CB Stories

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1992CB750

Honda最後の空冷750が
世に出るまでのHondaの750の変遷

Honda最後の空冷750が世に出るまでのHondaの750の変遷

1969年のDream CB750 FOUR誕生以来、日本では国内メーカーが最大排気量のバイクとして続々と750ccのバイクを生み出しました。Hondaも多様な750ccのバイクを世に送り出しました。

1979年のCB750Fは高性能な空冷・4ストローク・DOHC・4バルブ直列4気筒エンジン。CB900Fの車体をベースにしていたため、750ccクラスとしては大柄な車格でした。堂々かつ流麗なスタイリングで多くのファンを獲得した一方で、750ccクラスに見合った軽量でコンパクトなモデルを望む声もありました。

そのような背景から開発されたのが、1983年発売のCBX750Fでした。

新開発の750cc専用エンジンは、CB750Fに比べてコンパクトなサイズを実現。さらにダブルクレードルフレームの採用などで、車両重量も12kgの軽減を図りました。

1983年12月発売 CBX750F(日本仕様) 空冷・4ストローク・DOHC・4バルブ直列4気筒エンジンを搭載

1983年12月発売 CBX750F(日本仕様)
空冷・4ストローク・DOHC・4バルブ直列4気筒エンジンを搭載

一方、1980年代初頭のHondaは、高性能化が進むロードスポーツカテゴリーに、水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ・V型4気筒エンジンを搭載したVF750Fを1982年に発売しました。この水冷V型4気筒エンジンは、先進技術の粋を集めて開発したもので、Hondaのエンジン戦略として重要な位置づけでした。

1982年12月発売 VF750F(日本仕様) 同年4月発売のVF750セイバーと同一エンジン搭載のスーパースポーツ

1982年12月発売 VF750F(日本仕様)
同年4月発売のVF750セイバーと同一エンジン搭載のスーパースポーツ

Hondaは、革新的な技術のV型4気筒エンジンを大型スポーツモデルの主軸に据えて、ラインナップの拡充に注力しました。そのような状況もあり、空冷直4エンジンのCBX750Fは、1985年にフルフェアリングを標準装備したCBX750F ボルドールが最後のモデルになりました。

1985年以降、VF750FはモデルチェンジしVFR750Fに発展しました。

1990年 VFR750F(日本仕様)

1990年 VFR750F(日本仕様)

一方、CBX750F ボルドールの販売終了を最後に、一度750ccのラインナップから姿を消した直4エンジンは、1987年に新開発の水冷エンジンを搭載したCBR750 スーパーエアロによって復活しました。

こうしてHondaは、VFR750F とCBR750スーパーエアロ、750ccクラスに2種類の水冷エンジンを搭載したロードスポーツのラインナップしたのです。

1987年2月発売 CBR750 スーパーエアロ(日本仕様)

1987年2月発売 CBR750 スーパーエアロ(日本仕様)

こうした動きはHondaだけではありませんでした。各社が高性能エンジンを搭載した意欲的なフルカウルスポーツを発売するなか、よりベーシックでシンプルなモデルを求めるユーザーも一定数いました。

そこで、流行にとらわれずに長く付き合えるスタンダードモデルを目指してHondaが開発したのが、CB750でした。

CB750のレンダリング

CB750のレンダリング

CB750に搭載したエンジンは、CBX750Fの空冷・直列4気筒の細部をリファインしたものでした。同時に、専用設計のダブルクレードルフレームや、前後17インチホイールの採用などで、軽量でコンパクトな車体を実現しました。そうしてCBの伝統を受け継いだ端正で躍動感にあふれるスタイリングに仕上げたのです。

1992年2月発売 CB750(日本仕様)

1992年2月発売 CB750(日本仕様)

欧州ではCB Seven Fiftyという名で発売されました。CBの伝統が息づく空冷直列4気筒エンジンや、ベーシックなスタイリングは、欧州でも一定のファンを獲得しました。

1992年 CB Seven Fifty 欧州仕様 4気筒エンジンでありながら、コンパクトにまとめられた
1992年 CB Seven Fifty 欧州仕様 4気筒エンジンでありながら、コンパクトにまとめられた
1992年 CB Seven Fifty 欧州仕様 4気筒エンジンでありながら、コンパクトにまとめられた
1992年 CB Seven Fifty 欧州仕様 4気筒エンジンでありながら、コンパクトにまとめられた

1992年 CB Seven Fifty 欧州仕様
4気筒エンジンでありながら、コンパクトにまとめられた

1992年制作のカタログより 端正なスタイリングを際立たせる写真で構成
1992年制作のカタログより 端正なスタイリングを際立たせる写真で構成
1992年制作のカタログより 端正なスタイリングを際立たせる写真で構成

1992年制作のカタログより 端正なスタイリングを際立たせる写真で構成

なお、CB750は、扱いやすいエンジンと車体が評価され、日本では大型自動二輪の免許教習車両としても広く利用されました。

2004年制作の教習車両カタログより

2004年制作の教習車両カタログより

空冷・4ストローク・直列4気筒エンジンを搭載したCB750は、1992年の登場から2007年まで15年にわたり基本的な仕様を変えることなくロングセラーでありつづけました。大型自動二輪免許を所有する人がまず最初に教習所でまたがるバイクでもあり、路上に出てからも多くのライダーがこのバイクを選択しました。大勢のバイクライフを支える定番のロードスポーツモデルとして愛用されたのです。

15年のロングセラーを誇ったCB750の変遷 日本仕様

2004年 1月発売 CB750 モノトーンのみとしていたカラーラインナップを変更し、ツートーンの明るいカラーリングに。リザーバー付リアサスペンションとマルチリフレクターヘッドライトを新たに採用した

2004年 1月発売 CB750
モノトーンのみとしていたカラーラインナップを変更し、ツートーンの明るいカラーリングに。リザーバー付リアサスペンションとマルチリフレクターヘッドライトを新たに採用した

2006年 12月発売 CB750 新たなカラーリングに加えて前後のホイールにゴールドカラーを採用、高級感を演出した
2006年 12月発売 CB750 新たなカラーリングに加えて前後のホイールにゴールドカラーを採用、高級感を演出した

2006年 12月発売 CB750
新たなカラーリングに加えて前後のホイールにゴールドカラーを採用、高級感を演出した

2007年 3月発売 CB750 スペシャルエディション(限定車) 1982年、フレディ・スペンサー選手によってアメリカのデイトナ100マイルレースで優勝したCB750Fのカラーリングをイメージ

2007年 3月発売 CB750 スペシャルエディション(限定車)
1982年、フレディ・スペンサー選手によってアメリカのデイトナ100マイルレースで優勝したCB750Fのカラーリングをイメージ

2007年 10月発売 CB750シート表皮などの細部を変更。このCB750が最終モデルに

2007年 10月発売 CB750
シート表皮などの細部を変更。このCB750が最終モデルに

2007年 10月発売 CB750 スペシャル(限定車)<br />1979年に海外モデルとして発売した6気筒1000ccのCBXのイメージを反映したカラーリング

2007年 10月発売 CB750 スペシャル(限定車)
1979年に海外モデルとして発売した6気筒1000ccのCBXのイメージを反映したカラーリング

※1992年 CB750