2006年から全国の砂浜で続けている「Hondaビーチクリーン活動」。
今回の舞台は、東日本大震災の津波によって被害を受け、8年ぶりの海開きを控えた福島県相馬市の原釜尾浜海水浴場です。
この活動は長い年月が必要となった復興作業の一つの節目といえるもの。
「砂浜をきれいにして、地域の子ども達を迎えよう!」そんな想いが詰まった活動の様子をレポートします。
福島県相馬市 原釜尾浜海水浴場
晴れ
- 参加人数51人
- 回収したゴミの量170袋以上1,445kg
地域の皆さまと共に100カ所以上で実施している、
砂浜の清掃活動
苦難を乗り越え、
地域と連携して待望の海開きへ!
原釜尾浜海水浴場
ビーチクリーン活動スタート!
海開き間近のこの日は晴れ。炎天下の中の作業になるので、
しっかり水分補給や休憩をしながら作業を行いました。
01活動の基本!ゴミを”手”で拾う
02通称バタバタ!サンドスクリーンで細かなゴミを回収
サンドスクリーンをATVに牽引し、振動で砂をふるい落とし、ゴミだけを残して回収する仕組み。
時速約20kmで砂浜中を走ります。
03多種多様なゴミを、自治体のルールに従いしっかり分別!
ペットボトル、洗濯機のフタ、タバコの吸い殻など、可燃ゴミ・不燃ゴミが入り混じっています。石や流木などの自然物も。
参加者の手によって丁寧に分別しながらゴミ袋へ。自治体ご協力のもと、回収・処理します。
04およそ4時間の清掃作業!果たして砂浜は…
一見きれいそうに見えても、砂浜に埋まっているゴミや流木があります。さて、ビーチクリーン活動の成果は?
人の力と技術の力によって、子ども達も安心して素足で歩ける砂浜になりました。
参加者のみなさま、お疲れ様でした!
毎年、夏になると観光協会へ「海水浴やりますか?」と、問い合わせが来るという原釜尾浜海水浴場。今年は、きれいになった砂浜が皆さんを待っています!
NEWS新たに完成!
福島市と相馬を結ぶ道
福島市周辺から相馬へ通る「道路」が延伸されて、原釜尾浜海水浴場への移動時間が大幅に短縮されました。「東北中央自動車道 相馬福島道路」は、常磐自動車道と東北自動車道を結ぶ約45㎞の無料の自動車専用道路。東日本大震災からの三陸沿岸地域の早期復興を図るリーディングプロジェクトの一貫として作られました。
地域の砂浜が
きれいになっていくのがうれしい!
石川光太さん、古川壮一さん、佐藤勇二さん(Honda Cars福島)
ビーチクリーン活動は初めて参加しましたが、ガラス片がたくさんあったり、素足で歩くには危険なゴミもたくさんあるんだなと驚きました。震災前にはバーベキューなどをしていた馴染みのある海水浴場。その場所がきれいになるのは純粋にうれしいです!
素足で歩ける砂浜へ!
ビーチクリーン活動の大切さを実感
藤田千恵子さん(Honda Cars東白川 本社 副社長)
拾ったゴミのなかには、尖った大きな石や瓦、プラスチックがあって、特に子どもの素足では危険。ビーチクリーン活動の大切さを実感しました。参加は今回が初めてですが、前日にビーチクリーナーの講習会を受けて、運転できたのは良い経験です。海風が心地良かったですし、来年もまた参加したいです。県内外の皆さんでにぎわう海水浴場になるのが楽しみ。
震災から復興までの歩みを見てきた砂浜なので
言葉では簡単に言い表せない気持ちです
青田智之さん、山根智弘さん、清野正明さん (Honda Cars相馬)
震災当時、海水浴場の近くに住んでいたので、津波による変貌ぶりをこの目で見てきました。だからこそ、自分たちの手で砂浜をきれいにできるのは、言葉では簡単に言い表せない気持ちです。今後は、Honda Cars相馬でビーチクリーンの会をつくって、毎年参加人数を増やしていきたいですね。
次の世代へ美しい砂浜を残すため、
活動の輪がさらに広がることを期待しています
福島県ホンダ会会長 梅田守さん
総務委員長 溝井勇弥さん
相馬市の海の水は安全性が実証されていることもあり、今回の海開きで復興への一つの区切りを感じています。そして活動に参加した一人ひとりが、今日の体験を周りに話すことで、さらに活動の輪が広がってほしいです。そして実際に、原釜尾浜に遊びに来てくれたらうれしいですね。
清掃活動の様子
地域とHondaが力を合わせ、海開きの1週間前に実現できたHondaビーチクリーン活動。原釜尾浜海水浴場の新たなスタートに向け、想いを込めて砂浜を清掃しました。海水浴場を近くで見てきたからこそ生まれる、震災前のようなにぎやかな海であって欲しいという想いは、今回の活動でより強いものに変わったはず。
浜辺の風景は震災前と変わってしまったかもしれません。でも、地元の人たちが海を大切にする心は変わりません。そんな心に寄り添いながら、培った技術を惜しみなく使って次世代へ豊かな環境を引き継いでいく。これからもHondaは地域の皆さまとともに活動を続けていきます。
今回の活動の主体は、福島県に拠点を置くHonda Cars各店で構成される福島県ホンダ会の皆さんです。今回の実施は、福島県ホンダ会が相馬市に声を掛け、ビーチクリーン活動を開催する事になりました。
「最初の相馬市との話し合いでは、『どうして車屋さんが清掃活動を?』という反応でした。そこで、原釜尾浜は福島県北部で初の海開きをする海水浴場であること。人気の海水浴場で多くの人が待ち望む海開きであること。それをふまえ、福島で活動をする我々として、地域の海・人へ貢献したいという想いがあることを伝え、実現したんです」 (福島県ホンダ会会長/梅田守さん)。
原釜尾浜海水浴場は遠浅の海岸として、震災前は1シーズンで3~5万人が訪れていた人気の海水浴場でした。しかし、津波によって、堤防や周辺の民家、料亭、宿泊施設などが流され、風景が一変。復興までに長い時間がかかりました。
ビーチクリーン活動の応援に駆け付けた相馬市議会議員の立谷耕一さんは、「震災後は、堤防やトイレなど、ハード面の整備を一歩ずつ進めてきました」と、これまでの苦難を振り返ります。「海水浴場の清掃や監視体制を構築するのも8年ぶりです。苦労した復興作業だからこそ、期待とともに不安もありますが、たくさんの人に海を楽しんでもらえたら嬉しいですね」(立谷耕一さん)。
砂浜をきれいにするのは、地道な作業の連続です。ATV(全地形走行車)を使った、独自開発のクリーナーを牽引するビーチクリーナーも活用しますが、主役はやはり人の力。そんな地道な作業によってきれいになっていく砂浜を見て、相馬市観光協会の伊東博之さんも目を細めていました。
「震災以降、海を経験しないで育った相馬市の子ども達に来てほしいですね。Hondaの皆さんに清掃してもらったお陰で、素足で楽しめる海水浴場になったと思います」(伊東博之さん)。