Monkey Stories

2009モンキー

約30年ぶりのフルモデルチェンジ!

約30年ぶりのフルモデルチェンジ!

新生モンキーの誕生に向けて

1978年発売のモンキー以降は、基本的なスタイリングを変更することなく、各部の熟成を図りながら販売が継続されました。

モンキーは50ccエンジンを搭載した日本専用モデルの位置づけで、趣味性の高いモデルのために、販売台数は限られていました。
そのために、コストアップにつながるモデルチェンジは慎重を期する必要性があったことが30年もの間、フルモデルチェンジを行わなかった理由のひとつです。

一方で2000年代に入ると、Hondaを含め業界全体で排出ガスを抑制する対策が強化されました。実際に2006年施行の排出ガス規制では、1990年代の第1次規制に比べて一段と高い規定値が設定されました。このため、モンキーが日本で生き残るためには排出ガス規制に対応したモデルチェンジが必要となったのです。

2006年12月発売 モンキー 40周年スペシャル。モデルチェンジ前ラストのスペシャルモデルとなった

2006年12月発売 モンキー 40周年スペシャル。フルモデルチェンジ前ラストのスペシャルモデルとなった

開発のスローガンは「MY BEST SMALL」

このような時期にフルモデルチェンジに向け開発チームが編成されました。開発チームは、排出ガス規制に適合させて温室効果ガスの減少を図ることはもちろん、モンキーの伝統を継承しながら新しいユーザーも獲得できる魅力にあふれた新生モンキーを目指すことになりました。

モンキーは40年もの長い間に多くのファンに支えられ、コレクターズアイテムとも言われる趣味性の高いモデルですが、開発チームは極限までコストを抑えてより多くの人たちに提供できる価格を実現するために邁進することになります。

「MY BEST SMALL」を開発のキーワードに、モンキーの特長であるコンパクトでシンプルな車体と愛らしいデザインを踏襲しつつ、現代の感覚にマッチするスタイリングが形になってきました。

モンキーの最終レンダリング フューエルタンクは初代モンキーZ50Mの姿を彷彿とさせる
モンキーの最終レンダリング フューエルタンクは初代モンキーZ50Mの姿を彷彿とさせる

モンキーの最終レンダリング
フューエルタンクは初代モンキーZ50Mの姿を彷彿とさせる

エンジンは、2007年9月発売のスーパーカブ50に搭載された空冷・4ストローク・OHC単気筒50ccを採用することに決定しました。このエンジンには、フリクションを低減するオフセットシリンダーやローラーロッカーアームなどが採用されていました。
この新型エンジンの搭載にあたっては、ミリ単位まで追求しながら位置決めをする必要がありました。とても小さな車体のため、搭載位置によって操縦安定性に影響が出るからです。

そして、電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)の新採用に加え、触媒装置(キャタライザー)をエキゾーストパイプ内に搭載するなど、環境性能を一段と高めた仕様となっていました。

モンキーは、スーパーカブに比べとてもコンパクトな車体サイズのため、エンジンや補器類の搭載に加え、キャタライザーを内蔵したエキゾーストパイプの取り回しなど、克服しなければならない技術的な課題が多くありました。

にもかかわらず開発チームが設定した新型モンキーの車体サイズは、前モデルと同じ895mmのホイールベースで、シート高も同じ660mm。モンキーならではのコンパクトで可愛らしい車体を守るために、自ら高い目標を設定したのです。

こうしてさまざまな工夫を凝らして無事に新型モンキーが完成したのです。

2009年 モンキー

2009年 モンキー

久しぶりのフルモデルチェンジにあわせて遊び心にあふれたカタログが用意された
久しぶりのフルモデルチェンジにあわせて遊び心にあふれたカタログが用意された

久しぶりのフルモデルチェンジにあわせて遊び心にあふれたカタログが用意された

カタログでも紹介されている折りたたみ式のハンドルは、1967年発売の初代モンキーZ50Mから継承されているモンキーならではの装備です。

発売開始の2009年2月にあわせて、スペシャルモデルとして、モンキー・リミテッドを受注期間限定で発売しました。
このモンキー・リミテッドは、鮮やかなレッドとシルバーのツートーンカラーの燃料タンクをはじめ、おしゃれなチェック柄のシート表皮やクロームメッキの前・後フェンダー、エキゾーストパイプカバーなど、専用装備を施しました。

2009年 モンキー・リミテッド

2009年 モンキー・リミテッド

新型モンキーは、伝統を受け継ぐ可愛らしいスタイリングと、環境にやさしく力強いエンジンで多くのバイクファンを魅了しました。
小さいながらも大きな存在感を示したのです。