Topics

第1ソリューション部 岩城 亮平インタビュー

「自動運転を日本で商業化する」ただその一点を目指して

第1ソリューション部 岩城 亮平インタビュー 「自動運転を日本で商業化する」ただその一点を目指して

ホンダモビリティソリューションズには、第1ソリューション部、第2ソリューション部、事業管理部の3つの部署が存在します。

今回は、第1ソリューション部部長である岩城さんにインタビュー。企画・開発分野でキャリアを積んできた岩城さんは今、どのような仕事観を持って働かれているのでしょうか。また、ホンダモビリティソリューションズ(以下HMS)の第1ソリューション部ならではのやりがいや面白さについても伺いました。

Profile

ホンダモビリティソリューションズ株式会社
第1ソリューション部 部長 兼 開発推進ユニット ユニットリーダー

岩城 亮平

新卒でHonda R&Dに入社後、ハイブリッド自動車の開発及び商品企画に従事。その後、水素ステーション等のエネルギーソリューション開発に従事した後、モビリティサービスの企画、開発へ転向。2020年にホンダモビリティソリューションズ設立と同時に出向し、自動運転モビリティサービスプロジェクトに参画。

※株式会社本田技術研究所(以下、Honda R&D)は本田技研工業株式会社(以下、Honda)の連結子会社

「新しい分野だからこそ、スピード感のある組織が必要」

最初に、岩城さんが現在のポジションにアサインされた経緯について教えてください。

もともとHonda R&Dに所属していたところ、HMSが設立されるタイミングで出向することとなりました。
立ち上げ当初はHondaグループ内の各所から出向したメンバーで構成されており、まずは小さなHondaができたなという印象で、特別今までと違う感覚はありませんでした。
その当時は管理職でもなく、自動運転もまだ始まっていない状態のままコロナ禍となり、とにかくコロナ禍をどうやって乗り切っていくかということに四苦八苦していました。
立ち上げから4年が経過し、今回2024年の組織再編で第1ソリューション部の部長と、第1ソリューション部内の開発推進ユニットのユニットリーダーを兼任することとなりました。

HondaとHMSではどういったところに違いを感じますか?

Hondaは組織が大きいので、プロジェクトを立ち上げるとなった時に予算も人数も大きくなる特徴がありました。
規模が大きくなるということは責任も大きくなるため、どうしても多面的・多層的な評価を受けなければならないことが多くなってしまうため、一般的に言えば尖ったアイデアであっても、プロジェクトが進む中でどんどん丸くなっていく傾向にありました。
相当強い意思と根気がなければ、良く言えば安全・安定・誰も傷つけない、悪く言えば尖った価値提供がしにくいものになってしまいます。
それとは対象的に、HMSでは意思決定の階層が少なく、挑戦的なアイデアをスピーディーに実行できる可能性があります。

そこだけお聞きするとHMSの方が働きやすそうに感じますね。

それは状況や内容によるかなと思います。
HMSではモビリティサービスという革新性がある領域のためスピード感が重要となりますが、顧客や関係者が増大し事業規模が大きくなった時の知見はまだまだ足りないと思います。
逆にHondaは規模も年数も桁が違うので、安定した組織構成やサービス提供環境の構築には土台があります。
HMSがスピーディーにトライアルアンドエラーを行って成長していき、来るときにHondaの経験や力を上手に使っていけるような関係が理想的だと思います。

岩城 亮平

「自動運転を日本で商業化する」

現在の仕事でどういったところに苦労していますか?

自動運転という事業はとにかく本当に難しいです。
法律面や技術面での難しさもありますが、もっと根本的に社会受容性という問題を大きく感じます。
自動運転が事業化するということは、確実に社会へ大きな変革をもたらします。
もちろん我々はそれが社会にとってポジティブなインパクトを与えるものだと考えて取り組んでいますが、どうなるか分からないということに潜在的な恐怖心や抵抗感を持つ方は思っているよりも多いと感じます。
自動運転が一般化したら、もともとHondaが作っている車の存在意義自体も大きく変わってしまうかもしれませんしね。

岩城さんは現在、どういったミッションを持って事業に取り組んでいますか?

自動運転を日本で商業化する、お客様に使ってもらえる状態まで持っていく、それしかありません。
ただこれは私のミッションというより、プロジェクト全体のミッションだと思います。
もう少し具体的な僕自身のミッションは3つあり、1つは大きなスコープで事業を推進させていくことです。
大局的に市場やニーズを捉え、戦略的に時代をどう変えていくのかを定義付けし、メンバーと共有する、マネージメントとしてしかるべき仕事。
2つ目は逆にミクロな視点で、細かく、小さく、本当に一歩一歩業務を進めていける体制を作ることです。
これほど難しい事業を進めるためには、本当に小さなことを一つづつ確実に積み上げていくしかありません。
これを全員が根気強くめげることなく進められる状況を精神面・物理面の両輪で作り上げる必要があります。
3つ目は更に個人的になりますが、マネジメントという言葉に逃げないことです。
HMSのメンバーと仕事をしていると、それぞれがとても実務家だなと感じます。
各自が得意な領域を研ぎ澄まし、1つ1つ着実に業務を進めていってくれています。
だからこそ、マネジメントという言葉で逃げてしまって「結局あなたは何をやっているの?」となってしまっている管理職には絶対になってはいけないと思います。
ただ指示をするだけのマネージャーではなく、私自身もプレーヤーとしてしっかりとトライしていき、まだまだ成長を続けていく姿勢を常に見せることも大事なのではないかと思っています。

第1ソリューション部全体としてはどういったミッションを持たれていますか?

まずは前記のとおり、自動運転を日本で商業化することが最大のミッションです。
そのための課題として、今一番取り組むべきはアメーバ化の強化だと考えています。
領域を区切ってプロジェクトを進めた方が短時間でタスクを消化していくことができ、ある意味合理的ではあるのですが、この新しすぎる領域は、単純な分業化をしてはいけないと思います。
分業化は自分のタスクが明確な分、自分のタスク以外は無責任になってしまう場合もあります。
時間はかかっても都度議論を行い、全体が自分ごと化できる状態を作ることが現在のミッションと捉えています。

岩城 亮平

「リアリストでありロマンティストである」

最後に、採用候補者の方へのメッセージをお願いします!

モビリティという領域は、まだ誰も達成できていないことばかりで本当に難しい事業です。
「未来をつくる」というとても夢のある仕事ですが、それは一朝一夕で叶うことではありません。
本当に小さな1歩1歩を積み重ねては、また2歩下がるを繰り返す仕事です。
でも、新しいことだから難しいのは当たり前だし、難しいからこそ面白い。
そう感じてくれる方と一緒にお仕事ができたら嬉しいです。

僕自身もまだまだ未熟ですが、リアリティを持ってロマンに挑む、そして自分ごととして挑戦することで一緒に成長していければと思います。

トピックス一覧