通安全に必要な知識や正しい運転の仕方、持つべき思いやりなどを、さまざまなかたちで伝えています。

できるニャン
できるニャン

「自由な移動の喜び」を誰もが感じられるように、「交通事故死者ゼロ社会の実現」を本気で目指して、日々頑張ってるんだニャ!

できるニャンも登場する「交通安全かるた」をつくった理由とは?

できるニャン
できるニャン

さて、その活動の一貫として、今回ぜひ紹介したいのが「Honda交通安全かるた」ニャンよ! このかるたは、楽しみながら交通安全を学べるんや!

安全運転普及本部が子ども向けにつくった「Honda交通安全かるた」 安全運転普及本部が子ども向けにつくった「Honda交通安全かるた」
本間
本間

できるニャンが言ってくれた通り、「Honda交通安全かるた」は、交通安全のために覚えておきたい45の交通ルールやマナーを、かるたで遊びながら学べる教材になっています。絵札と読み札の裏面に「交通ルールやマナーについて」の解説がわかりやすく書いてあり、守ってほしいお約束もセットで覚えることで、より交通安全の意識を高める効果を狙っています。

「あ」の絵札。左が表面で、右が裏面 「あ」の絵札。左が表面で、右が裏面
「あ」の読み札。左が表面で、右が裏面 「あ」の読み札。左が表面で、右が裏面
できるニャン
できるニャン

そういえば、なんでかるたをつくろうと思ったのかニャー?

本間
本間

安全運転普及本部は、1980年代から子ども向けの交通安全教育プログラムをたくさん制作してきました。ただ、これまでは学校やイベント会場での交通安全教室など、限定的に使う教材がほとんどでした。そこで「交通安全教室などの限られた機会だけではなく、もっと子どもたちが日常の中で楽しみながら、継続して繰り返し学べる機会を提供したい」と考え、試行錯誤の末にできたのが、こちらのかるたなんです。

できるニャン
できるニャン

なるほどニャ! みんなが楽しく学べるよう、おっちゃんも一肌脱いで、絵札に登場してるんやで。ぜひ探しながら遊んでくれたらうれしいニャ!

Hondaが交通安全の啓発で大事にしている「2つの軸」

できるニャン
できるニャン

ちなみに、安全運転普及本部って、他にはどんな活動をしているニャー?

本間
本間

これまでに安全運転普及本部は「危険を安全に体験する参加体験型の実践教育」と「人から人への手渡しの安全」という活動原則に基づいて、啓発活動を実施してきました。

 

まず前者については、創業者である本田宗一郎の「危険を安全に体験させることが、(交通安全教育において)大事なことだ」という考えに基づいて、全国7カ所にあるHondaの「交通教育センター」で体験型の学習プログラムを提供しています。専用のコースの中でのバイクやクルマの運転、シミュレーターを使った体験を通して、正しい運転の仕方や危険なシチュエーションでの対処法を、専門のインストラクターの指導のもとで安全に学ぶことができます。

Hondaの交通教育センター。運転のスキルアップから運転復帰支援、オーダーメイド可能な企業ドライバーの運転研修まで、参加体験型の実践教育を各種実施している

Hondaの交通教育センター。運転のスキルアップから運転復帰支援、オーダーメイド可能な企業ドライバーの運転研修まで、参加体験型の実践教育を各種実施している

本間
本間

一方、後者の「人から人への手渡しの安全」についてですが、安全運転普及本部は人から人へ直接メッセージを伝えることも大切にしています。販売店でお客様に正しい乗り方や安全の知識をお伝えしたり、行政・学校・企業などと協力しながら、子どもから高齢者まで各年代に応じた交通安全の啓発活動をしたりと、幅広い地域で実施しています。

できるニャン
できるニャン

おっちゃんと同じように、さまざまな場所でいろんな人たちに「交通安全をみんなで実現していこう」って呼びかけているんだニャ。

本間
本間

私たちはこの活動原則を基に、交通安全教育の指導者を養成する「人づくり」、交通安全が学べる機会を提供する「場づくり」、学習効果が高まる教材や機器を生み出す「教育プログラム開発」という3つのアプローチを展開しています。

 

安全運転普及本部の活動を含むHondaの安全技術や安全運転に対する取り組みは、交通安全情報紙『SJ』や安全運転情報誌『Think Safety』という冊子を通して、皆さまにお届けしています。

できるニャン
できるニャン

『SJ』と『Think Safety』はおっちゃんも愛読しとるけど、それぞれのウェブサイトではバックナンバーも全部読めるし、記事の内容を動画で詳しく解説しているコンテンツもあるんやで! 気になる方はチェックしてみてニャ!

左から、交通安全情報紙『SJ』と安全運転情報誌 『Think Safety』 左から、交通安全情報紙『SJ』と安全運転情報誌 『Think Safety』

すでに国内外1,000万人以上に提供。世界も意識した交通安全啓発

できるニャン
できるニャン

Hondaはいろんなかたちで交通安全の啓発活動を長年続けているわけやけど、どんな成果が出ているのか教えてほしいニャー!

本間
本間

私たちは日本だけでなく世界中にも活動を拡げていて、2024年3月時点で世界43の国と地域で安全運転普及活動を実施しています。

 

日本においては、交通教育センターをはじめ、地域の指導者や関係会社の皆様と協力しながら、これまでに679万人以上の方々に交通安全教室や体験型学習にご参加いただいています。海外においては、とくに交通事故の多いアジア諸国で、日本で培った人材育成や教材づくりのノウハウ提供などを積極的に行い、2023年度は約450万人の方々に私たちが提供する教育プログラムを受講していただきました。

 

警察庁の統計によれば、1970年には国内で16,765人いた交通事故死亡者数※1が2024年には2,663人※2となり、約6分の1にまで減少しています。もちろん、これは私たちの活動だけでなく、法改正やインフラ整備、救命体制の進歩や安全技術の進化など交通安全に関わるすべての人たちの尽力によって成し遂げられてきたことは言うまでもないのですが、我々の活動が少しでも役に立っているのであれば、これからの励みになりますね。

できるニャン
できるニャン

おっちゃんも引き続きあちこち飛び回って、「交通事故ゼロ社会の実現」のための教育や情報発信のお手伝いを頑張っていくで! 最後に本間さんからも、Hondaがこれからどのような想いを持って、交通安全の啓発活動を広げていこうとしているのか、ぜひお伝えしてほしいニャン!

本間
本間

Hondaの安全に対する姿勢はHondaの基本理念である「人間尊重」という考えに由来しています。あらゆる立場のすべての人がかけがえのない存在であるという前提に立って、すべての人が心から安心して、好奇心に導かれながら自由に移動できる「事故に遭わない社会」を実現させるため、私たちはこれからもたゆまなく、交通安全の啓発活動に尽力していきます。2050年の目標に向けて、さまざまな活動を広げていこうと思っているので、ぜひ皆さんも興味を持って参加していただけたらうれしいです。

※1 内閣府「道路交通事故の長期的推移」第1節、第1-1図

※2 警察庁「令和6年中の交通事故死者数について

 

YouTubeの本田技研工業株式会社(Honda)の公式チャンネルでは、「できるニャン」による安全運転のアドバイス動画もアップしています

▼「Honda交通安全かるた」の詳細&ご購入はこちら
https://global.honda/jp/safetyinfo/karuta/

この記事は面白かったですか?

  • そう思う
  • どちらともいえない
  • そう思わない

今後の改善の参考にさせていただきます!

Index