Hondaは1970年に安全運転普及本部を設置し、クルマとバイクを販売するメーカーの社会的責任として時代時代に合わせた安全運転普及活動を行ってきました。そのなかで近年、運転者だけでなく、歩行者や自転車利用者など交通社会に暮らすすべての人へ交通安全教育を届けるために、全国5箇所にあるHondaの生産拠点である製作所に2008年から地区普及ブロックを設置しました。その発足当初の様子を、浜松普及ブロックの錦織ブロックリーダーらの話を交えて紹介します。
Hondaは1970年に安全運転普及本部を設置し、クルマとバイクを販売するメーカーの社会的責任として時代時代に合わせた安全運転普及活動を行ってきました。そのなかで近年、運転者だけでなく、歩行者や自転車利用者など交通社会に暮らすすべての人へ交通安全教育を届けるために、全国5箇所にあるHondaの生産拠点である製作所に2008年から地区普及ブロックを設置しました。その発足当初の様子を、浜松普及ブロックの錦織ブロックリーダーらの話を交えて紹介します。
日本に本格的なモータリゼーションが到来し交通事故死者数が増大するなか、Hondaは「耐久消費財であるクルマは、ハードウェアとしての安全性を保証するだけでなく、使用者に対して、正しく楽しい乗り方といったソフトウェアを加えて初めて商品になる」との考えのもと、1970年に安全運転普及本部を設立しました。
そして80年代、急増したバイク事故に対応し「セーフティアップ作戦」※1を展開。Hondaモーターサイクリスト・スクール(HMS)の活動を強化しました。90年代は、二輪に代わり四輪車の交通事故が社会問題化。その対策として、Hondaドライビング・スクール(HDS)を開始し、販売会社でセーフティコーディネーター※2の養成、小学生の交通事故軽減をめざす教育プログラム「あやとりぃ」の開発などを行いました。
※1セーフティアップ作戦:1980年代に行われたHondaの安全運転啓発キャンペーン
※2セーフティコーディネーター:お客様に店頭などで安全アドバイスが出来るHonda社内資格
2000年代になると、高齢者や自転車利用者の事故への注目が高まりました。そのなかでHondaは、子どもから高齢者まで全世代に対する生涯教育に取り組む方針を固めました。そして、より多くの人に安全を届けるため活動エリアを拡大。バイクやクルマを生産する全国5箇所の製作所に地区普及ブロックの設置を計画。5つの地区普及ブロックを拠点に、各地域で交通安全教育に携わる指導者を育成するほか、自治体・警察などと連携しながら交通安全教育を実施できる基盤の整備・定着に着手したのです。
地区普及ブロックは、まず2008年4月に熊本製作所に、その後2009年に栃木・埼玉・浜松・鈴鹿の各製作所に設置されました。浜松普及ブロックでは、交通安全教育の手がかりを得るために、地元の警察署を訪ねました。そして、警察官ではなく交通安全指導を行う「交通安全指導員」という存在を知ったのです。そこで、指導のノウハウを得るために、幼稚園、小・中学校で行われていた指導員の教室を見学することから活動を開始。こうした浜松の事例のように、各地区の普及ブロックは、周囲の人たちの力を借りながら、自分たちに何ができるのかを考え、行動に移していったのです。
当時鈴鹿にあったモビリティ研究会※では、Hondaの自転車シミュレーターの活用や 小学生向けの交通安全教育プログラム「あやとりぃ」の開発・運用を行っていました。 そこで浜松でも自転車シミュレーターを使うということを考え、鈴鹿に相談し一台貸与してもらったのです。
そして、交通安全指導員と相談して地元の浜松市から、自転車シミュレーターを使った交通安全教育活動を展開する方針を決定。Hondaの細江船外機工場の近くにある、気賀高校の文化祭での教室開催を皮切りに活動をスタートさせました。
※モビリティ研究会:市内の交通環境の整備を通して交通事故を減らそうという目的のもと、鈴鹿警察署、鈴鹿市役所、Honda鈴鹿製作所が協力して行われたプロジェクトグループ