開催日:2017年6月8日(木)
益城町立広安西小学校 益城町立飯野小学校
大津町立室小学校
晴れ
Hondaも菊池郡大津町に熊本工場があり、震災当事者として現場のニーズに対応した支援を続けています。それと同時に、被災地の子ども達へ夢や希望を持ってもらいたいという願い込めた心の支援を行いました。
「ASIMO特別授業」は、熊本の子ども達にどんな笑顔をもたらしたのでしょうか。さっそく授業を覗いてみましょう。
熊本の子ども達に笑顔と勇気を!「ASIMO特別授業」
今回の「ASIMO特別授業」は、益城町の広安西小学校と飯野小学校の合同授業と、大津町の室小学校の2箇所で行い、2日間で合計509名の児童が参加してくれました。
はじめはソワソワしていた子ども達も、ASIMOが登場すると表情が一変!身を乗り出してASIMOの一挙手一投足を食い入るように見ていました。中には不思議そうに下から覗き込む子も。授業では、ASIMOが踊ったり走ったりと、実際のデモンストレーションを交えながら、ASIMOの開発の歴史、そしてメカニズムを解説していきます。中でも一番盛り上がったのが、3人同時に話しかけてオーダーを聞き分けるデモンストレーションです。
その後、先生対ASIMOのPK対決や、ASIMOオリジナルソングを手話を交えてみんなで歌ったりと、大盛況のうちに「ASIMO特別授業」は終了しました。
「ASIMO特別授業」のお話を頂戴した時は、楽しい夢のある素敵な企画だと思いました。今日はじめてASIMOを見て、見た目はロボットでも動きは人間そのものなので、子ども達も「すごいロボットが来た!」と感じたのではないでしょうか。今回、授業を受けて、Hondaの技術者の方々が20年もの間、夢に向かって地道に研究に取り組んだというお話を聞けただけでも子ども達へいい刺激になったと思います。子ども達にも、夢や希望に向かってチャレンジすることの大切さが伝わったのではないでしょうか。
震災直後に比べ、子ども達もだいぶ落ち着きを取り戻してきましたが、今日の「ASIMO特別授業」を通して、子ども達に笑顔をもたらせていただけたのが何よりの支援です。今、この一瞬一瞬を充実させていただけたのが、とにかく嬉しかったですね。未来ある子ども達に“夢を描く”というところに刺激を与えてくれた内容がとてもありがたいと思いました。
熊本の復興に向けて、オール Hondaで行った支援とは
2016年4月に発生した熊本地震において、Hondaは地震発生直後から対策本部を設置し、情報収集と災害支援に向けた対応を開始。熊本の復興に向け、各自治体、団体、老人ホームに対し継続的に人的、物的、金銭的な支援を行いました。その一方、Hondaの熊本製作所(熊本県菊池郡大津町)が震災の被害に遭い生産を一時ストップするなど、震災当事者でもありました。そのような状況の中で従業員は、どのような思いや決意を持って支援活動を行ったのか。当時の状況を、従業員や自治体の方々のインタビューを中心にレポートします。
熊本はもちろん、九州全域においても、今回の規模の震災は初めてでした。本震直後、被災地は物流インフラが寸断し、情報が錯綜する状況に陥りましたが、阪神・淡路大震災や東日本大震災での経験を活かし、早い段階で関係各所に救援物資を直接届けることができました。
物的支援について
食料、飲料、寝具類などの日用品をはじめ、Honda製品も被災地へ送りました。主に、スクーター110台を熊本市、益城町、合志市をはじめとした9つの市町村へ、カセットガスで電気を発電できる防災向け低圧LPガス発電機 (EU9iGB)を南阿蘇の老人ホームへ7台、被災地市町村へ100台、合計107台寄贈しました。また、アクティトラック40台を益城町、南阿蘇村、宇土市など8市町村へ、その他にもFIT EVを3台、アコードPHEVを2台などを熊本県へ無償貸与しました。
混乱した状況の中で、お願いした機材をすぐに届けてくれたおかげで、役場の関係各所に振り分けることができました。迅速に対応してくださって、とてもありがたかったです。
被災地で物資の運搬や資材を運ぶには、軽トラックのような身動きの取りやすい車両が適していたので、Hondaさんの軽トラックや50ccバイクをメインに使わさせていただきました。
当時は、どこに問い合わせても車そのものがなく、軽トラックを手配することができませんでした。そのような中、Hondaさんから軽トラックをお貸しいただけるという話をいただきました。新車の軽トラックが運ばれてきた時は、本当に嬉しかったですね。
社内で有志を募り、軽トラックを各自治体にお届けしたのですが、届けている我々も同じ被災者です。車中泊や避難所生活をしている者もいましたが、「自分たちにも何かできないか」という想いが突き動かしていたと思います。被災地で頑張ってらっしゃる方々の笑顔を見ると、やってよかったと思いますね。
Hondaは軽トラックや50ccバイクなどの製品の支援だけでなく、人的支援、金銭的な支援も継続して行っています。
人的支援について
Honda全体では、「従業員自主取組ボランティア支援プログラム」を適応し、25名の従業員が現地でのボランティア活動に参加。被災地支援熊本分室を4月25日より設置し、行政やメディアへの窓口対応、炊き出しなどに延べ61人の従業員が参加しました。 さらに、武道場などHondaの施設を避難所として被災地の方々にも開放し、約150人の方々にご利用いただきました。
震災後、Hondaにできることは何か、まずはHondaの技術、製品でお役に立ちたいと考えました。それ以外にも、自分達がお手伝いできることを自治体の皆さまと模索し、現場のニーズを吸い上げながら、支援を行いました。
子どもの心のケアについて
Hondaでは熊本県内の小学校で、
・ファンファンクラフトとドリームハンズ(ダンボールクラフト)
・巣箱づくり
など、子ども達の心をサポートする取り組みを実施。
友達と一緒にアイディアを膨らませ、モノづくりの楽しさを体験してもらうことで、子ども達の心を癒し、心身ともに元気になってもらうプログラムを行ってきました。
金銭的支援について
Hondaでは、社会全体の復旧へ向けた取り組みの現況を鑑みて義捐金として熊本県に5000万円の寄付をしています。
震災から1年が経過しましたが、熊本には依然として深刻な影響が残っており、本格的な復興活動もまだこれからの状態で、現在でも多くの支援を必要としております。Hondaは、熊本の一日も早い復興に向けて、これからも支援活動を継続して行っていきます。
震災時には、 Honda 並びに熊本製作所に対し、特に被災地の現場で心温まるご支援や励ましをたくさんいただきました。ありがとうございます。皆さまの力強い応援に支えられ、支援活動を実施することができました。被災地では、まだまだ支援が必要です。Hondaは、未来や次世代の元気につながる“心の復興”を中心に、活動を続けてまいります。
ASIMO特別授業は、Hondaならではのもの。熊本の子ども達を笑顔にしたい!その想いで、企画しました。子ども達に夢や希望持つことの大切さや、夢の実現に向けて挑戦し続けることの素晴らしさ、そして失敗してもチャレンジし続ければ夢は実現するということを伝えたかったのですが、子ども達の笑顔を見ていると、この思いは伝わったかな、と思いましたね。
震災から1年が経ち「モノ支援からコト支援」として、子ども達に思い出に残るような授業ができて本当によかったです。子ども達のキラキラした瞳が、何よりも嬉しかったですね。