「WEEKEND PICNIC FOR YOU.」をコンセプトに、週末に家族でピクニックを楽しむ、
思わず出かけたくなるような楽しい世界観を表現した、N-WGN PICNIC。
担当デザイナーたちは、クルマのネーミング「ピクニック」にあわせて、
ピクニックトークを進めてくれました。何よりも最初に聞きたかったこと、それは、
“クルマ好きの祭典、オートサロンに、なぜ、ピクニック?”
デザイナー
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株式会社ホンダアクセス
商品企画部 デザインブロック
エクステリア担当
大西優一 -
株式会社ホンダアクセス
商品企画部 デザインブロック
インテリア担当
松本理沙 -
株式会社ホンダアクセス
商品企画部 デザインブロック
インテリア担当
山田紀織
――では、早速「なぜ、ピクニックなのか?」
松本:ホンダアクセスは今まで、走りにこだわったものや、外観を大幅に変えたコンセプトカーの提案をしてきました。でも、そういったものにはなかなか手が出せない。なので私は、お客さま自身がもっと気軽にできるカスタマイズを提案したいと思っていました。今回は、部屋を過ごしやすい快適な空間にするように、日常の延長でクルマもカスタマイズしていく。そういう「ちょっと」を実現する提案をしています。
山田:私はお休みになると、公園でちょっとしたピクニックをするんですが、その時間がもっと楽しくなるインテリアやアクセサリーを考えてみたいと思っていました。平日は仕事や買い物、送り迎えなど、普段使いしていて、お休みには気軽に公園や河原に行って楽しめる、そんなクルマがあったら生活がより楽しくなるんじゃないかと。
松本:そうそう、本格的にキャンプに行くとかBBQをするとかではなくて、ちょっと郊外に出かけて夕暮れには帰るぐらいの気軽なアウトドア。だから「ピクニック」というキーワードが軸になったんです。
大西:ガチなアウトドアなら他にも色々なクルマが候補になるけど、平日の生活のなかでちゃんと使えて、4人乗れて、でも週末に近場のアウトドアに気軽に遊びに行くみたいな楽しさ。そんなにガンガン、アウトドア道具を積んだりしないで。それならばN-WGNの基本スペックを維持したまま、その世界観を創れるんじゃないかと。
――確かに、外観はフロントバンパーを変えている以外は、あくまでライトなレベルの塗装や加飾で表現している。
大西:ボディの鉄板部分は変えてないです。リアもそのままだし、シートもそのまま。本杢で作成したガーニッシュ類も貼ってあるだけだし。あえて、純正アクセサリーとしてできる範囲を意識しました。オーナーのアイデアと感性の勝負でカスタマイズできる、みたいな考え方です。
松本:インテリアでも純正アクセサリーとしてできる範囲は意識しましたね。例えば、N-WGNの荷室にある2つのボードも、ちょっと変えるだけで使いやすさや使い道がより広がると思ってカスタマイズしました。
実は今ここでテーブルとして使っているのが、そのボードの一つなんです。目的地に着いたらこのボードを取り出して、折りたたみの足を展開すると、いい感じの木のテーブルになるんですよ。一見ただのテーブルに見えるんですが、荷室のボートとして使用する時には、天面のスリットに仕切り板を差し込むと荷物が整理しやすく、走行時には横ずれを軽減するちょっと便利な機能も備えています。
大西:これは、松本さんが日本の伝統技術にも興味があって、組み木的な発想で考えたんです。あと、サスティナブルな考え方も意識してアイデアを入れましたよね。
松本:フロアマットにはリサイクルデニムを使用したり、色々とトライしています。
――ボードの創意工夫のアイデアには、正直、驚かされた。きっと欲しいN-WGNオーナーも多いのではないだろうか……。そして、一見してわからないところでもサスティナブル視点にこだわってチャレンジしているとは……この「ピクニック」、今までのホンダアクセスの走りにこだわったコンセプトカーとは、ずいぶん視点が違うようです。
山田:私は実際にキャンプもピクニックも行うので、どういうものがあったら嬉しくなるかを考えながら、インテリアを検討しました。でも大前提として、N-WGNを普段使いしていて、アウトドアには時々遊びにいくという生活を想定しています。アウトドアに振り切ったインテリアじゃなく、日常に寄り添いながらも、一歩外に連れ出してくれる、そんな使い勝手やカラーリングを意識しました。
大西:ちなみに今回グリルに、七宝の模様を使ったりとか、ポイントポイントで日本の伝統みたいなところをデザインを取り入れたのは、山田さんのこだわりなんですよ。
山田:今回使用したカラーについても、日本の伝統色をベースに調色しています。日本の伝統そのままではなく、普段の暮らしにも、ちょっと郊外の緑や水辺にも似合う、そんな佇まいにこだわりました。
松本:まあ、Nシリーズはもともと「New Next Nippon Norimono」ですからね(笑)。
今回はシートクロスの生地などにも日本で作られているものを使用しています。
――サスティナブル視点の次は、日本の伝統の生地やデザインという視点。今回のデザイナーたちは、どうやら、自分たちの普段の価値観を、このクルマに上手くのせているようです。確かに今、ミレニアル世代やZ世代の若者は、環境意識も高く、また日本の伝統に興味を持つ方も多いです。
大西:2人が話すような価値観って、性別とか全く関係ない価値観なので、外観デザインもニュートラルな表情を創ってあげたいと思いました。誰から見てもかわいいな、ちょっとゆるいなって思ったり、ニュートラルにとらえてもらえるように意識して。そこで基調として丸を使用しました。あえて四角とか三角とか尖ったエッジの効いたデザインは使わないように。角が取れてる方がコンセプトの世界観に近いんじゃないかなと思いましたし、暖かい雰囲気が出せたように感じています。
――ジェンダーレスの意識。3人のその価値観が、少しレトロ感もあって愛着が湧きそうな外観デザインを生み出したんですね。お話を聞くにつれ、だんだん「ピクニック」の狙いが見えてきました。ここで、東京オートサロン2022でホンダアクセスが展示する車両たちのデザインを統括した加藤PLも登場、参加。
開発責任者
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株式会社ホンダアクセス
商品企画部 デザインブロック
東京オートサロン2022 ホンダアクセス担当車両デザインPL
加藤智久
加藤:ベースがN-WGNですから、キャンピングカーでドーンみたいな感覚ではなく、日常の延長で楽しみを拡げてもらいたい、それがこのクルマの狙いです。私たちおっさん世代は、女性は、男性は、みたいな感覚がまだ残っていると思うんですが、彼ら彼女らの世代はユニセックス、ジェンダーレス的な、誰が見ても良い、そして使っていい、そんなクルマが3人のアイデアから生まれたと思っています。
松本:本気のDIYではなく、ちょっと便利になればとか、このクルマでちょっと週末が楽しくなればいいなとか、そういう「ちょっと」な気持ちで楽しんでもらえたら。
大西:BBQやらなくてもデリバリーを頼んだっていいし、テントに寝なくてもアウトドアは楽しめます。そんな気軽な気分で楽しんで欲しいんです。
加藤:そうそう、そういう提案なんですよ。コンセプトカーでかっこいい、けどすごく非現実的、みたいなカスタマイズじゃなくて、Nシリーズのもともとの価値観である、日常、普段の生活を基本にして、それがより楽しくなる、週末の楽しさも拡がる、そんな提案です。だから、先ほどのテーブルになるボードとか、シートバックにぶら下げるレザーの小物入れとかも、お客さま自身がDIYで作れるんじゃないかなと思っています。このクルマの提案は、あくまでスタートライン。ここから育てるために、会場のお客様の声を聞いて、いつかお客様に届く商品に繋げていきたいと思っています。そして、ホンダアクセスの提案の幅を拡げていきたいと。そのひとつのカタチが、このクルマです。
松本:まだまだ、やりたいことが沢山ありますから!
大西:我々自身が楽しまないとね!
東京オートサロン2022 Hondaブース
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会場
幕張メッセ(日本コンベンションセンター)
国際展示場 ホール1~10・イベントホール・屋外展示場
Hondaブース 中ホール ブースNo.430 -
開催スケジュール
- 1月14日(金)
- 9:00~19:00(ビジネスデイ[業界&報道関係者])
※9:00~14:00 サイレントタイム
※一般公開はいたしません。
- 1月15日(土)
- 9:00~19:00(一般公開日)
- 1月16日(日)
- 9:00~18:00(一般公開日)