Monkey Stories
リアサスペンションを備え
レジャーモデルに発展した3代目モンキー

1970年発売のモンキーZ50Zから4年後の1974年、モンキーは大きく変わりました。
新設計フレームとMonkey初となるリアサスペンションを装備しただけでなく、前後タイヤに、郊外でのダート走行も視野に入れたブロックパターンを採用しました。
そしてタンク容量を従来の2.5リットルから4リットルにするなど、レジャーモデルとして大きな進化を果たしたのです。
これまでは、四輪車に積み込んで郊外で楽しむことを想定していましたが、このモデルから単独でレジャーを楽しめるように仕様を見直したことに伴う変更です。
そのためツーリングも想定し、座り心地の良いシートやリアキャリアも装備しました。
ひとつ前のモデル・Z50Zは、フロント部を脱着できる機構がありましたが、このモデルから脱着機構は廃止。しかしモンキーの特徴の一つでもあるハンドルの折りたたみ機構は引き続き採用し、四輪車に積みたい人も満足できるモンキーらしさを残しました。

Z50Jの装備の数々を紹介。3色のカラーバリエーションが用意された
モンキーZ50Jのベースになったのは、1972年にアメリカンホンダが発売したMINI TRAIL 50(Z50AK3)です。当時アメリカでは、ファミリーでバイクを楽しむレジャーが広がりつつありました。
扱いやすくコンパクトなサイズのMINI TRAIL 50は、子どもたちに大人気でした。

1972年 MINI TRAIL 50(Z50AK3)

1974年制作のカタログより。天体観測にUFO発見というユニークな設定
モンキーZ50J発売の翌年である1975年、タンクのグラフィック変更など細部の熟成を図った、モンキーZ50J-Ⅱが発売されました。

1975年 モンキーZ50J-Ⅱ
モンキーZ50Jで採用した新設計フレームは、この後30年以上にわたり継承されていくことになります。その意味でも、モンキーZ50Jは歴代モンキーの中でも重要な役割を果たしたのです。