CB Stories
欧州メーカーの大型モデルに対抗した
Hondaのフラッグシップ

1960年、ドリームCB72 スーパースポーツ(250cc)が発売されると、スピード感あふれるスタイリングと高性能エンジンなどが国内外で高い支持を得ました。その人気に後押しされて、CB72の排気量を拡大し、当時としてはHonda最大の排気量を誇る305ccのドリームCB77を時を置かずに追加し発売しました。

1960年 ドリームCB77(305cc)
アメリカでの販売名称はCB77 SUPER HAWK 305
アメリカでも1961年にCB77の販売がスタートしました。しかしながら、当時のアメリカ市場では欧州メーカーの500ccから650ccが主流。Hondaとしては最大とはいえ、それらの車種と比較すると排気量が半分程度でした。そのためCB77は、アメリカ市場において他社の大型車には対抗する事ができなかったのです。北米を中心に欧州のHonda社員からも、もっと排気量が大きなロードスポーツモデルへの強い要望が寄せられました。
1959年から出場を開始した世界選手権ロードレースで培った高回転高出力の技術をもってすれば、小さい排気量でも500ccや650ccに対抗できるとの確信の基に、引きつづき開発がすすめられました。
1965年、こうして誕生したドリームCB450は、空冷・4ストローク・DOHC・2気筒450ccエンジンを搭載し、最高出力43PSを8500回転で発揮。最高速度は180km/hで、欧州メーカーの500cc車を上回り、650cc車と同等の出力性能を実現したのです。

1965年 ドリームCB450とエンジン部
アメリカでの販売名称はCB450 SUPER SPORT
アメリカを中心にHondaのフラッグシップモデルとして輸出され、高性能なメカニズムのエンジンは評価されました。しかしながら、販売が伸び悩むことになります。
特に広大なアメリカでは、やはり最高出力や最高速度よりも、強大なトルクで力強く余裕ある走りが求められたのです。
アメリカからは、もっと排気量が大きくて余裕ある走りが楽しめるロードスポーツが提案されました。それがのちのドリームCB750 FOURの開発につながっていきます。
CB450は、1968年にフルモデルチェンジし、その後も熟成が図られました。1969年にドリームCB750 FOURが発売された後も、扱いやすい車体サイズや2気筒エンジン独自のフィーリングなどで支持されました。そして、1974年に排気量を500ccにアップしたドリームCB500Tへと継承され、長くロードスポーツファンに愛用されました。

1968年1月 二輪車生産累計1000万台の記念式典
浜松製作所で1000万台目のCB450にまたがる本田宗一郎