Monkey Stories
ついに日本で発売された初代モンキー
輸出向けのモンキーCZ100が欧州で好評を博したことから、一般公道の走行を想定した次期モデルの開発がついにスタートしました。
一般公道を走行するために必要な灯火器やブレーキはもちろんの事、四輪車のトランクに積載して郊外で楽しむレジャーの要素も重要視されました。
遊び心と機能性を両立させるために、さまざまなアイデアが盛り込まれて完成したのが、モンキーZ50Mです。
とても小さな車体サイズですが、大人が操縦できるようにシートとハンドルは高さを確保しました。四輪車のトランクに積載するときは、シートとハンドルを折りたたむことで、さらにコンパクトにできる設計でした。
エンジンは、スーパーカブで定評の4ストローク・OHC・単気筒50ccで、自動遠心クラッチの3速ミッションにより、簡単な操作で走りを楽しむことができました。
モンキーZ50Mとそれが誕生したときのHondaの四輪車との関係について紹介します。
Hondaは、1963年に自社初の四輪車T360(軽四輪トラック)を発売し、日本で最後発の四輪車メーカーになりました。そして1967年に発売した軽四輪乗用車のN360が大ヒットして、四輪車メーカーとしての基盤を固めていきます。
しかしながら、四輪車のトランクに載せることを想定したZ50Mを発売したにもかかわらず、Z50Mを積載できるトランク付きの乗用車はまだありませんでした。
Z50M発売2年後の1969年に登場した四輪車1300によって、ようやくモンキーをHonda四輪車のトランクに積載することが可能になりました。
当時は、日本に「レジャー」という言葉が広まりつつある時代でした。モンキーZ50Mは時代を先取りして、四輪車ユーザーにも二輪車の楽しさと魅力を伝えるレジャーバイクになりました。
そして、このモデルからモンキーのロングセラーへの道が始まったのです。