INTERVIEW
Engineer
福浦 麻衣子
先進パワーユニット・エネルギー研究所
先進エネルギー研究開発室
アシスタントチーフエンジニア
生物工学からはじまり、挑戦を重ねて切り拓いたキャリア。
5歳と10歳の子どもを育てながら、カーボンニュートラルの技術研究にゼロベースから取り組む。
ミトコンドリアから始まった“ものづくり”への興味
学生時代は生物工学を専攻し、タンパク質の研究をしていました。きっかけは、ミトコンドリアという身近な存在の複雑さに心を奪われたこと。生き物の仕組みを分子レベルで探ることに夢中になり、研究室にこもる毎日でした。
就職活動で、本田技術研究所がバイオエタノール開発に取り組んでいることを知りました。自分の専門が“クルマづくり”につながるなんて思ってもいなかったので、とても驚きました。私は昔から車が好きで、Hondaの「ビート」に憧れていたんです。「面白い車をつくる会社」という印象が強く、ここなら自分の専門領域を活かしながら、好きな研究開発に関われると感じ、入社を決めました。
前例のない環境で、挑戦を続けることで得られた自信
入社後は、基礎研究所に配属されました。当時、生物系の出身者は少なく、すぐに酵素(生体触媒)の扱いを任されることに。Hondaのなかでは新しい取り組みで研究用器具もそろわない中の手探りの日々でしたが、「やってみよう!」という気持ちが何より大切な環境だったので、ひたすら挑戦を重ねました。3年目には学術論文の共著者に。自分の専門性を活かしながら、新しいテーマにも積極的に取り組むことで、少しずつ自信がついていきました。
その後、出産・育休を経て復職した後に、材料工学の分野に異動。専門外でしたが、キャッチアップの支援もあり、楽しみながら新しい知識を吸収しました。「どこを学ぶべきか」の勘所は研究を通して身についていたので、分野が変わっても「学ぶこと」を楽しめました。今では、学びながら新しい分野を開拓していくことが、私にとってのやりがいになっています。
“制度がある”だけでなく、“活用しやすい”
現在、5歳と10歳の子どもがいます。2回の産休・育休を経て、今はフレックス制度と在宅勤務制度を活用しています。「子どもの体調が悪いから今日は在宅にします」「午前中はお休みをいただいて、午後から在宅勤務します」そのような柔軟な働き方ができるのは、本当にありがたいです。育児や介護に関する制度も年々進化していて、社会の変化を敏感にキャッチアップしてくれていると感じます。“制度がある”だけでなく、“活用しやすい”ことが本田技術研究所の魅力です。家庭の事情を理解し合える空気があるので、安心してキャリアを続けられています。
「女性だから」ではなく、「挑戦する仲間」として
本田技術研究所で働いていて、性別による有利・不利を感じたことは一度もありません。周りはいつも「任せたことはやりきろう」というスタンスで接してくれますし、過度に気を遣われることはありません。妊娠中も、私の意思を尊重してくれました。「やります」と言えば、「じゃあ任せるね」と信頼してもらえる環境です。女性の研究者はまだ多くありませんが、同期の女性たちとのつながりは強く、分野が違ってもよく情報交換をしています。制度の使い方や、キャリアの考え方をざっくばらんに話せる仲間の存在はとても心強いです。
カーボンニュートラル、そしてネイチャーポジティブへ
今は「カーボンニュートラル」をテーマに、「ネイチャーポジティブ(生態系の回復)」に向けた技術研究を進めています。ほぼゼロベースから取り組んでいて、この分野は本田技術研究所でも過去の実績はほとんどありません。どんな手段で貢献できるのか、方向づけや指針を自ら探っているところです。「過去の実績が無いから諦めます」ではなく、「まずは、やってみよう」と言える環境。未知の領域に挑戦するのは大変ですが、その分ワクワクします。新しい切り口を提案できる自由度の高さこそ、本田技術研究所の研究職の面白さだと思っています。



