CB Stories
アメリカンホンダの要請で開発された、Honda初の250ccスーパースポーツ

1959年6月、Honda初の現地法人「アメリカンホンダ」がロサンゼルスに設立されました。
大排気量車主体のアメリカ市場では、当時のHonda製品(305cc、125ccクラス)では、全くと言ってよいほど支持されませんでした。アメリカンホンダが要請したのは、力強く高速走行に優れたスポーツモデルでした。
一方、日本においては他社の2ストロークエンジンを搭載したロードスポーツの伸長が著しくなってきました。
このような背景から、浅間火山レースやマン島T.T.レースで培った高回転技術と操縦安定性能を注力して開発されたのが、250ccのドリームCB72スーパースポーツです。
ベースマシン、ドリームC72の4ストローク・OHC・2気筒エンジンの出力をさらに高め、24PS/9,000rpmを発揮。新設計のパイプ構成によるバックボーンフレームは、軽快でスポーティなスタイリングを可能としました。
CB72は、1960年10月開催の第7回全日本自動車ショー(後の東京モーターショー)に出品され人気を博しました。同年11月に量産がスタートし発売に至りました。
エンジンは、アメリカ向けはより振動が少なく高回転型の180°クランク仕様を、日本には、より扱いやすく中低速域で力強い360°クランク仕様を追加しました。
CB72は、高性能スーパースポーツモデルとして高い人気を誇り、スポーツ走行から長距離ツーリングまで、多くのスポーツバイクファンに愛用されました。
アメリカでは、HAWKのネーミングを初めて採用。「CB72 HAWK 250」の車名で1961年から1966年まで販売されました。

1960年発売の「ドリームC72」。「ドリームCB72 スーパースポーツ」はこの車両のエンジンをベースに開発された

左に回転計、右に速度計を配置した独特なデザインのメーター