1枚の鉄板から形づくられる
車体フレーム
※本工場見学コンテンツ内の動画は再生速度を一部調整しています。
クルマの車体は『鋼板』とよばれる
鉄の板から作られます。
プレスは、長い鉄の板を切って、圧力をかけ、
車体やドアなどクルマを構成するパーツを作ります。
プレス工程は以下の手順で進んで行きます。
機械にセットされたコイルからトイレットペーパーのように鋼板を引っ張り出し、クルマのドアや屋根などに必要な大きさへと切り出されていきます。
鋼板(こうはん)
板状に加工された鋼(はがね)で鉄道や船や橋など幅広い用途で使われています。厚さにより、薄板(うすいた)/中板(なかいた)/厚板(あついた)/極厚板(ごくあついた)などにわけられ、薄板はコイル状に巻くこともできます。
コイル
鋼板をうずまきのように巻いた状態のものです。コイル状にできる鋼板は厚さが3mm未満である必要があります。
鋼板コイルは長い一枚板の状態なので、ブランキングマシンという
専用(せんよう)のカッターで必要な長さに切り出していきます。
ブランキング工程は、コイルをセットするエリア、コイルを伸ばすエリア、
ブランキングするエリア、切った鋼板を集めるエリアがあり、
全部で50mほどの長さがあります。
ドアや屋根などをプレスするのに必要な長さごとに鋼板を切っていきます。
1枚切るのに、1〜2秒しかかかりません。
ブランキングマシンはとても大きく危険なので、
事故が起きないよう簡単に入れないようになっています。
機械にセットされたコイルからトイレットペーパーのように
板を引き伸ばしていきます。
ブランキングマシン
英語では“Blanking Machine”と書きます。Blankingは日本語では打ち抜き加工(うちぬきかこう)とも言い、強い力で反対側までつらぬく、といった意味になります。
切りだされた鉄の板はHonda専用(せんよう)の「5700トン サーボプレスマシン」という
プレス機で、圧力をかけ、立体的なボディの部品に一気に成形します。
工程:成形
正確な機械作業
鋼板を設置し、プレスして取り出すという一連の流れを機械が正確にこなしていきます。
工程:成形
形になるまであっという間
1回あたり、3〜5秒ほどの短時間でリズムよくプレスされていきます。
工程:成形
作る部品におうじて型を変更
プレスするための金型(かながた)は、いろいろな種類の部品をプレスするために、1日でおおよそ10回ほど交換(こうかん)されています。
サーボプレスマシン
英語では“Servo press machine”と書きます。Servo=自動制御(じどうせいぎょ) press=(押す) machine=(機械)で、コンピュータが自動で型押しをしていきます。
Hondaでは専用のサーボプレスマシンを使っていて、最大で5700トンの圧力をかけることができます。
金型
金型とは、作りたい形と反対の形をした器です。この金型で挟むことで指定どおりの形をつくることができます。
鋼板コイルは大きいものでひとつの長さが2500mにもなります。
重さは最大で13トンになります。このため移動も慎重(しんちょう)に行われます。
それぞれ1000〜2300トンの圧力がかけられる4台のプレス機が設置されており、平らな鋼板をボディやドアなどの部品を次々に成形していきます。
プレス工程で使われる機械はとても大きなモノばかりで、全部を合わせると、長さ200m×幅120mにもなります。
その広さは24000m2(平方メートル)にもなり、東京ドームのグラウンド部分の約2倍、サッカーグラウンドの約3倍にもなります。
身の回りにある鉄をさわると、とても人の力では形を変えられないのがわかると思います。そんな鉄を切ったり変形したりしますから、それだけのパワーをえられるよう、機械も大きくなるというわけです。