使用者※の体重の一部を機器が支えることで、脚の筋肉と関節(股関 節、ひざ関節、足首関節)の負担を軽減する。機器は主に、シートとフレーム、靴で構成されるシンプルな構造となっており、靴を履き、シートを持ち上げるだけで、手軽に装着することができる。また、Honda独自の、人の重心方向へアシスト力を向かわせる機構と、脚の動きに合わせたアシスト力の制御により、様々な動作・姿勢での自然なアシストを可能とした。
※自力での歩行が可能な人重量は靴とバッテリーを含めて約 6.5 kg。機器が機器自身も持ち上げる構造のため、使用者に重さを感じさせにくい。しかも両足の間に配置する構造のため、方向変換などの動作で抵抗が少ない。
2008年11月時点 試作機
体重支持型歩行アシストの使用開始、終了シーンをムービーでご紹介します。
椅子に座り、機器の靴を履きます。
フレーム部分に付いたスイッチで電源を入れます。
両足の間からシートをまたぐようにして、ハンドルを引き上げることでアシストが自動で入りスタートです。
椅子の前で電源を切り、シートをおろしながら椅子に座ります。
靴を脱いで終了です。
体重支持型アシストを装着して歩く様子をムービーでご紹介します。
自転車に乗っているような感覚とともに、体重を支えられながら歩いて行くことができる。
上りは、あたかも体重が軽くなったような感覚で、下りは、ひざなどの負担が少なくなるアシストが実感できる。横歩きの上り下りも可能。
横歩きや斜め歩き、方向変換など複雑な足の動きにもスムーズに対応する。しゃがんだ姿勢ではより強いアシストになる。
犬と一緒に歩くといった予測できない複雑な動きにも、柔軟に対応できる。
生産現場においての、立ち仕事や中腰作業、また階段を使った配達などで脚の負担軽減と疲労軽減を期待。
階段や坂道が多い町での手軽な日常の移動手段として。「階段が上がれる電動アシスト自転車」のようなイメージ。
長時間の待ち行列やレース観戦などでの、負担軽減に活用。また、階段や坂道の多い観光地での移動手段。
機器の有効性の検証を開始しました。この映像はHonda埼玉製作所で撮影した検証イメージです。立ち姿勢での部品の運搬などの繰り返し作業や、検査などの中腰姿勢を含む立ち作業における疲労軽減効果の確認や使い勝手を検証し、そこで抽出された課題をもとに機器を改良していきます。
使い始めた瞬間に瞬間に伝わってきたのはまさに新しい乗り物に乗る感覚です。歩いていくと、地面からなにか力がつたわってくるような感覚がありました。その場で360度回るように歩いてみたりと、意図的に狭い範囲の中で、複雑な動きをしてみましたが、驚くほどに、細かい脚の動作にも、自然に機器がついてきて、日常の動作にも、かなり柔軟に対応できることを実感しました。
機器を目の当たりにすると装着が難しいイメージがありましたが、靴を履いて機器を引き上げるのみで、驚くほど簡単な装着が印象的です。歩行中は、体重を真下から支えられているイメージで、体重が少し軽くなった感じがしました。また、落ちたモノを拾う動きにも機器の脚の部分やシート部分は体にしっかりフィットしており、股を開かずしゃがむ姿勢が可能なのには驚きました。自分の脚で移動しているだけですが、機器が支えてくれることで、まるで第二の脚がある感じですね。
180cmの私でも小さ過ぎることはなく、股下にピタッとフィットしました。装着するとすぐに下から支えられている力を感じました。ただし完全に腰掛けているのとは違い、自分の脚で立っている感覚はありました。歩行時も継続して下から支えられているのを実感できます。アシストのシートやフレーム部分は歩行の際、邪魔に感じませんでした。中腰やしゃがんでから立ち上がる動作がかなり楽に感じました。階段も楽に上れましたが、下る際は若干ぎこちなさを感じ、ある程度慣れも必要かなと思ったところに、クルマやバイクに慣れていくことに近い感覚を感じ、なんだか楽しくなりました。