マイスタークラブ
Hondaは、学生がチームを組み、フォーミュラカーの製作を通じてモノづくりの総合力を競う「学生フォーミュラ日本大会」を積極的に支援しています。その中でも、Honda OB で結成された技術屋集団「マイスタークラブ」は、机上の研究だけでは学べない「次世代への技術の伝承」を実践し、技術に裏打ちされた経験、知識、知恵を通じて、学生にモノづくりの喜びを伝える活動をおこなっており高い評価を得ています。
マイスタークラブ
Hondaは、学生がチームを組み、フォーミュラカーの製作を通じてモノづくりの総合力を競う「学生フォーミュラ日本大会」を積極的に支援しています。その中でも、Honda OB で結成された技術屋集団「マイスタークラブ」は、机上の研究だけでは学べない「次世代への技術の伝承」を実践し、技術に裏打ちされた経験、知識、知恵を通じて、学生にモノづくりの喜びを伝える活動をおこなっており高い評価を得ています。
マイスターのお二人に
お話をうかがいました!
マイスターのお二人にお話をうかがいました!
マイスタークラブ 飯塚政雄さん
鈴鹿サーキットがオープンした1962年に本田技術研究所に入社し、二輪や四輪車のテスト担当。その後、四輪の冷却性能や動力性能の開発に従事するとともに、開発責任者としてビート(1991)の陣頭指揮をとるなど、車両開発の経験も豊富。マイスタークラブでは、豊富な経験を活かし、発想をカタチにする「モノづくりの喜び」を学生たちに伝えている。
マイスタークラブ 村越弘昌さん
本田技術研究所に入社してから一貫して二輪開発に携わってきたバイクのスペシャリスト。一般向けの商品開発はもとより、モトクロスやトライアルの解析・テストを担当し、アメリカやヨーロッパチームのフォローするため、世界中を転戦するなど、経験してきた領域は広く、深い。マイスタークラブでは品質管理業務の経験を活かした的確な指導が好評。 
マイスタークラブ 飯塚政雄さん
鈴鹿サーキットがオープンした1962年に本田技術研究所に入社し、二輪や四輪車のテスト担当。その後、四輪の冷却性能や動力性能の開発に従事するとともに、開発責任者としてビート(1991)の陣頭指揮をとるなど、車両開発の経験も豊富。マイスタークラブでは、豊富な経験を活かし、発想をカタチにする「モノづくりの喜び」を学生たちに伝えている。
マイスタークラブ 村越弘昌さん
本田技術研究所に入社してから一貫して二輪開発に携わってきたバイクのスペシャリスト。一般向けの商品開発はもとより、モトクロスやトライアルの解析・テストを担当し、アメリカやヨーロッパチームのフォローするため、世界中を転戦するなど、経験してきた領域は広く、深い。マイスタークラブでは品質管理業務の経験を活かした的確な指導が好評。 
チャレンジすることを恐れない次世代のエンジニアを育成したい

「日本のモノづくりを背負って立つような、チャレンジ精神あふれる若者を育てたい」それがマイスターの皆さんの共通の想いなのだと飯塚さんは語ってくれました。では、学生フォーミュラでその"チャレンジ精神"はどのように育まれるのでしょうか。

「私たちは、Hondaでたくさんの経験と挑戦をさせてもらい、知識と技術と知恵を身に付けました。もちろんその間、数多くの失敗をしてきましたし、痛い目にもあいました。いまの学生たちを見ていると、チャレンジすることに少し及び腰になっているように思えます。失敗して痛い目を見るかもしれないと恐がっているだけですので、後ろからちょっと背中を押してあげるようにしています。一歩踏み出せば彼らもできるようになりますし、すると『次もやってみよう』って気になります。

そうやって少しずつ『自分たちでチャレンジしてみよう』とトライ&エラーを繰り返す中で、チャレンジ精神が身についてくるような気がします」と村越さん。小さなトライからチャレンジ精神が芽生えてくることを指導しているんですね。

座学だけではモノづくりはできない!

「マイスタークラブ」では、機械や図面の基礎知識、チーム運営に必要な要素や日程の管理、溶接やFRP成型などの実技、エンジンの構造や整備方法、サスペンションのセッティングなどを、「学生フォーミュラチャレンジ講座」と称して大会参加チームに教えています。機械や図面の基礎を学ぶ座学では、100人規模の学生達に講義を行っていますが、実技では、実践に基づく深い理解を得られるよう、時間の許す限り一人ひとりにきめ細やかな指導を心がけています。これができるのも、知識と経験に富む「マイスタークラブ」だからです。

「私たちはよく、これまで学校で習ってきた知識を使えば、学生たち自身がお金をかけなくても、自分たちで道具を作って作業することができる、ということを教えています。私がHondaに入社したころは、それこそ道具なんて何一つないところで2輪から4輪の開発を行ってきましたので、道具も全て自分たちで知恵を出し合って作ったりしてきましたね。
たとえば、クルマの水平を計測するのであれば、ペットボトルとチューブと水があれば簡単にできちゃうんです。学生たちにそういうのを見せると、『まだまだ自分たちでも、工夫次第でどうにかできるかも』ということに気づいてくれます。

ですので、講座の中では基礎的なことから伝えるようにしていますが、ただ単純に“答え”を教えるのではなく、学生たち自身が学んだことの中から何かしらのヒントが導き出せるよう「気づき」を与えてあげることに気を使っています」と飯塚さん。

何よりも大切な、
現場で得た「知恵」の伝承

「モノづくりは失敗と苦労の連続。学生の時も、会社に入ってでもそれは同じ。だからこそ、『学生フォーミュラ』で学んだことが、形はどうであれ、どこかで活かされていれば、とても嬉しい」と村越さんは話します。「受講している学生は、モノづくりに対する基本的な考え方どころか、最初は工具の名前や使い方すら知らない人も結構多いんです。それでも1年後にあって話しをすると話す内容も理論的で、質問も具体的になっているので、自分たちの伝えたものを吸収して、成長していることを実感します」

マイスター達が教えることは、ごくごく基礎的なものです。例えば「走る、曲がる、止まる」というクルマの基本など、“現場の知恵”が息づく変わることのないもの。そしてそれは、年月を積み重ねてきたマイスターだからこそ、次世代に伝えられることなのです。

「モノづくりに必要なのは、情報と知恵と実行力。情報は、インターネットなどを使えば、今の時代、簡単に得ることができます。しかし知恵と実行力は、モノづくりの現場で、現物を使ってトライ&エラーを繰り返すことでしか得ることができません。われわれは学生に対して基礎的なことやヒントは話しますが、その先は彼ら自身がどうするかしかありません。われわれはそこに手は出せませんし、出しちゃいけないと思っています。
学生たちが現場でいろんなことに直面して、全身全霊で目の前の課題を解決し、また現場で新たな難題に自分たちで取り組む。こうした状況は現場で経験を積むしかなく、まさにHondaの文化である『三現主義※』そのものです。私たちは、知恵を持ち、創造的に考えて行動できる技術者として育ってもらうため、自分達が身に付けた知恵のすべてを受け渡すことができればと思っています。技術の伝承とは、『創造性豊かな知恵のある技術者を育てること』ですから」

※「三現主義」とは、「現場に行くこと」、「現物(および現状)を知ること」、「現実に向き合うこと」の大切さを重視する考え方で、問題解決を図るときの姿勢のひとつ。 「三現主義」によって直接的な経験が問題解決の知恵を生み出すということを、Hondaは大切にしています。

チャレンジすることを恐れない
次世代のエンジニアを育成したい

「日本のモノづくりを背負って立つような、チャレンジ精神あふれる若者を育てたい」それがマイスターの皆さんの共通の想いなのだと飯塚さんは語ってくれました。では、学生フォーミュラでその"チャレンジ精神"はどのように育まれるのでしょうか。

「私たちは、Hondaでたくさんの経験と挑戦をさせてもらい、知識と技術と知恵を身に付けました。もちろんその間、数多くの失敗をしてきましたし、痛い目にもあいました。いまの学生たちを見ていると、チャレンジすることに少し及び腰になっているように思えます。失敗して痛い目を見るかもしれないと恐がっているだけですので、後ろからちょっと背中を押してあげるようにしています。一歩踏み出せば彼らもできるようになりますし、すると『次もやってみよう』って気になります。

そうやって少しずつ『自分たちでチャレンジしてみよう』とトライ&エラーを繰り返す中で、チャレンジ精神が身についてくるような気がします」と村越さん。小さなトライからチャレンジ精神が芽生えてくることを指導しているんですね。

座学だけではモノづくりはできない!

「マイスタークラブ」では、機械や図面の基礎知識、チーム運営に必要な要素や日程の管理、溶接やFRP成型などの実技、エンジンの構造や整備方法、サスペンションのセッティングなどを、「学生フォーミュラチャレンジ講座」と称して大会参加チームに教えています。機械や図面の基礎を学ぶ座学では、100人規模の学生達に講義を行っていますが、実技では、実践に基づく深い理解を得られるよう、時間の許す限り一人ひとりにきめ細やかな指導を心がけています。これができるのも、知識と経験に富む「マイスタークラブ」だからです。

「私たちはよく、これまで学校で習ってきた知識を使えば、学生たち自身がお金をかけなくても、自分たちで道具を作って作業することができる、ということを教えています。私がHondaに入社したころは、それこそ道具なんて何一つないところで2輪から4輪の開発を行ってきましたので、道具も全て自分たちで知恵を出し合って作ったりしてきましたね。
たとえば、クルマの水平を計測するのであれば、ペットボトルとチューブと水があれば簡単にできちゃうんです。学生たちにそういうのを見せると、『まだまだ自分たちでも、工夫次第でどうにかできるかも』ということに気づいてくれます。

ですので、講座の中では基礎的なことから伝えるようにしていますが、ただ単純に“答え”を教えるのではなく、学生たち自身が学んだことの中から何かしらのヒントが導き出せるよう「気づき」を与えてあげることに気を使っています」と飯塚さん。

何よりも大切な、
現場で得た「知恵」の伝承

「モノづくりは失敗と苦労の連続。学生の時も、会社に入ってでもそれは同じ。だからこそ、『学生フォーミュラ』で学んだことが、形はどうであれ、どこかで活かされていれば、とても嬉しい」と村越さんは話します。「受講している学生は、モノづくりに対する基本的な考え方どころか、最初は工具の名前や使い方すら知らない人も結構多いんです。それでも1年後にあって話しをすると話す内容も理論的で、質問も具体的になっているので、自分たちの伝えたものを吸収して、成長していることを実感します」

マイスター達が教えることは、ごくごく基礎的なものです。例えば「走る、曲がる、止まる」というクルマの基本など、“現場の知恵”が息づく変わることのないもの。そしてそれは、年月を積み重ねてきたマイスターだからこそ、次世代に伝えられることなのです。

「モノづくりに必要なのは、情報と知恵と実行力。情報は、インターネットなどを使えば、今の時代、簡単に得ることができます。しかし知恵と実行力は、モノづくりの現場で、現物を使ってトライ&エラーを繰り返すことでしか得ることができません。われわれは学生に対して基礎的なことやヒントは話しますが、その先は彼ら自身がどうするかしかありません。われわれはそこに手は出せませんし、出しちゃいけないと思っています。
学生たちが現場でいろんなことに直面して、全身全霊で目の前の課題を解決し、また現場で新たな難題に自分たちで取り組む。こうした状況は現場で経験を積むしかなく、まさにHondaの文化である『三現主義※』そのものです。私たちは、知恵を持ち、創造的に考えて行動できる技術者として育ってもらうため、自分達が身に付けた知恵のすべてを受け渡すことができればと思っています。技術の伝承とは、『創造性豊かな知恵のある技術者を育てること』ですから」

※「三現主義」とは、「現場に行くこと」、「現物(および現状)を知ること」、「現実に向き合うこと」の大切さを重視する考え方で、問題解決を図るときの姿勢のひとつ。 「三現主義」によって直接的な経験が問題解決の知恵を生み出すということを、Hondaは大切にしています。

マイスタークラブとは?

「マイスタークラブ」は、Honda OB で組織されたボンティアクラブ。公益社団法人自動車技術会が主催する学生フォーミュラ日本大会に出場するチームを対象に、「学生フォーミュラチャレンジ講座」を開講するなど、“モノづくりの技術支援”を行っています。2001年にOB達が声をかけ合って立ち上げ、2018年3月時点の在籍者は18人。栃木県にあるツインリンクもてぎの施設などで、フォーミュラカーづくりに必要な基礎から応用までを、座学と実技を交えながら指導しています。
クラブの名称は、ドイツのマイスター制度に由来。この制度は、マイスター(名人、師匠)と呼ばれる職人技術者が、若い世代に伝統的な技術を伝承していくものです。

現役時代に開発の最前線で
多くの実績を残してきた
HondaOBたちが、
Hondaで学んできた“活きた技術”を、
厳しく、そして暖かく
大学生たちを指導する「マイスタークラブ」
Hondaはこれからも
学生フォーミュラを支援していく
「マイスタークラブ」をサポートしてまいります。