CB Stories
CB400 FOUR誕生の布石となった
4気筒シリーズの最小排気量モデル

1971年に発売したドリームCB500 FOURは、高性能な4ストローク4気筒エンジンなどが高い評価を受け、ドリームCB750 FOURとともに大型ロードスポーツファンの拡大につながりました。
一方、350ccの中型クラスでは他社から意欲的なモデルが発売されるなど、メーカー間の競争が激しくなりつつありました。Hondaは1971年、4ストローク2気筒のドリームCB350エクスポートに350ccクラス初となるフロントにディスクブレーキを備えたドリームCB350セニアをタイプ追加し、ラインナップの充実を図り対策を取りました。
1972年3月 ドリームCB350エクスポート、ドリームCB350セニア(日本仕様)
モデルチェンジでカラーリングの変更や排気系の見直しで静粛性を高めた
アメリカでは、CB350 SUPER SPORTの車名で販売された
350ccクラスは、ライダーにとって500ccや750ccクラスにステップアップするための重要なクラスでした。
それを踏まえてHondaはこのクラスにも4気筒モデルを投入することを決定し、1972年6月にドリームCB350 FOURを発売しました。

1972年 ドリームCB350 FOUR(日本仕様)
アメリカでの車名はCB350 FOUR
新設計の空冷・4ストローク・OHC・直列4気筒エンジンは、低中回転域で扱いやすい出力特性としました。車両重量は、CB500 FOURに比べ12kg軽量な184kgで、より優れた扱いやすさを目指したツーリングマシンが誕生したのです。

1972年 4気筒シリーズポスター 3車種の充実したラインインナップが完成

1972年 ドリームCB350 FOURにまたがり感触を確かめる社長の本田宗一郎
日本人の体格も考慮したコンパクトな車体設計
ドリームCB350 FOURのスタイリングは、優しくおとなしいイメージでまとめ上げられました。
4気筒の大型バイクと比較すると扱いやすいエンジン特性によって、快適なツーリングを楽しめるモデルとして訴求しましたが、販売面では目標どおりにはいきませんでした。
同じクラスのCB350セニアに比べ、最高出力は2PS高い34PSで、車両重量は16kg重い184kgで。このため、中型クラスとしての軽快で力強い走行フィーリングが堪能できにくいなど、十分な支持を得られなかったのです。
新設計のコンパクトな車体と滑らかなフィーリングの4気筒エンジンは、残念ながら350ccの排気量ではその特性を生かしきれなかったのです。
ドリームCB350 FOURは約2年間の販売のみと短命に終わりましたが、1974年にこのモデルをベースに開発したドリームCB400 FOURの誕生につながりました。
※1972年 ドリームCB350 FOURの映像です