アルミ合金で作られるクルマの心ぞう
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アルミ合金を材料に、エンジンを作っていきます。
クルマを動かすための動力源(どうりょくげん)であるエンジンは、
アルミ合金を素材にして作られます。
とても精密な部品となるため、
専用の工場で作られることもあります。
エンジン製造工程は以下の手順で進んで行きます。
溶かしたアルミニウムを型に入れ、エンジンの部品を製造していきます。
工程:鋳造
高温の液体が原料
アルミニウムが溶ける温度は約660度と、とても高温なので、作業するときには、細心の注意をはらって行われます。
工程:鋳造
ショベルカーのようにすくって移動
溶けたアルミニウムを必要な量をすくい取り、エンジンの種類ごとに用意された金型に流し込んだあと、とても大きな圧力でエンジンの形に変形させます。
工程:鋳造
軽くて丈夫なアルミニウム
アルミニウムは鉄と比べて重さが1/3ほどですみます。軽ければクルマを動かす力も少なくすみますから、燃費がよくなり、少量の燃料でも長く走ることができるようになります。
合金
複数の金属をあわせることにより金属の強度を上げたものです。Hondaではアルミニウムを主成分にしたアルミニウム合金が使われていますが、高い強度を持つかわりに溶接などはしづらく型にいれる鋳造(ちゅうぞう)で加工されます。
鋳造
エンジンの素材となるアルミニウム合金を一度溶かして液体にし、型に流し込んだ後、冷やして目的の形に固める加工方法です。歴史はとても古く、お寺にある鐘(かね)も鋳造で作られています。
金型から取り出された加工物は、専用のドリルを使って、穴をあけたり、けずったりしていきます。
このとき、ドリルとエンジンの間で摩擦熱(まさつねつ)が発生して、
加工するときの精度が安定しないため、
切削油(せっさくゆ)という油をかけながらけずっていきます。
機械加工前
機械加工後
金型
複数の金属をあわせることにより金属の強度を上げたものです。Hondaではアルミニウムを主成分にしたアルミニウム合金が使われていますが、高い強度を持つかわりに溶接などはしづらく型にいれる鋳造(ちゅうぞう)で加工されます。
切削油
切削油とは、切ったり削ったり加工をする時に使用する油です。加工する場所の滑りをよくしたり冷やしたりするために使われます。工具の摩耗(まもう)をおさえたり、加工するときに発生する熱で加工物が変形してしまうのを防いだりします。
機械による加工が終わった加工物は、高熱で焼かれ、浸炭(しんたん)という処理が行われます。
熱によって表面をより硬くして、耐久性をアップするために行います。
浸炭
浸炭は、金属加工の中で、表面を硬くするために炭素を使って焼入れを行うことです。焼入れを行うと炭素が添加される表面は硬くなりますが、内部には炭素が行き渡らないので、金属特有の粘り(ねばり)強さを残せます。内部まで硬くなりすぎると衝撃に弱くなってしまうため、ちょうどよいバランスで浸炭されているかをチェックします。
たくさんの部品を合体させて、一台のエンジンを組み上げていきます。
検査室では、できあがったエンジンの部品の安全性を確認します。
検査には専用の顕微鏡などを使用し、ミクロン単位で問題がないかを確認します。
浸炭深度(しんたんしんど)/表面・内部硬度(こうど)/表面・内部組織といった点を細かく検査します。