CR-V e:FCEV(男女マラソン 審判長車)

世界陸上×Hondaの魅力を最大限に
「躍動感」を全面に出したラッピングデザイン

PRELUDEやCUV e:など
新型モビリティもラッピング

世界陸上の公式車両は、単なる移動手段ではなく、大会の「象徴」となるもの。世界陸上を見るすべての人々へ、挑戦や革新性、スピード感といったメッセージを届ける役割を持ちます。そこで重要になるのが、車両のラッピングデザインや展示ブースのデザインです。

「東京2025世界陸上」を象徴する公式車両のデザインスポーツの舞台を支えるモビリティ
「東京2025世界陸上」を象徴する公式車両のデザインスポーツの舞台を支えるモビリティ

Hondaが世界陸上に提供する公式車両は、燃料電池自動車CR-V e:FCEVや新型PRELUDE、N-VAN e:といった四輪のほか、CUV e:、UNI-ONEなどのモビリティ、そしてHonda 0 SUV プロトタイプのラジコンカーと多岐にわたります。まずはラッピングデザインの方向性を定めるため、CR-V e:FCEVをモチーフにした社内コンペがHondaのデザイン部門で実施されました。

社内コンペでのエントリー作品(一部)
社内コンペでのエントリー作品(一部)

デザインにおいては、世界陸上が規定しているエレメントを活用することが条件。そんな中、コンペで選ばれたのは「東京らしさ」や「気品」を感じさせる日本の伝統色「江戸紫」の筆のラインと、ゴールドのストライプのエレメントが大胆に配置されたデザイン案です。さまざまな制約がある中、公式車両としての視覚的なインパクトを最大限に引き出している点が評価されました。

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「東京2025世界陸上」を象徴する公式車両のデザインスポーツの舞台を支えるモビリティ

選ばれたデザインのコンセプトは、「選手の躍動感や、一瞬の勝負を表現する」というもの。太く跳ねるように配置された筆のラインは、選手の力強い動きを。トラックをイメージしたゴールドのストライプは、競い合うことの素晴らしさを表しています。さらにそれらのエレメントをクロスオーバーするように配置することで、立体感や奥行きを生み出しています。

ラッピングデザインをするうえで、大会のVI(ビジュアルアイデンティティ)の考え方を根底から理解することがなによりも重要でした。それにより、与えられたエレメントの力を最大限に引き出し、一貫した世界観を持ちながらHondaらしい車体の力強さを引き出すことができました。

細部までこだわり抜く
約120台のモビリティに適用する、デザインシステムの構築

美しく見せるため
0.5度の単位で微調整も

本大会でラッピングするモビリティはおよそ120台。さまざまな車種やカラーバリエーションにも対応できるよう、決定したデザイン案のサイズやバランスを細やかに検証して精度を高めます。大会の公式車両としてのイメージを保ちながら、それぞれのクルマに合わせた調整ができるよう、カラーパターンやロゴやエレメントのサイズ比率、配置の角度などを決定し、デザインシステムを構築していきました。

各種車両完成予想図
各種車両完成予想図
「東京2025世界陸上」を象徴する公式車両のデザインスポーツの舞台を支えるモビリティ
Hondaのデザインチームがラッピングデザインに対して細かく議論
「東京2025世界陸上」を象徴する公式車両のデザインスポーツの舞台を支えるモビリティ

ロゴは、世界陸上のロゴの下にHondaのロゴを配置。大会ロゴのアイソレーション(ロゴ周りの余白)のルールを守りながら調整しました。また、クルマのキャラクターラインが後ろ上がりになっているため、ロゴも0.5〜1度ほど右肩上がりに。そうすることで、より自然に見えるようにしています。

「東京2025世界陸上」を象徴する公式車両のデザインスポーツの舞台を支えるモビリティ
CR-V e:FCEV(男女マラソン 審判長車)

「江戸紫」の筆のラインは、後方に向けて跳ね上げて躍動感を強調。細かいラインも美しく仕上げています。左右非対称になっているため、リアビュー(後方視界)からも動きのリズムを感じさせ、さらに陸上のトラックを連想させるゴールドのストライプは、タイヤに向かって広がるようにパースをかけることで、クルマの形やスタンスが美しく、力強く見えるように調整されています。

「東京2025世界陸上」を象徴する公式車両のデザインスポーツの舞台を支えるモビリティ
「東京2025世界陸上」を象徴する公式車両のデザインスポーツの舞台を支えるモビリティ
CUV e:(プレスバイク)

実際にラッピングする段階では色にもこだわりました。クルマに貼る特殊なフィルムに、ガイドラインで指定された「江戸紫」を正確に再現するのは非常に難しく、施工会社に何十種類ものカラーサンプルを出してもらい、太陽の光の下で実際に見て確認するという作業を繰り返しました。さらに車種によってボディの色も異なるため、そのバランスも考慮。世界陸上とHonda、双方のブランドイメージを損なわないよう色味を統率しました。

「東京2025世界陸上」を象徴する公式車両のデザインスポーツの舞台を支えるモビリティ
ラッピング作業の様子

Honda 0 SUV プロトタイプと重なる次世代の挑戦

国立競技場内に
Honda 0シリーズの第1弾を展示

世界中のトップアスリートたちが集結する本大会。開催中は、多くの人が競技場を応援に訪れ、夢に向かい進化を続ける選手たちの勇姿に胸を打たれる感動の場となります。そこで生まれたエネルギーは、さらに次世代の挑戦へとつながっていく。まさに、どの時代においても革新をもたらそうとするHondaの姿勢と重なります。そんな熱気に満ちる競技場内に展示するのにふさわしい車両として、今のHondaを体現する最新モデルHonda 0 SUV プロトタイプの車両が展示されることになりました。

「東京2025世界陸上」を象徴する公式車両のデザインスポーツの舞台を支えるモビリティ
Honda 0 SUV プロトタイプ
「東京2025世界陸上」を象徴する公式車両のデザインスポーツの舞台を支えるモビリティ
Honda 0 SUV プロトタイプのブース完成イメージ(競技場内)

競技場内は、トラック周辺にスポンサーロゴなどが多く出ているため、埋没しやすい環境です。そこで公式車両のようにラッピングはせずに、専用のステージとバックパネルをデザインしました。車両を置くステージは、地面よりも高い位置にすることで、より存在感を引き出し、バックパネルは大会仕様のグラフィックとしつつモノトーン調にすることで、Honda 0 SUV プロトタイプの色や形の美しさを追求したデザインをしっかり見せられるようなブースレイアウトに。洗練された世界観を強く打ち立てています。

また今回の世界陸上では、円盤投ややり投など、投てき競技の際に使用される道具を回収するHonda 0 SUV プロトタイプのラジコンカーも登場します。このラジコンカーは、実際の車両の1/4サイズでつくられています。

「東京2025世界陸上」を象徴する公式車両のデザインスポーツの舞台を支えるモビリティ
ラジコンカー Honda 0 SUV プロトタイプ1/4モデル

スケールモデルであってもHonda 0 SUV プロトタイプの存在感を忠実に再現するため、タイヤは芝を傷めにくい幅・パターンとしながらSUVらしいスタンスを確保し、車体のカットラインは塗装の厚み影響まで考え幅を緻密に調整しました。窓も中身を隠しつつガラスらしい深みを塗装で表現するなど、エクステリアの細部までこだわり仕上げられています。

※カットライン:ボンネットやドア回りなどのボディパネルの継ぎ目や部品の境目を示す線。スケールモデルではカットラインの幅が見た目のリアルさを左右する。

「東京2025世界陸上」を象徴する公式車両のデザインスポーツの舞台を支えるモビリティ

世界陸上の楽しみの一つに、Hondaがサポートする「移動」も

世界陸上のさまざまなシーンに
Hondaのラッピングカー

ラッピングされたHondaのモビリティは、マラソンの先導車両や計時車両、大会関係者の移動用車両として活動。世界陸上が開催される9日間、世界陸上の公式車両が競技場や街中に現れることで、東京全体が大会色に染まり、その様子は世界中に発信されます。Hondaはオフィシャルパートナーとして、公式車両のラッピングデザインや展示を通じて陸上競技の魅力を伝え、スポーツというフィールドにおいてもモビリティとデザインの可能性を広げ、「自由で楽しい移動の喜びの提供」を実現します。大会を支え盛り上げていくラッピングカーたちの姿を、ぜひお楽しみください。

「東京2025世界陸上」を象徴する公式車両のデザインスポーツの舞台を支えるモビリティ
PRELUDE(コース確認車)