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第2ソリューション部部長 佐久間 俊輔 インタビュー

Hondaの伝統的価値観で生み出す
「総合モビリティサービス」

第2ソリューション部部長 佐久間 俊輔 インタビュー Hondaの伝統的価値観で生み出す「総合モビリティサービス」

ホンダモビリティソリューションズには、第1ソリューション部、第2ソリューション部、事業管理部の3つの部署が存在します。

今回は、第2ソリューション部の部長である佐久間さんにインタビュー。佐久間さんがホンダモビリティソリューションズで復活させたい、Hondaの伝統的価値観とはどのようなものなのでしょうか。また目指すべき「総合モビリティサービス」の在り方や事業の展望などについてもお伺いしました。

Profile

ホンダモビリティソリューションズ株式会社
第2ソリューション部部長

佐久間 俊輔

大手リース会社に入社し、国内外のリースファイナンスの法人営業に従事。その後政府系金融機関にて総合商社や香港の海外財閥企業、自動車・電機メーカーの投融資を担当。その後は総合商社の自動車事業部門に転じ、豪州におけるオートリース事業の新規立ち上げや、タイの事業投資管理や新規事業開発を経験。2021年よりホンダモビリティソリューションズへ入社。

産業変革をリードする「経営人材」になるべく総合商社からHondaへ

なぜ、ホンダモビリティソリューションズにジョインを決めたのでしょうか?

産業変革をリードする「経営人材」になりたいという思いを、前職で強く持ったからです。私は長らく金融業界に身を置いていましたが、総合商社との共同投資やエクイティファイナンス業務を行う中で事業会社の経営そのものに関心を抱くようになり、総合商社へと転職した経緯があります。ただ、その総合商社が考える経営人材は、自分が目指したい経営人材像と乖離があることに業務を通じて徐々に気が付いていきました。

自分自身が目指す経営人材のイメージは、大企業が抱えがちなイノベーションのジレンマを乗り越えて、産業変革をリードする経営人材を指します。CASEを始めとした自動車領域に次々登場しているテクノロジーにいち早くキャッチアップして変革を成し遂げるには、経営層の変革への強い意志とコミットメントがある自動車メーカーが最適なのではと考えました。

折しも、Hondaが自動運転事業に3000億円を拠出し、新たに会社を設立してチャレンジをするというニュースを耳にし、ホンダモビリティソリューションズへのジョインを決めました。

佐久間 俊輔

自動運転モビリティサービスに繋がる事業運営基盤を作り出す

第2ソリューション部の役割やミッションなどについて教えてください。

自動運転以外のモビリティサービスを世の中にクイックに提供し、お客様の反応を見ながらより良いサービスへと改善していくのが大きな役割です。 ホンダモビリティソリューションズ自体は、GM、Cruiseと連携した自動運転モビリティサービスの日本国内での事業化のために設立されましたが、スタートまでには社内外でさまざまな準備が必要です。Hondaでも知見を持ち合わせていないモビリティサービスを運営するだけのケイパビリティも生み出さなければなりません。そもそもユーザーがどんなときにモビリティサービスを使ってくれるのかなど、市場を足元から見ていくため、第2ソリューション部は誕生しました。

第2ソリューション部はどのような組織体制で運営されているのでしょうか。

大きくは四輪領域(カーシェア)、二輪領域(電動自転車やオートバイ)、そしてソリューション領域(EV関連サービス、海外事業企画など)の3分野に分かれています。各チームは10名未満で構成されており、PDCAを高速で回せるような事業推進を行っています。

領域自体は分かれていても、各事業が持っている機能を上手く融合できるような仕組みを構築するために、サイロ型ではなくアメーバ型の組織としています。例えば二輪領域で用いているシステムは四輪領域で構築したシステムを横展開していますし、海外企画のケイパビリティは、二輪領域がベースになっているなど、常に各事業は連携・連鎖しています。今年度からはユーザーの体験価値向上を目指すべく、より一層機能や車両を横串で組み合わせて活用するために、サービスブランドの見直しに着手しているところです。

圧倒的当事者意識を持ちながら、自分の思いを貫き通す

ホンダモビリティソリューションズで働くやりがいはどんな部分に感じますか?

ホンダモビリティソリューションズでの仕事自体が、私にとってはやりがいそのものです。すでにお話ししたように、私の目標は日本の自動車産業にポジティブな変化を起こす経営人材となること。大変革が起きている自動車業界の中で顧客のニーズをいち早く掴み、事業に昇華していく――これこそが私の本懐であり、ホンダモビリティソリューションズで求められている仕事でもあります。ここがマッチしている以上、「やりがい」はわざわざ見いだすまでもありません。

目指すべき経営人材になるために意識していることはありますか?

たとえステークホルダーであるHonda側とコンフリクトが起きたとしても、安易に「忖度」しないことでしょうか。もちろんビジネスの世界に明確な「正解」はありませんし、自分には無い観点に出会って考えを変えるケースはあります。ただ、ホンダモビリティソリューションズはHonda本体ができない事業をやるために存在する組織なので、ただステークホルダーから言われたことをするだけでは、存在意義がなくなってしまいます。

一方で、昔からHondaが持ち合わせていた現代のスタートアップにも通ずる伝統的価値観を、ホンダモビリティソリューションズで取り戻していきたい思いもあります。たとえばHondaには「松明は自分の手で」という言葉がありますが、これは、リクルート社で用いられている「圧倒的当事者意識」やAmazon社の「Ownership」の考え方に近いですね。

実際、当社では仕事の進め方について上からの指示を待つことはほとんどなく、完全に現場が当事者として主導していきます。私自身も新規サービスを企画しており、何度も社長と本音をぶつけ合いながら事業を推進してきました。たとえ衝突をしても、圧倒的当事者意識を持てば自分がその現場や顧客に関して一番詳しくなっているはずですから、何を意見されても「やめる理由」がなくなっていきます。その上で事業を継続し実績が出れば、評価される。そんなHondaの良いカルチャーを、当社でも体現していきたいと思っています。

マネジメント視点では、これもHondaの言葉ですが「2階に上げてハシゴを外す」というマインドも必要になると思います。マネージャーとしてメンバーを一定のステージまで引き上げたら、その先は覚悟を以て自走してもらえるよう、時に敢えてハードなことを求めることもあります。

佐久間 俊輔

第2ソリューション部の今後の展望について教えてください。

四輪、二輪をはじめとする様々な車両とサブスク、シェア、リース等の様々なサービスを掛け合わせて、ユーザーにとって使いやすく愛される「総合モビリティサービス」を実現したいと思っています。

これは、単なるMaaSではありません。MaaSは一般的にA地点からB地点への移動の最適化――「最短/最小コストでの移動」を図るものですが、我々はユーザーがモビリティを利用する多種多様なシチュエーションを想定しています。通勤通学、レジャー、近距離、長距離といった要素はもちろん、「今日は晴れているから自転車を使いたい」「雨が降っているから車にしよう」といった「気分」にまで合わせて、モビリティを提供していきたいと考えています。

戦略的には、単一のサービスでとにかく規模を拡大していくというよりは、当社のサービス群を相互連携することにより当社の強みを活かす方向を検討しています。Hondaのモビリティサービス運営会社として裾野の広さを見せていきたいですね。

最後に、採用候補者の方へのメッセージをお願いします!

大企業にいるけれど本質に向き合った仕事ができない、旧態依然とした環境の中でなかなか自分のアイディアやチャレンジが評価されない、というような方がいれば、ぜひ当社に来ていただきたいです。大企業はどうしてもトップダウンの傾向があり、なおかつ効率を求めがちです。それこそがイノベーションのジレンマを引き起こしてしまう原因でもあります。

また、逆にベンチャー・スタートアップにいて挑戦的な仕事、スキルアップに繋がる仕事はできているけれど会社のアセットや事業基盤に脆弱さがあり、今後の成長性に課題を感じているという方にとっても、当社ではHondaの様々なアセットを活用して産業変革を起こしていくダイナミックな仕事ができるため、魅力的なキャリアを提供できると思います。Hondaから少し距離を置いたチームで戦うことに面白さを感じられる方――有り体に言ってしまえば、大企業での出世よりも、圧倒的当事者意識を発揮して事業に取り組むことに興味のある方、ベンチャー・スタートアップで培ったスキルをより大きなポテンシャルを持つフィールドで存分に試したい方は、いずれも大歓迎です。

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